拙著「Cubaseをカスタマイズする教科書」に入れ忘れていたマクロについて書いておきます。リピート再生範囲をワンタッチで移動するマクロの作り方です。マクロのレッスンで扱ったので、せっかくだから無料記事にしておきます。
(2022年2月13日更新)
■概要
リピート範囲を瞬時に動かせると、ボーカル補正やMIDIの細部編集ではリピートしながら連続的に作業できるようになります。
・使用目的
超高速フレーズの耳コピや、オーディオ編集、ループ編集時。
狭い範囲をリピート再生し続け、その範囲を任意に左右に移動できるようにします。
これによって、狭い範囲の編集が連続する際にロケーターに触れる必要が無くなります。
・作り方
ちょっと雑な説明だけ書いておきます。
かんたんなマクロなので、本を買ってくれた人ならすぐに実装できると思います。
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「サイクル範囲を左に移動する」
上と対になる「サイクル範囲を右に移動する」も作ります。小節移動を左右逆にすればOK。
サイクルマーカーそのものを移動するコマンドは無いので、カーソル位置を移動しながらサイクル位置を再定義しています。
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2つ作ったら動作確認!
正しく動いたら、ショートカット登録。環境設定の保存をお忘れなく。
拍単位の指定をやりたい場合はナッジで作ります。ただし、ナッジは誤作動がすることがあります。また、小節単位だけで実務的には何も問題はありません。
自由に操作できることは目的ではありません。あくまでも音楽制作の上で何が本当に重要か?と考えないと、役に立たないマクロを量産してしまうことになります。クソマクロを300種くらい作った俺様が言うんだから間違いない。本当に使えるマクロを厳選し、押しやすいキーにアサインしましょう。
・改善版(Cubase9.5)
上は再生中に使用するとリピート範囲がバグる問題があった。
下はそれを改善したもの。
行頭で「停止」し、「巻き戻し(早送り)」を挟むことでカーソル位置バグを回避しています。
行頭で停止しているので、末尾では再生開始。これで次の部分の作業をすぐに開始できます。
相変わらずのバッドノウハウですが、使い勝手は抜群に良くなります。
■書籍宣伝
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eki-docomokirai.hatenablog.com
「ロケーターを移動するためにトランスポートパネルに数字を入力して云々」と指導してる低能DTMスクールに金を払うくらいならこの本を買うべき。
インストールしただけのCubaseは他のDAWより劣ります。Cubaseの最大のメリットは、自分好みにカスタマイズできる自由度の高さです。