プチDIY。マウス改造。アホかと思われるかもしれないけど、マウスに木片を貼り付けると恐ろしく使いやすくなります。下画像は2022年時点。
(2022年4月24日更新)
- ■はじめに
- ■工具と材料の調達
- ■試作開始!、まず木片でボタンを拡大する
- ■(追記)Sサイズの場合
- ■M-DUX50も改造中
- ■方向性が決まったら良い木材でリメイクしていく
- ■その後の改造状態
- ■メモ
- ■関連記事
■はじめに
かなり異常な行為だということは自覚しています。
こういう不格好な改造を嫌う人の方が多数派だということも知っています。
が、やってみると恐ろしく使いやすくなります。
そりゃそうですよ。手の形はみんな違うんですから、自分専用にしたものは絶対に使いやすくなります。まじで。
どうせマウスを中古で売ることなんか無いし、酷使する人なら1年以内に買い替えていくんだからゴリゴリ改造しても何も問題無いです。
・理由
人間工学的に見ても、指は「遠く」「近く」に水平にスライドしにくいです。
キーボード形状で「スカルプチャ」があることを考えればすぐに納得できるはずです。
画像、http://jo3gbd.blog.shinobi.jp/Entry/252/
マウスの複数ボタンも上画像で言うところの「ステップ」形状にしてしまおう、という改造なんです。
■工具と材料の調達
別記事にしました。
eki-docomokirai.hatenablog.com
■試作開始!、まず木片でボタンを拡大する
試作用の木片は硬すぎないものが良いです。ぶっちゃけ割り箸でも良いくらい。
プラスチックでやったこともありますが、取り付け後の最終調整が地獄です。
MDF材やOSB材などは加工ミスしやすいので、普通に木目が走っているものが良いと思います。
形状が決定してきたら、より硬く、より手触りの良い木材に変えていきましょう。
(この記事の画像では試作段階の柔らかい木材のものと、最終的に使用している木材のものが混在しています。)
・試作
まずは柔らかめの木材を使用。
--------------------
サイドボタン。2つある前方のボタンのみ取り付け。
片側だけ1.5mm程度の「段差」をつけます。
両側にやると意味がないです。
もし後方のボタンにも付けるなら、かなり後ろ側、親指の関節あたりまで引き離したほうが良いかもしれません。
正方形に近い形で下にはみ出すようにしています。やや爪に引っかかりますが、それが非常に使いやすい。
どのくらいはみ出すのがベストかは大きな個人差があるので、ちょっと大きめにしておいて、どんどん削って最適化していくのが良いです。
今回の加工では、過去のマウスの形状を元にしています。
エレコムEX-G系にある左追加ボタン、Fn1。先端のみ取り付け。
写真は初期のテスト状態です。ここから何度か作り直して行きます。(この手の工作は最初からベストを狙っても絶対に失敗するので。)
(柔らかめの木材からスタートし、何度かリメイクしてから良い素材を使います。)
外側に大きくはみ出すくらいにしても良いです。
手前のFn2に接触しないギリギリまで2mmほど前出ししています。
こうなる。別角度で2枚。
・改良していく
左手の追加ボタン、Fn1をもうちょっと大きく高くした。
そもそも1枚目を削っている時に割ってしまったのが敗因。
左手の追加ボタンFn1は「低く広く」よりも「高く広く」した方がベターだと思う。押し込み時に1mm~2mm程度の高さが残った方が使いやすいはずです。あとはあなたのお好みでメチャクチャにしてやれば良いです。
こうやって形状をつきつめながら妥協なく自分専用に仕上げていくのは本当に楽しいですよ!
