eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

MVibratoによるオフセットビブラートの実装手順

MeldaのMVIbratoでオフセットビブラートを実装する手順です。ギターのビブラートを打ち込む際に死ぬほど活躍します。

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(2021年1月26日)

 

 

MIDI演奏情報でエフェクタの複数パラメタを制御します。

さらばオートメーション!

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この記事ではビブラートの話だけですが、応用すればあらゆるパラメタ制御をMIDI打ち込み画面から制御できるようになるので、DAWのオートメーションをほ使う必要性がほとんど無くなります。

ただし対応しているプラグインのみですが。

■はじめに

Cubaseの話です。他のDAWでの実装手順は書いてありません。が、たぶんどのDAWでもできます。

 

あくまでも「手順」の説明です。

細かい使い方、さらに高度な使い方については割愛します。

 

■VSTiとMVibratoをさす

 

・準備その1、発音用のインストゥルメント・トラックを立てる

  1. インストゥルメント・トラックを作る
  2. 適当な楽器を設定(エレキギター等)
  3. MVibratoをさす。

 

・準備その2、演奏制御用のMIDIトラックを立てる

  1. MIDIトラックを作る。
  2. インスペクタを開く。
  3. そのMIDIトラックのMIDI Send」を開き、
    VSTiとMVibratoに送信する

(検索機能が便利)

MIDI Sendが出ていない場合は、インスペクタの歯車アイコンを設定)

これで「MIDIトラックから当該VSTiとMVibratoにデータを送信できる状態」になります。

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・準備その3

設定用の仮演奏を書いておきます。

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この状態でループ再生し続けます。

ためしにMIDIトラックの演奏でMIDI Sendした先のインストゥルメント・トラックから音が出ているか確認してみてください。

 

(音は非常に小さくて良いので、ボリュームは下げておきましょう。)

 

■MVibratoの設定

・CC1をM1に送信する

(以下はCC1を含むMIDI演奏をループ再生しながら行ってください。)

Utilitiesの小さい四角を押す

M1~M4が出ていることを確認する。

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M1の左の四角を押して、出てきたウィンドウでMIDI Learn」を押す。

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これでMVibratoはCC1を受信できるようになりました。

 

M1が動いていることを確認してください。

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Closeを押して閉じます。

 

・M1にDEPTHをアサインする

「M1」の文字をクリックし、Multi Parameterウィンドウを出します。

「+」をクリックし、出てきたウィンドウで「Depth」が選択されていることを確認し、「OK」を押します。

(右上のエリア、左側のNameで名前をDEPTHにすることもできます。その下で色付けもできます。)

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Depthが追加されます。f:id:eki_docomokirai:20210126083050p:plain

これでM1に送信されたデータは、Depthパラメータに変換されます。

M1が動くとともに、Depthも動いていることを確認してください。

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右上の「X」を押して閉じます。

 

・CC2をM2に送信する

(以下はCC2を含むMIDI演奏をループ再生しながら行ってください。)

MIDIトラック、仮のMIDI演奏データのCC1を消します。

CC2(Breath Controler)に同様のデータを書きます

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続いて、先ほどと同じような操作をします。

M2の横の四角を押し、出てきたウィンドウのMIDI Learn」を押します。

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M2が動いていることを確認したらCloseを押して閉じます。

 

M2の文字を押し、Rateを追加します。

「M2」の文字をクリックし、Multi Parameterウィンドウを出します。

「+」をクリックし、出てきたウィンドウで「Rate」を選択し、「OK」を押します。

(右上のエリア、左側のNameで名前をRATEにすることもできます。)

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M2が動いていることを確認したら、Closeを押します。

  

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確認のためにMIDIデータを編集します。

 

CC1と同様にCC2を書いてください。

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MVibratoのメイン画面、左上でDepthとRateが動いていることを確認してください。出来ていない場合は最初からやり直してください。

 

これをリピート再生したまま、次の設定に進みます。

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■パラメタの微調整

 

