スペアナ話の続きです。
Cubase9系のEQに付属しているスペアナはどういう表示をしているのかを調べていきます。
- ■Cubase9系のEQスロープ
- ■CubaseのEQスコープは右下がりなので気をつける!
- ■ダイナミクスについて調べる
- ■サイン波0.00dBの表示でテスト
- ■曲を鳴らして下限を見る
- ■平均値検出とディケイ(下降速度)
まず関連記事を貼っておきます。
これらを踏まえた上でのお話ですので、必ず読んでおいてください。
eki-docomokirai.hatenablog.com
eki-docomokirai.hatenablog.com
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では開始!
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■Cubase9系のEQスロープ
ピンクノイズを水平にしておくメリットについては上の関連記事で述べた通りです。
CubaseのEQスコープは、ピンクノイズではなくホワイトノイズに対して水平です。
・SPANをCubaseEQに合わせる
SPANのスロープを0.00にすると、SPANはホワイトノイズを水平に表示します。
また、これらから0.00dBのホワイトノイズがCubaseEQの中央のラインに合致する仕様だということも分かりますね。
(※ここで勘違いしてはいけないのは「ホワイトノイズの0dBはピークメーターの0dBとは関係ない」ということです。後述します。)
■CubaseのEQスコープは右下がりなので気をつける!
以上から、右下がり表示だということが分かります。
CubaseのEQスコープを活用する際には右下がりだといことを意識しましょう。
そうしないとついついハイを上げる加工をしてしまう恐れがあります。(関連記事参照。)
■ダイナミクスについて調べる
ホワイトノイズの0dBが中央ラインでした。
EQスコープの一番下は、ホワイトノイズの音量でおよそ-55.0dBです。
このEQのスペアナ表示がどういう検出の仕組みなのかは不明なので、参考程度に。
SPANのRT MAX表示とRT AVG表示で見て、2つの画像を重ねました。
■サイン波0.00dBの表示でテスト
全帯域に音が生じているホワイトノイズと、一点集中のサイン波では音圧の扱いが違うので、気をつけて理解してください。
サイン波0.00dBはSPANではほぼ0.00dBとして表示されます。
CubaseのEQ表示では1本上の12dBラインのやや下です。
・三角波でもテスト
第二倍音(3つ目のピーク)がEQの中央ラインです。
これはSPANでは-30dBに相当します。
また、この表示で下限がどの辺りなのか興味が出てきますね。
画像では強調するのを忘れてしまったのですが、SPANの下限は-120です。画像右側、SPANのツマミ、下段3つ目を参照してください。
倍音の右下がり角度から、ほぼ同じだということは分かりますが、下限がかなり違うようです。
■曲を鳴らして下限を見る
検査用のノイズやトーンだとわかりにくいので、適当な曲を鳴らして、起伏をチェックしてみます。
下段は画像を半透明にして重ねてあります。
SPANのダイナミクスレンジが0~-120dBでほぼ一致しています。
ここで気になるのは、細かい波の振幅のサイズがかなり違うことです。
■平均値検出とディケイ(下降速度)
SPANの設定で合致させるのはほぼ不可能でしょう。
CubaseEQの表示を見ていて、その動きから特性が推測できます。
・平均値表示である
波の動きがかなり緩やかです。
瞬間的な動きに対して反応が遅いタイプで、音楽的に扱いやすいように作ってあることがわかります。厳密な検査目的のスペアナではないということです。
関連記事でも述べてある通りですが、これは性能が悪いとかの問題ではありません。
音楽的な作業でのスペアナはある程度ゆるやかな方が便利です。
逆に言えば、精密なピーク取りや、録音物の下処理をする際には見落とす恐れがあるので、EQのスペアナだけでやるべきではないということです。
・下降速度がかなり独特
CubaseのEQスコープの表示は、大きな音量を検出し、緩やかなスピードで下降していきます。
この下降スピードがちょっと独特だなぁと思います。
これはあくまでもMAX値の検出をメインにした設定だと言えます。