eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

(書きかけ)ローエンドとハイエンドの処理の話

ローエンド処理の話、ハイエンドの処理の話。

(2021年6月23日更新)分割記事、書きかけ)

 

 

■低域の処理でよくある勘違い

同様に、ロングのサブキックで「ドゥーーン……」と鳴らす時。

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ドラムのステムやマスター付近でまとめてローカットをしてしまうと、通常時のキックやベースまで下がってしまいます。気をつけましょう。

グループやマスターになってからダイナミックEQで削っても、他の音への悪影響があります。必ず個別トラックで処理しましょう。個別トラックでのダイナミックEQは極めて優れたツールとなります。高性能だからと言ってどの状況でも夢のミックスを実現できるツールというわけではありません!

もしくはローエンドに強い影響を持つトラックだけでステムを構成しておいて、そこでどうにかします。

・ローの削りすぎ

生録音したものは低域に音楽的に不要な低音が必ず録音されてしまいます。

これを除去する方法として「とりあえず全トラック100Hz以下をローカット」というメソッドが広く普及していますが、半分間違いなので要注意!

 

■ローエンドってどこからロールするの?

現代のローエンドはフロアミュージック(ダンスミュージック)の普及により、今は概ね50HzにしておけばOKな時代です。なんだかわからないでやってる人は50だと思っておいてください。

 

もちろん50Hzだけが正解というわけではなく、用途によって様々な方法論があります。

映画館や特定の環境のために作るものだと20Hz以下になることもあります。

ローエンドを深く残してあっても、結局は再生環境によってカットされるので、あまり問題ありません。

 

・なんでも100Hzで切るという誤解

めちゃ古いミックス本だと100Hzと書かれていることもありますが、これは大きな誤解を生んでいます。

その100Hz以下カットという言葉だけをつまんだDTMの人たちが広く流通してしまった経緯もあり、一部のド素人界隈では未だに「100以下は全部カットだよ」という声がありますが、絶対にありえません。

 

昔の伝説のロックバンドとかの音ってロー無いでしょ?

ローをスピーカーで正しく再生できる環境が普及したのは概ね90年台に入ってからです。それまではもっとチープな再生環境で「ベターな音」が追求されていました。超一流プロのエンジニアもみんなそうしていました。

興味がある人は下の記事をどーぞ。

eki-docomokirai.hatenablog.com

 

やや蛇足ぎみなことを書きますが、大昔の音楽をありがたがってリファレンスにしている老害と、その言葉を真に受けた素直な若者がいて、未だに『ナイトフライ』とかを至高だとか言っているようですが、完全に無意味です。その曲を好きであることは素晴らしいことですが、完全に一昔前の再生装置のための音楽であって、今そのバランスを真似しても何のメリットもありません。ビートルズもレッドツェッペリンも同様です。ナイトフライは死にました。

 

・すでにローカットされていませんか?

が、問題はシンセの音。いわゆるドラム音源とか、オーケストラ音源。

「生楽器を録音し、サンプルを鳴らすシンセ」では、製品化の段階ですでにローカットされていることがあります。

そういうローカット済みシンセの音をさらにローカットするとひどい音になります。

「 なんでも100Hzでカット」という考え方は「生録音のミックス」の話です。

近年のDTMで一般化してきている「打ち込み音楽」の場合にはうまく読み替える必要があります。

・みだしなみとファッションの差

ミックスとは言わばファッションです。服装や髪型のことです。

ミックスの前段階、録音物のゴミ取りのために「とりあえずローカット」というのは、オシャレ以前の身だしなみの話です。

高校の教室内で髪型をいじる奴はいても、股間の汚れをメンテする奴は絶対にいないでしょ?

「とりあえずローカット」はチンカスを取る程度の行為だと思ってください。

ローカットしるぎるとチンコから血が出ますよ、ってシモネタで覚えておく程度で良いんです。

 

お肌のトラブルは神経質になりすぎてゴシゴシしすぎることが原因です。

取れば良いってものじゃないです。

そもそも人体は汚れているものですし、音も汚れているものです。

除去すればしただけ磨かれるわけではありません。

・アナログ機材を経由した時点でハイローは削られる

まずマイクの時点で削れます。

ケーブルでもハイが落ちます。ケーブルとは物理的なパスフィルターです

チャンネルストリップの各種部品でどんどんハイローが削れます。

・20Hz以下はバッサリ切るべきか問題

上下末端のロールオフは「適度な傾斜角」でOKとするのが一般的です。

垂直に切るのが良いと主張する人もいますが、鵜呑みにしない方が良いと「私は」思います。

www.gearslutz.com

(注意。上はGeartlutzフォーラムです。要するにただのネット掲示板です。鵜呑みにしないように。)

原理的な問題として「CDは20Hz以下が入らない」とか、「人間の耳には20Hz以下は知覚できない」などの理由付けがあります。

が、別の理屈で考えればデメリットも明らかです。

その除去過程において、他の帯域全体にも余計な影響が出てしまうからです。(そのために高品質EQ情勢を追いかけるのもまた楽しいことではありますが。)

また、サンプリングの結果として収録された超低音の揺れによる、何かしらの臨場感というものもあるかもしれません。この考え方はハイレゾと同じだと解釈できます。つまり「聞こえない超高音による臨場感」と同じです。

・ローシェルフで軽く処理する

近年は安いEQでもカットフィルターの角度をきつくできるものが増えてきました。

「カットはしっかり切れる方が良い」のは間違いありません。道具は鋭い方が良いです。

しかし、ここまで述べてきたように、切れば良いというものではありません。

ゆるいカットを使い、あるいはシェルフで軽く抑えるだけにする、という選択肢を持てば、EQ難民から脱することもできるかもしれません。

 

大は小を兼ねます。

これは「小」は欠かせないということを意味しています。

「大」だとしても、「小」は欠かせない重要なツールです。

 

■海外記事

「この海外記事良かったよー」というお話があったので貼っておきます。

手順とその際の注目ポイントについてうまくまとめられてると思います。

主にEDM系、40以下まで達するローエンドを丁寧に扱うジャンル向け。

ledgernote.com

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