( 随時書き足し中です。)この手の作業についてはド素人です。ということを踏まえて参考程度にお読みください。
(2021年3月28日)
■はじめに
かなり前に落下してホイールを破損したマウスを「人柱」にして分解し、内部構造を確認します。
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この記事にあること 分解メンテ、写真多め
この記事に無いこと スイッチ交換
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マウスは工業製品です。予期なくマイナーチェンジされることがあります。
この記事の内容と異なる場合があるかもしれません。
分解したらメーカーは修理や交換を一切受け付けてくれなくなります。完全に自己責任で行ってください。
内部パーツには鋭利な部分があります。ご注意ください。
■予備のマウスはありますか?
たった1つしか持っていないマウスを破損するととても大変です。
必ず予備のマウスを用意してから、ぶっ壊す覚悟でやりましょう。
もし持っていないなら、近所の生協でも100円ショップでも良いので、適当なマウスを1つ用意するべきです。
・同型マウスは共存できるか?
できます。
同じ型番のマウスでも、レシーバーと本体のペアリングはシリアル番号で分けられています。
全く同じマウスを複数接続しても、どちらのマウスも正常に動きます。
■分解時の注意
必要なドライバーはY型3.0mmと、プラス型3.5mmです。
Y型2.6mmでも大丈夫です。2.0mmだとネジ山を破損する危険性が出てくるでしょう。その場合は強く押し付けながら慎重に回転させてください。
トルクス(六角)などを含む特殊な先端を含むドライバーセットを買っておくと良いでしょう。小規模のホームセンターでは無いかもしれません。持っていれば役立つことも結構多いですし、くだらない出費をするくらいならちょっと良いドライバーセットくらい買っておきましょう。
ネジの回転方向についても念の為に書いておきます。
左回し(逆時計まわり)が抜く時です。
右回し(時計まわり)が固定する時です。
一般常識ですが、知らない人も多いようなので念の為。
・外殻のネジの位置
ソールを剥がす必要はありません。
E-XGM20DL(ミドルサイズ)の場合は左右と下の3箇所です。
Sサイズは左右2本のみでした。
Lサイズはバラしていませんが、上にもあるらしいです。
写真の位置を参考に、カッターで切り抜きましょう。
上画像は普通の事務用品のカッターで切った例です。
ここの3本のネジに必要なドライバーはY型3.0mmです。
位置が分からない場合は、爪の先で強く押し付けてみると凹む場所があるのでネジ穴の位置が分かるはずです。
もしソールを切りたくないなら、ドライヤーで温めて、ノリを柔らかくしてから剥がす方法をおすすめします。やけどに注意な!
ですが、言うまでもなく、一度剥がしたソールはどんなに綺麗に剥がしていても、正確に貼り戻すのは至難の業です。
予備の専用ソールは売っていませんので、代用品を用意するべきでしょう。100円ショップやホームセンターに売っている「カグスベール」のようなシリコンを切って貼ってするとなんとかなるかもしれません。
もしくは、高級マウス用のソールを別途購入しておきましょう。
ぶっちゃけネジ穴付近を切った方が良いです。バリが出たらそれもどんどん切れば良いです。なんならソールの半分を切除しても構わないです。
・カバーの取り外し
後ろからゆっくり起こします。
マウス前部のツメ(下画像、緑マル)を破損しないように、上カバーのお尻の部分を持ち上げ、前にゆっくりスライドして外します。
上下の外殻はハーネスで繋がっています。
一気にポンと開くと破損するかもしれません。
・上下つなぎハーネス(白)の取り外し
写真無し。さーせん。
白い5mmほどのコネクタ部分を先程のY型ドライバーの側面で左右交互に引っ掛けて持ち上げると安全に外せます。もちろん爪で引っ掛けてもOKですが、コネクタ基部は非常に割れやすいのでとにかく慎重に。(基部が割れても接続は可能です。)
ただし、ハーネスの電線の部分は絶対に掴んではいけません!断線しますよ!
