海外ミックス記事の紹介です。初級者の頃に覚えた基礎ルールを捨て、上達したら次の段階に進みましょう、というお話。
(2019年3月29日更新)
■元記事
http://behindthespeakers.com/5-mixing-myths/
■要約と解説
・1,盲目的にハイパス(ローカット)しすぎない
「どう削るか?」を考えると同時に「どう残すか?」を重要に考えてみよう。
・2,キックやベースにもリバーブを追加して良い
ミックスでのリバーブの効果の1つとして「なじませる」効果がある。
キックやベースなどに「絶対にリバーブしない」というのは初歩の知識。あるいは原則的なものでしかない。低音担当楽器があまりにも浮いているならリバーブを試してみよう。
日本のDTM界隈で流通しているミックス話だと「キックとベースはセンターですよ^^」と書かれいてることが多いですが、それは初歩の原則の話でしかありません。
実際に市販の(メジャーレーベルの)曲を計測してみれば明らかです。M/Sでミュートしてみれば明らかです。
また、ベースについては、ベースアンプシムでルームが追加された音になっているものもあります。手持ちの音源の出音を解析してみてください。それ本当にセンターだけですか?
その他、原文にもっといろいろ書かれています。
ついでなので、国内DTM系で広く言われている「センドで使うんですよ^^」も初歩の原則の話でしかありません。
eki-docomokirai.hatenablog.com
・3,付属プラグインでも構わない
「付属プラグインだからダメだ」というのは幻想です。
「Wavesに変えたらコンペを通るようになった」というのは、プロと同じ道具を買う覚悟をしたからです。心理的な逃げ場が無くなったからちゃんとミックスするように本当に努力したからです。
だからクラック(違法コピー)を使っている人はうまくならないんです。安売り情報ばかりチェックしている人も同じです。
20年前ならいざしらず、今の時代の普通のDAWの付属プラグインは相当な品質です。(エフェクト専門メーカーと提携していることもあります。)
コンピューターの性能が良くなって、繊細な処理ができるようになってきた恩恵もあります。
確かに初期のDAWの付属エフェクタは劣悪でしたし、当時の高品質なエフェクタは1つ使っただけで他の処理が何もできないくらい高負荷だった時代があります。
・4「あっちのDAWの方が優れている」と考えない。
DAWの違いはワークフローの差であって、サウンドの差ではない。
新しいDAWの使い方を覚える間にできるもっと大事なことがある。
・5,DAWとプラグインだけじゃダメ?
そんなことはない!
本当に決定的な違いを生み出すのは高級なビンテージアナログ機器ではない。
実際にトップミキサーはDAWの中(BOX)で仕上げている。(Andrew Scheps、Dave Pensado、Serbanなど。)
付属プラグインでミックスするのは「設備の妥協」ではなくて「作業の洗練」の結果です。
余談ですが、実機を導入したとしても、実機はすぐに劣化・破損します。繊細なメンテが必須です。
修理中に同じモデル名の道具を使ったとしても、個体差があり、同じ音になりません。
また、電源ノイズの強い影響を受ける(与える)ので、中途半端な実機導入は確実にSN比を悪化させることになります。
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