近況、雑記。30年ぶりくらいにプラモデルを再開しています。理由などなどは以下の本文に記します。
あくまでも「再開した初心者」の話です。
(2024年2月20日)
- ■最初に、私のスタンスを説明
- ■エンジョイ勢であることを楽しむ
- ■私が買っているキット
- ■なぜ再開したのか?
- ■初心者として買うべきだと思った道具
- ■プラモデル専用ニッパー
- ■デザインナイフ
- ■ヤスリ系
- ■ピンセット系
- ■接着剤
- ■瞬間接着剤
- ■塗料
- ■塗料の補助ツール
- ■塗料の除去
- ■筆
- ■スジボリ道具(注意)
- ■スミ入れ塗料
- ■ティッシュはやめろ
- ■道具入れ場所
- ■その他、あると便利なツール
■最初に、私のスタンスを説明
「生活艦橋&体質に合わせて、はなっから妥協した制作をする」
「プラモデルはあくまでも2番目以降の趣味として軽くやる」
プラモデル制作を人生最大の目的にしている人たちとは完全に異なるスタンスです。
ガチで取り組みたい人は他の先達の記事へどうぞ。
私の人生最大の目的は音楽制作であり、職業も音楽制作です。
サブ趣味としてゲームがありますが、これもなんだか遊びじゃなくなっていて、いくつかのタイトルで国内・全世界トップ級でやってきた始末です。ゲーム趣味のエンジョイ勢と話をしても「普通は電卓やエクセルを使いながらゲームやらないぞ」と呆れられています。
そんな私がお手軽趣味としてプラモデルを再開した、という状況で書いている記事であることをご理解願います。
■エンジョイ勢であることを楽しむ
初心者によくある失敗を繰り返し、丁寧に、予測し、計画し、焦らずに作業することを楽しんでいます。
私は音楽制作の講師業もしているのですが、受講者の多くがおかしているミスは「焦って先に進みたがっている」「計画性が無く、場当たり作業ばかり」という共通点があることを知っています。
軽い趣味としてのプラモデルをやることで、そういう初心者の心理を体験することができています。
先に塗っておくべきパーツなのに、組み立てたい衝動でミスしたりします。
やらなくても良い細部の作業に拘泥する自己満足、やらない言い訳を考え、逃げ、そのくせ評価を欲しがる。
そういう初心者の心理を知るためには、専門のフィールドである音楽ではなく、あえて新たな趣味に手を出していくことは、後進の指導を行う中高年の大人として必要不可欠なのだと痛感する日々です。
■私が買っているキット
私の場合は価格で選ばず、内容で選ぶべきだと思っています。キットとしてのできが悪いという評判なら買いません。
例えばガンプラならMGかRGが圧倒的に良いと思っています。最も数が多く手頃な価格のHGは組んでいて何の感動もありませんし、仕上がりにも納得いきませんでした。
また、私はガンダムにはそれほど興味がないので、昔好きだった種類のガンダム(たとえばニューガンダムなど)をいくつか作っただけです。もっぱらスターウォーズやSF系、スケールモデルがメインです。
という一貫性が無さすぎる買い方をしているので、毛嫌いされるかもしれません。が、私としては「評判の良い新し目のキットを買う」「憧れを買う」「自分の人生にケリをつける」という一貫性があるんです。
近年は女の子のプラモデルが人気だそうですが、私は一切興味がありません。
他、いろいろ検索していて「この形面白いな」と思ったキットを買っています。最近おもしろかったのは『86(エイティシックス)』の多脚戦車でした。
が、この『86(エイティシックス)』というアニメは見たことがありません。
■なぜ再開したのか?