ハーネスを抜いた状態は下のようになっています。
この手のハーネスによくある「横のボタンを押しながら上に抜く」などのロック機構はついていません。単に硬めなだけです。
(別の同型マウスの分解時には、左から一気に上げたら白い部分の右側面が破損しました。ゆっくり丁寧にやりましょう。)
■使用スイッチはD2F系
ホイールを抜くとメインスイッチの型番がD2FC-3Mだと分かります。
スイッチ交換に関するネット検索で良く出てくるので、汎用性の高いパーツだと思われます。正確な情報が欲しい人は、納得が行くまで自分で調べてください。
Amazonリンク。6個で670円。送料無料。
互換品、耐久度低め、クリック軽め、とのこと。リンク先で詳細を読んでください。
もうちょい高耐久のものがこちら。 ストローク長め、クリック硬め、とのこと。
サブボタンは2種類あります。
立方体に近い形状(画像左下)と、チルト用の薄いものがあります。
正確な型番は不明です。画像から推測してください。
こういう交換パーツ類の購入は、不慣れなうちはミスして当然です。授業料だと思ってそれらしいものを買ってしまいましょう。そういう出費がイヤなら、新品のマウスを買いましょう。悩んでる時間が無駄です。趣味と暇つぶしを兼ねているのだ、と割り切るのがこういう行為に挑む際の最大のコツです。
なお、頭ごなしに「中国製はー」と言っている人がいますが、刻印があるかどうかだけで生産地を判別することは不可能です。念の為。
・その他、内部一覧
各種パーツ購入の際に参考にどーぞ。
ホイールのエンコーダは「TCC」と見える側から見みて、左から黒白白。基板もマウス右側面から見て同じ順。
底部基板のウラ。
底部の基板取り外し時に、底部の電源スイッチの電源ツマミが弾け飛ぶことがあります。紛失しないように気をつけるしかありません。
上。
上部はアームの銀色ネジと基板の黒いネジ。どちらも底部基板と同じプラス型3.0ドライバーで外せます。ただし、アームは私のように余計なパーツを付けていると取り外しできません。基板ネジに触れる際はアームをひねる必要があります。また、取り付け時にも基板をうまくねじ込む必要があります。取り付け後にはサイドボタンがしっかりハマっていることを確認しましょう。
上部基板。サイドボタン2つと、トップボタン用。スイッチ形状が若干違います。
・未確定のスイッチパーツ
まだ正確に調べていませんが、以下の種類のスイッチが使われています。
寸法は雑な計測です。
(スイッチA)左右クリックとサイド2つ。(サイドは色違いだが同形状のはず)
(スイッチB)トップ
(スイッチC)ホイールと人差し指の脇の2つの薄い正方形スイッチ。6.5?mm*高7?mm、2本足
たぶんこれ。
(スイッチD)チルトの薄いボタンは2本足。6mm*高3.5?mm、2本足
近いの(Uotyle スイッチ タクトスイッチ 電子部品 ブラックスイッチ 押しボタンスイッチ 20個)ただし高4.3mm。加工が必要か。
4mmならたくさんあるから、たぶんこれ。
(スイッチE)ホイール、ロータリーエンコーダ(マウスエンコーダ)。9mm?、3本足。底が四角。
下リンクのうち、四角いのだけで良いんだけどなぁ。
経験上、破損しやすいのは左右クリックのチャタリング発生と、ホイールの回転不全です。
ホイールは摩耗・歪みによる押しにくさが出ます。
■ホイール部
ホイールのアッセンブリーは手前を引き上げて引っこ抜くだけです。
ホイールと班透明ケースの分離は、ホイールを下から押し上げると抜きやすいです。
両手の人差し指の爪をクリアパーツに引っ掛けて、親指でホイールを押し出します。
ロータリーエンコーダ(回転スイッチ)は軽く差し込んであるだけです。軽く抜けます。
緑矢印部分など、クリアパーツのカドが鋭いです。はめ込み時、強く押し込む際にに怪我をする恐れがあります。ヤスリで削っても構いません。
このホイールケーシングが破損している場合には、パテや金属板などを持って再構築することも可能でしょう。多少の破損なら緑マル部分を削ったり、紙を挟むことで補修できます。(後述)
落下等でホイール部分が損傷している場合、緑マル部分を低く削ります。
こうすることで、「ホイール押し」の際にチルトが反応してしまうことを軽減できます。