--------------------
さらに追記。
--------------------
で、しばらく使いながら削って微調整。
(削り位置チェック用に黒く塗ってます)
マウス上部のFn5ボタンも高く加工。
こうすると頂部のボタンを指の付け根で軽く押すことができるようになるので、常用する機能を割り当てられます。こうなると以前から提唱している「指の付け根ボタン」としてもう1個のボタンが欲しくなってきます。
Swiftppointみたいな感じでね。
レビュー記事はここが一番分かりやすいと思います。
実売価格が3万近いので覚悟が必要です。
■(追記)Sサイズの場合
同系マウス、Sサイズ(M-XGS20DL)の場合、あまりにも小さくしているために人差し指の追加ボタンが窮屈です。
よって外側に張り出す形でボタンを拡張してみました。
まず横にはみ出すための木片を接着し、上面を加工してから上にもう1つ接着。最後に削って整形しています。
ボタンが1つだけ横にはみ出すと扱いにくいので、2つのボタンを両方とも揃えます。
Mサイズの時と同様に段差をつけて、タッチを分かりやすくしています。
もう4個目の加工なのでだんだん上手になってきた。
Sサイズはチルトを修理済みです。
Sサイズはホイールが軽いので、ボタン拡張をしてみたらトータルでは悪くはないかなという評価に上がりつつあります。
・Sサイズの内部加工
電池カバーの後ろの部分がめちゃくちゃタイトで、樹脂シールを潰さないとケースが閉じません。黒いシールは一部切断すると組み立てしやすくなります。
また、上端の溶かしてある部分も少し削った方が良いかもしれません。
現在流通しているものでは改善されているかもしれません。
■M-DUX50も改造中
せっかくなので工作途中の写真をとっておいた。
まずベースを付けて、元のプラを削ってツライチにする。
その上に盛る。試作なので試行錯誤中です。
8つのボタンを差別化し、迷わず使えるようにしようと思っています。
ここから整形したり、角度を修正したりしていきます。
後日談。
サイドボタンは使いやすくなりましたが、マウス自体のホールド感が悪化しました。もともと良くないのがさらに。
バランス良くレイアウトされたサイド2ボタンのM-XG20DLはやっぱり傑作だなぁと再確認させられた。
■方向性が決まったら良い木材でリメイクしていく
プラ材を使ったこともあります。3Dプリンタ樹脂は使った事がありません。
木材の表面に樹脂加工(マニキュア、トップコート)をしたこともあります。が、ツルツルだとタッチが悪いと思います。木のままが正解です。高級な文具のグリップで使われるマホガニー、ウォールナット(くるみ)、黒檀などをネットショップで購入。
--------------------
いろいろ試した結果、木そのままが圧倒的に良かったです。適度なザラつきがある方が圧倒的に快適です。
木そのままだと衛生上の不安を感じる人もいるはずです。が、キーボードやマウスは日常的にアルコール消毒などをしているので、あからさまに木が腐ってきたことなどはありません。そもそも高級文具などでも使われる木材なので、必要以上に神経質になる必要は無いはずです。
・その後の様子
材質変更。
下は模索中の状態。左右クリックが黒檀、その他がマホガニーです。
さらにリメイク。同じモデルのマウスがたくさんあるので試行錯誤していきます。
下はすべて縞黒檀にした例。
黒檀は加工が大変でしたが、指先に汗が出た時でもタッチが良好です。この感触はどんな高級ゲーミングマウスでもありえないすばらしいものです。
見た目的にも落ち着いたダークブラウンと木目が気に入っています。
手触りと汚れにくさ、色と質感は黒檀は素晴らしいです。が、恐ろしく硬いので加工が大変でした。バランス的にはマホガニーあたりが良いと思います。
マホガニーは大きめのホームセンターに置いてあることがあります。
黒檀はヤフオク等で端材を非常に安く入手できます。
木工作が好きな人にはオススメの暇つぶしになります。
■その後の改造状態
その後半年、かなり改造が進んでいます。
・右フラップの取り付け(2022年2月25日)
右側にフラップを取り付ける。マウス側面のラバーはボロくなっていたので剥がしました。背部にもウォールナットを貼り付けて、手のひらと指の付け根のフィットを改善しました。
右サイドフラップを取り付けて薬指を「置く」持ち方にしました。握る必要がまったく無くなります。持ち上げ時も指を引っ掛けることができるので、握る必要がありません。
他のパーツと異なりかなり立体的になるので、3枚の板を接着してから削り出しをしています。
マウス本体との接着面はカーブが強いので、カーボン紙を使って同じ曲面にすり合わせをしてあります。
・左サイドボタンとフラップの改良(2022年2月25日)
木片の形状を見やすくするために輝度を上げています。実際にはそんなに汚くありません!
サイドボタンは黒檀。フラップはウォールナットを使用。親指がぴったりフィットするように丁寧に凹みをつけています。
サイドボタンの下面は指の角度に合わせて、接触の負担を減らしています。
2ミリほど出っ張るので、持ち上げ時に良い感じに引っかかります。右フラップの形状ともあわせて、「マウスを握る」ことがほぼ無くなり非常に扱いやすくなっています。
・フラップ付きマウスは製品化されている
https://www.itmedia.co.jp/pcuser/articles/1603/29/news046.html
ここまで極端なものでなくても、親指側に張り出しのあるマウスは昔からありますね。
常識的なマウスの形状にこだわらず、とことん使いやすいものを模索し続けていくことをライフワークにしたいなと思っています。
--------------------
■メモ
・木工パテ
同様の木工をする競技エアガンの世界では割と使われているらしい。そのうちためしてみよう。
競技ピストルのグリップを改造する【海外の反応】 | あきゅらぼ Accu-Labo
上の議論に登場するのが下の2品。
とは言え、黒檀やウォールナットの感触は代えがたいものがあります。試行錯誤の段階では様々な素材で試作しますが、最終的には削り出しでベストを目指していくのが最良なのは間違いありません。
--------------------
■関連記事
プチDIY系。イヤホンとケーブルを快適にする話。
eki-docomokirai.hatenablog.com
同型マウスのさまざなま内部改造の記事。ボタンのタッチ感の改造などをやっています。
eki-docomokirai.hatenablog.com