昨年、2023年夏。
ネット記事の端に見えた「ガンダムマーカー」というお手軽塗装ペンと、PLUM社のビックバイパーのキットを知ったから。
ここ数年の夏が暑すぎてやる気が起きない日にでもやろう、と思って購入しました。
それまでは木工作、紙工作で文具入れ等を作り続けていたので、そこそこの工作器具はすでに持っていたというのも大きな理由です。
で、こんな感じで作った。
部分塗装、スミ入れのみ。
その後、尾翼の翼端灯(赤)は紛失したので、赤クリアランナーをライターで溶かして埋め込みして完成させました。この翼端灯は1ミリ程度しか無く、極めて困難でした。そういう難易度から、レビュー記事でも「ゲーマーかつモデラーじゃないと手を出す人はいないのでは?」と疑問を呈されてもいました。どこの記事だかは失念。
・近年のキットの出来の良さに感動した
上のキットを筆頭に、新しめのキットは本当に完成度が高いです。
発売年を確認した上で購入すれば、時代による進化でかなり感動できるはず。
もしプラモデルをやってみたい人がいたら、欲しいキットの発売年を確認しましょう。10年以上前ならレビュー記事をいくつか見て、品質をチェックしましょう。
■初心者として買うべきだと思った道具
初心者と言っても、渡しの場合は昔それなりにプラモデルをやっていた&各種工作を槍続けているので(職業としてもやっていたので)、純水な初心者ではありません。
大人になってこういう趣味をやると「全ては腕だ!」という原理主義に陥りがちです。
しかし、適切な道具を使うのが正解です。
晩酌1回分の費用でさまざまなツールを買うことができるので、趣味のQOLが上がります。
小中学生じゃあるまいし、ちょっと良いクラスの専用の道具を買うべきです。絶対。
■プラモデル専用ニッパー
「爪切りでもいける」という人もいますが、専用のものを使うと圧倒的に作業スピードと仕上がりが良くなります。
一番安いものでも構いません。
興味があるならいろいろなものを買って試してみると良いでしょう。
私は2本購入の後、勢いにまかせて一番良いものも買ってみました。
片刃の極薄ニッパーです。
少し使ったトに刃部分は半分折れてしまったのですが、それでも残った付け根部分で使い続けています。
先端部分が本当に曲がりやすいので、絶対にランナーを切ってはいけません。絶対です。
ネット検索してみればわかるとおり、残念ならがこの製品はゲート処理が完璧になるわけではありません。
普通のニッパーだと切断した部分が白くなってしまい、これの修復は初心者には困難です。それを高確率で回避できるのがメリットです。
普通クラスのニッパー+ヤスリ加工の方が完成度は上になります。
8割の制作を超高速で行えるようになるので、時間が無い人は買うべきです。折れても使え。
■デザインナイフ
私の場合、OLFAのアートナイフPROを使っています。
模型専門店ならタミヤのものが常備されているはずです。
どれを買っても替刃は後から買い足しできます。(適合品であるかは要確認。主にロングとショートの2種がある。)
ナイフを刃物に対して垂直に使う、俗称「カンナ」で多くの加工ができます。
非常に便利なので必ず買うべきです。
ニッパーの代わりに爪切りで行く人でも必ず買うべきです。
カッターでの代用はおすすめできません。
■ヤスリ系
ガシガシ削れる金物の棒ヤスリを数本。
紙やすりをお好みで。
紙やすりは100均のものではなく、ホームセンターか模型専門店のものがオススメ。
番手は400・800・1000~が一般的なようです。
個人的には600のみでもいける、という気がしています。
・紙やすりは小さくしておく
ヒマな時に小さく切り分けておくと圧倒的に便利になります。100枚くらい作っておけば安心。
幅はお好みで。
数回ためしてみて、自分のスタイルに合った小分けサイズを見定めていくと良いです。
私の場合、長さ100mm、幅25mmです。これを下で説明する「紙やすりホルダー」にセットして常用しています。
・紙やすりホルダーを作る
直線部分の加工用。
厚さ2ミリ程度、長さ100ミリ程度の木の板に、クリップで固定します。
削り性能が鈍ってきたらどんどん取り替え。
貼り付ける素材を木ではなくプラ板等にすると、様々な用途に適用できます。
こういうツール加工自作が面倒な人は模型専門店で専用のツールを買いましょう。
・曲面のヤスリ
面倒な人は模型専門店にある加工済みの製品(神ヤスリ)を使うのが良いですね。