調整時には緑マル部分とスイッチの間に紙を挟む(下画像、緑矢印部分)。ノートや手帳を切り取ったものを数回折って差し込めば良いです。枚数調整が重要なので接着しないように。この状態で電源を入れてみて、好みの状態にしましょう。
また、同様の方法でスイッチの隙間に紙を挟み込むことで操作感覚を調節できます。
ホイールの左に見えるロータリーエンコーダ(回転スイッチ)の取り付け方向は金属が外側です。分解して「どっちだっけ?」となった際に参照してください。
ロータリーエンコーダのケーブルでチルトが圧迫されていることがあります。これは設計上の欠陥といえます。ケーブルを断線しない程度に横に曲げてあげることで、チルト左右のバランスが改善します。付け根は断線しやすいので、ケーブル部分をうまくさばいでみてください。
同様にホイールとホイール押しスイッチの隙間にも紙を挟み、クリアランスを調節します。ノート紙を切って3mmほどの幅、5cmほどの長さで準備しておけば大丈夫です。
両側にはみ出させて折り曲げておけば外れることはありません。
挟むだけだと、すぐに抜けてしまいます。
不要部分は切り落とします。
このように「チルト」と「ホイール押し」のクリアランスを調節するだけで、誤爆を防げるようになります。操作感覚を差別化する、という方針です。
もうちょっと丁寧に仕上げるとこう。
レシーバー収納部の隙間 を塞ぐ。
・ロータリーエンコーダ
もう1つの同型マウスをバラしてみたら、案の定断線していました。(赤矢印)
とりあえず被覆を少し剥いて、無理やり半田で付けました。一応動きましたが、遠からず外れてしまうはずです。
ホイール軸がエンコーダ中央に差し込まれるだけの構造です。軸にティッシュを詰め込むと、遊びが少なくなります。
このロータリーエンコーダは固定用の足が伸びていないタイプで、該当パーツを通販で見つけることができませんでした。類似するものを加工して強引につけることは可能でしょう。
■組み立て時の注意
・底部基板の戻し
基板を天地逆さにして持ち、電源ツマミを電源スイッチに乗せます(緑マル部)。
電源スイッチはまったく固定されないので落下・紛失に注意。基板側のスイッチに軽く接着してしまっても良いかもしれません。
もしスイッチの交換が必要になるとしても、普通の半田付けでは不可能な小ささですので、本体の買い替えになるので接着しても問題無い、という判断です。(リフロー炉での精密半田付けまでやるような製品だとは思えません。)
基板はめ込み時に、基板は緑マル部分が接触してしまいます。少し回り込む必要があります。この回り込みの際に、電源ツマミを落としてしまわないように注意が必要です。
基板を置いたら、基板を指で押さえたまま裏返します。電源ツマミがずれないように気をつけてください。
プラスネジを2つ付けます。(ドライバーはプラス型3.5mm)
過剰な強さで締め付けないように。プラスチックなのでいくらでも回転できてしまいます。
ホイールをハメると、プラスネジの1本に届かなくなるので、必ず「基板→ネジ2」の順で。
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基板を付けた時点で、一度電源を入れて動作チェックをすることをおすすめします。
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ハーネスで上下基板を接続します。
ハーネスに取り付ける方向は「赤が左」です。
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ネジを留めてできあがり。
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全て組み立てたら、底部のレシーバー収納用の穴にティッシュか何かをつっこみましょう。この穴からホコリが侵入する恐れがあるからです。(上でやっているように紙で箱を作って内部でかぶせておく方法も可。)
なお、上の写真ではシリアルナンバーが消えています。これはアルコールで拭いた際に消えてしまったからです。メーカーサービス期間内で交換を要求する予定なら、過剰な洗浄はやめたほうが良いですね。これはマウスに限ったことではありませんが。
■さいごに
スイッチ交換はうまく行ったらそのうち記事にします。