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eki_docomokiraiのブログ

作編曲家のえきです。DTM、音楽制作TIPS、およびゲーム(Diablo3RoS)の話を書いています。

EQの使い方、の前に。

DTM・プラグイン

よくある間違ったEQの使い方と、正しい使い方について書いておきます。

つーても私は短期的にエンジニアに教わった程度なので、ちゃんとしたEQの使い方を習得している人にとってはネットによくあるド素人の戯言でしかありません。

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最初に結論だけ書いておくと、

・ピーク探しで細すぎ禁止

・ピーク探しで上げすぎ禁止

です。

 

 

まず間違い例1。

f:id:eki_docomokirai:20170307224055p:plain

パラメトリックEQを使う場合「不快な帯域を探すためにピークを細くして探す」という手法がありますが、

1,Qが細すぎだと、どの帯域でも不快に聞こえます

2,上げすぎると、どの帯域でも不快に聞こえます

という間違った使用方法をしている人が多いです。

 

この手法は多くの書籍でも書かれていますが、「狭すぎ、上げすぎは絶対にNG」という注意点についてちゃんと書かれていることが少ないです。

 

少なくとも下のように「Qわりと太め(オクターブ間に影響が出るくらい)、ゲインは6dB~12dB程度」で運用すると良いです。

f:id:eki_docomokirai:20170307224524p:plain

こうしないと、どの帯域でもおかしな音に聞こえてしまい、

「どこがおかしいかなー」ではなく

「どこにしようかなー」

という作為的な加工になってしまいます!

 

どこを聞いてもおかしな超音波が聞こえてくるので、さんざん悩んで疲れて「ここで良いや」と判断してしまっているだけです。

少し太めにして、ゲインを控えめにしてみれば、どこを削っても良いのかが分かるはずです。

あるいは、そもそも削る必要が無いということに気がつくはずです。

なんとなくEQをさして、なんとなく適当な場所を削って、職人ごっこをしているだけだと自覚するべきです。

なお、そういうおかしな削り方を「このEQは10バンド使えるから10箇所削ろうw」というようなやり方や、「複数のEQを使ってもっと削ろう。CPUには余裕あるしw」なんて方針で無意味にギザギザにすると、出音が悪くなるだけです。

 

レッスンをやっていて割りとよくあるのがコレで、「EQを使いすぎた音がする」とコメントし、指導しています。

下のような状況です。

f:id:eki_docomokirai:20170307231128p:plain

細く何箇所も削れば削るほど良い音になるという魔法のプラグインではありません。逆です。加工すればするほど音はおかしくなっていくだけです。

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なお、Qの数字についてはEQのモデルによってまちまちなので、書籍に書かれている「Qは2.0で」とかの話はまったく参考になりませんよ!

また、プラグインのEQのGUIに表示されている曲線もアテになりません。割りと適当に表示されているだけです。

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次の例は「加工が小さすぎて無意味」な例。

f:id:eki_docomokirai:20170307224102p:plain

たしかにQを細くできるEQは性能が良いと言えます。

しかし、細すぎるQで3dB程度下げても聞こえ方は全く変わりません!

 

また、こういう細すぎる下げ方はいわゆる「ノッチ」と呼ばれる加工で、録音の際に生じた特定周波数の共鳴などを除去するEQ運用です。なので、

生楽器系のシンセ音源(ドラム、ベース、ギター、オーケストラなど)ではすでに加工済みのサンプルが使われているのでノッチ加工は不要です。

細すぎるQでの加工は「特定帯域を削るMIX」ではなく、「特定周波数を除去する」意味になります。細すぎると高音域・特定倍音域を下げる加工ではなく「ドレミファソラシド」の「シ」だけを小さくすることになってしまうということです。音階って周波数ですよ?

 

なので、「ある楽器を目立たせるために、他の楽器の特定帯域を削って逃がす加工」をする場合には下のようにしましょう。

 

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そこそこ太く削りましょう。

このように、倍音域の一定区画を下げることによって、その区画では削っていない楽器の音が相対的に浮いて聞こえるようになるということです。

 

こういう太い削り方を嫌がるのをやめましょう。

 

そりゃもちろんものすごく繊細な加工を的確に行える本職の人であれば良いのでしょうが、「バイパスしても気が付かない程度の微細な加工は不要」だということです。

 

このミスはEQの使い方に不慣れな人が必ずやってしまうものです。自分もそうでした。

この記事を読んだ後に、「細すぎ、上げすぎはNG」と思って、ソフトなEQ運用で1曲ミックスをしてみてください。

© docomokirai 2017