代用品として、100均に売っているスポンジヤスリもオススメ。
■ピンセット系
100均にあるかぎり、数本を購入しましょう。
「ピンセット」のカテゴリだけではなく、「毛抜き」もオススメ。
平たいもの、めちゃ細いもの。
使いやすいタイプを一軍として常用していきます。
・ピンセットの用法の例外
細かいパーツを掴みそこねて飛ばしてしまうことがあります。
あえて素手で行う方が安定した作業になるケースがあります。
また、最後の手段として、不潔だと感じるかもしれませんが指にツバを付けて小さいパーツを粘着させるという方法も忘れるべきではないと思います。
■接着剤
・タミヤセメント流し込みタイプ(薄い緑)
汎用。接着力は他より弱めだけど必要十分。
パーツを組み合わせてからスッっと流し込める。革命的な接着剤です。
フタについている筆部分も非常に細いので使いやすい。
昔は無かったはず。
昔のプラモデル制作で頻繁に起きた「接着剤がはみ出してみっともない」という事件がほぼ起きなくなります。
塗装した後での組み立てでも綺麗に組み立てできます。
クリアー部品の接着でも、よほど神経質にならない限り綺麗に仕上がりました。神経質な人でも、丁寧に扱えば許容できる仕上がりになるはずです。
・タミヤセメント(白)
シンナー臭が強いので注意。
合わせ目処理用。
■瞬間接着剤
メーカーは様々。
どこのものでも良いので「サラサラ系」「ジェル系」2種類を常備しましょう。
たまにしか使わない場合、吹き出し口が固着してしまいます。
100均のものを毎回使い捨てにするのも悪くはないはずです。
1本だけだと使おうと思った時に固まってしまっていて使えないことがあります。常に1本多く常備しておきましょう。
どうせプラモデル以外の用途でも使えるので一家に1本。
・瞬間接着剤のフタが固着した時の裏技
入れ物のおしり側に画鋲で穴を開けてそこから出す、という変則的な使い方もあるそうです。
ラジオペンチや雑に使っても良いニッパーでバキバキしたり先端を切断することで復旧できることもあります。
そうなる前に、フタをきっちり閉めること、使用後に先端に余った液を除去すること、穴に画鋲を突っ込むことでトラブル頻度を下げられます。が、いずれも完璧ではありません。
■塗料
プラ塗装の理想はラッカー系塗料ですが、シンナー臭があります。
私の場合、シンナー(有機溶剤)の臭いが極端にダメなのが難点です。
この理由でプラモデルをやめていたり、新車の接着剤の残り香がダメだったりで結構苦労しています。
シンナー臭いが平気&換気が容易な部屋に住んでいるなら、好きなように塗料を選択できます。
・吹き付け塗装ができない場合
ネット上の情報のほとんどが「理想的な塗装」を目指す目的になっているようです。
プラモデルの塗装を最も完璧に行えるのは吹き付け塗装であることは異論がありまえん。
が、すべての人が吹き付け塗装をできる生活環境&身体特性があるわけではありません。
でも、そういう人たちでもプラモデル塗装を楽しめるツールがあります。
はなっから妥協し、可能な範囲で楽しむのは悪いことではありません。
・ガンダムマーカー
財力次第でいくらでも。
長所は手軽さ。
欠点は最終仕上げ(トップコート)との相性の悪さ。うまくいくこともありますが、初心者の腕では運任せレベルになります。ここは要注意。
トップコートまで含めた仕上げをしたいなら、ガンダムマーカーを卒業するべきなのでしょう。
こういう「作ってみたけど実用性は低い」尖った商品は、今後のテクノロジーで解決されていくのを待つしかないのでしょう。たぶん30年後には剥がれないメッキ塗料も登場しているはず。
・ガンダムマーカー、メッキシルバー
特筆もののギラギラ感が手軽に出せる。
ためしに1本買ってみることを強くオススメします。
ただし、直接手で触れると激しく劣化してしまいます。
ノズル等、内側からチラ見えする部分限定で使いましょう。
・アクオスの水性塗料(Mrホビーカラー)
匂いが少ないです。
水で洗えます。
ただし、薄め液だけは一時的に有機溶剤を使うべきです。
ネット情報では「水道水で薄めても良い」と紹介している人もいますが、やめたほうが良いと思います。
ネットショップでは旧版の在庫販売をしているところがありますが、品質が大きく異なります。
■塗料の補助ツール
・塗料の撹拌
撹拌棒と撹拌金属玉。
塗装ミスの要因の多くは塗料の泡立ちです。
泡立ちを避けるため、筆でかき混ぜずに丁寧に静かな撹拌を行うべきだからです。
・中間色を混ぜるための入れ物
100均でいろいろ。
スポイト、スプーン、へら。
作った中間色を補間する容器。100均コスメコーナーで難航入れなどを流用。
・リターダー
塗料の乾きを遅くする薬剤。
筆ムラが激減します。
■塗料の除去
主にアルコールで除去できます。
シンナー(有機溶剤)系での除去は、パーツを損傷することがあるので要注意。
アルコールはコロナ禍で余っているものでも可能ですが、濃度が低いので除去力は弱いです。(弱さを逆利用し、繊細に除去する用法も可能)
模型専用のリムーバーは非常に強力です。
あわせて、多様なサイズの綿棒も常備します。
■筆
買えるなら最高級品を。
さまざまな悩みを金で解決できます。
安いものでやるなら以下を参照。
・面相筆は100円コスメ系
100円ショップ、コスメ用、ネイル用のものが模型用(の安物)よりも使いやすいです。
100均のものをいくつか買ってガチャ。
面相筆は切断してはいけません。良くなった試しがありません。
・平筆の改造
毛先をまっすぐに切りそろえたほうが良い場合もあります。
業界の常識としては「切断した毛先はダメ」と主張されていますが、美しい理想的な毛先の製品であることより、毛先が揃っていることのアドバンテージの方が大きいです。
もちろん、高級品であれば2つの条件を完璧に満たしてくれます。
そういうものを買わず、「安いもので済ませるなら切りそろえたほうがマシ」ということです。
・爪楊枝を加工
爪楊枝の先端15ミリ程度をカッターで薄く平たく加工。先端はハサミで30度くらいの鈍角にカット。
ヒマがある限り数百方作っておくと便利です。
加工した先端に塗料をつけて、細かい部分を塗る時に使います。
あらゆる筆を上回る精密さを期待できます。
これ、なんでも模型専門メーカーが作ってないのか謎。
■スジボリ道具(注意)
ニードル、タガネ。
器用さと根気に自信が無い人はあきらめましょう。
通常の人間には不可能な繊細さが必須となる加工です。
■スミ入れ塗料
ガンダムマーカーのものはダメ。
・スミ入れの注意点!
溶剤を含むので、雑にドバドバ使っているとパーツの目に見えない隙間に浸入し、「パーツ割れ」をすることがあります。
本来スミ入れは必要な箇所だけに塗装面の上から丁寧に流し込むものです。
「後から拭き取りできる」という知識を誤解し、『じゃあ適当にドバドバやってから拭き取れば良いじゃん』と思っていると、パーツ割れしまくります。
特に部分塗り+スミ入れだけの制作で注意です。
プラ部分に直接スミ(溶剤)が接触するので、本当に割れます。
それを解決しようとしたのがガンダムマーカーのスミなのでしょうが、ガンダムマーカーは筆先が太すぎて、上手い具合にいきません。
・スミ入れの色
昔ながらの塗装スタイルでは黒だけですが、モダンな仕上げでは様々な色のスミを使うようです。
例えば、赤い塗装の上には茶色のスミです。
まず黒とグレーのスミを買い、興味に応じて買い足しましょう。
■ティッシュはやめろ
さまざまな用途でティッシュを使いたくなるかもしれません。
が、ティッシュはホコリが出るので、デメリットがあります。
ホコリを付着・飛散させたくないので、「キムワイプ」を買っておきましょう。
これも日常生活で活躍する場面があるので、一家に1箱は常備するべき。
■道具入れ場所
市販のものよりも、手持ちの道具数に応じてティッシュ箱やダンボールで自作した方が使い勝手が良いと思います。
専用のツールボックスはフル装備の「ガチ勢」向けな感じがしてなりません。
箱の自作は楽しいですし、プラモデル制作以外でも家庭内の様々な用途で役立ちます。
文具用、冷蔵庫内の仕切り、洗剤や掃除道具の仕切り、常備薬用、などなど。
生活スタイルに合わせたサイズの箱を作り続けるのは本当に楽しいですし、QOL向上に直結する、と私は思っています。ヒマさえあれば箱を作り続けているので。
■その他、あると便利なツール
パーツオープナー
(一度組み合わせたパーツの隙間にねじこんで分解する)。
私の場合は十徳ナイフについている薄い金属ヘラを使っています。あまりカドが立っていない、ほどよくソフトなもので代用できます。
初心者であればあるほど、塗装時に一度分解する必要性があるので必須です。
硬い木の棒
様々な用途で活躍します。押し込み、隙間こじ入れ、
お箸を加工したものでも良いです。
私の場合は木工先で使うメープルの自作棒を使っています。