・ビブラートの音程をオフセットにする

メイン画面の「Advanced」を押し、出てきたウィンドウの右中段の「Enable」を押します。Post-Processingがオンになります。

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画像中央から順に、

「Phase」を90°(25%)、「Offset」を28、「Scale」を38 にします。

(数字は正確である必要はありません。だいたいでもOK)

(ダブルクリックすると数値入力ができます。)

 

左の山がゼロから始まり、天井に触れずにゼロに戻っていればOKです。

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これでビブラートの音程の揺れが上方向だけになりました。

Closeを押して閉じます。

・ビブラートの揺れの微調整(1)カーブの設定

M1(DEPTH)の文字をクリックし、設定画面を開きます。

出てきた画面の右下、「Transformation Shape」を押します。

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出てきたウィンドウの右上「Enable」を押し、グラフを設定していきます。

ダブルクリックで屈折ポイントを追加できます。中間点にあるマルを操作すると曲線にできます。

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左下の「OK」を押して閉じ、

右上の「X」を押してMulti Parameterも閉じます。

 

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同様にM2(RATE)も設定します。

M2(RATE)を押し、

Transformation Shapeを開き、Enableを押し、グラフを設定します。

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完成したら「OK」「X」で閉じます。

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・ビブラートの揺れの微調整(2)最大値と最小値

また、M1(M2)の文字をクリックした時に出てくる右側の2つのツマミで、最小値と最大値を制限します。

 

DEPTHは0~30程度、RATEは4.5~6.5程度が使いやすいです。

好みによって上限を上げても構いません。

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打ち込みデータを変更しながら、CC1とCC2が扱いやすい値の時に、適切なビブラートがかかるように調節していきましょう。面倒臭がらず、実践的なフレーズをそれなりに作曲してみた方が良いです。

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Transformation Shapeと、最大最小、打ち込みスタイルをあなたなりに擦り合せしていってください。

 

MIDI打ち込みでCCの最小と最大しか使わない人もいますし、精密な設定を好む人もいます。マクロを使う人なら中間値の特定の値を使うこともあるでしょう。マウスで大雑把に書く人の場合は、最小値に正確に合わせず、ゼロ付近ならOKでしょ?という人もいます。

私の場合は中間の64を頻繁に使いつつ、プラマイ20の数字に大雑把に加工することが多いです。

 

年に数回しか使わないような極端なビブラートは別途エフェクタを使うべきです。CCで扱うのは常識的な範囲でまとめておくと使いやすいです。

 

■応用と発展

1つのパラメタでまとめていろいろ動かしたいなら、M1内でDepthとRateに両方を入れれば良いです(ただし、独立した微調整はできません)。

独立した微調整をしたいなら、M3とM4に入れて、それらをM1に飛ばせば良いです。

音量ビブラート、つまりトレモロを使いたい場合にはTremoloにアサインすればOKです。

全部説明するのは面倒なので割愛。

あとはアイディア次第で何でもできるのがMeldaの良いところ。

今回はMVibratoの説明だけでしたが、もっと多くのパラメタを持つMeldaプラグインなら、さらに複雑な設定をし、それらを最小限のMIDIデータで制御できるようになります。

 

が、その設定手順があまりにも複雑なのと、バージョンアップのたびにデータが無効になることがあるのが難点です。

 

MIDI Learn情報を修正・削除したい場合

メイン画面の右下「MIDI」にあります。ここでいろいろできます。

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■カスタムデータの保存

「プリセットとして保存」するか「規定のプリセットとして保存」をしておきましょう。

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「既定のプリセット」は、そのプラグインが起動した時の初期状態を変更する機能です。毎回同じ状態で起動するようになるので他のプラグインでも非常に便利です。エフェクタだけではなく、楽器プラグインでも使えます。(古いCubaseでは「既定のプリセット」の機能はありません。)

 

ただし、MIDI Sendの設定はプラグインの情報ではないので保存できません。

プロジェクト全体の管理で流用しましょう。

■さいごに

MIDI SendはMeldaのプラグインを使う時や、複数のトラックを連動させる演奏(レイヤー)で使うと非常に効率的なので、使い方を暗記しておくべきだと私は思います。

インストゥルメント・トラックは一見便利そうですが、こういう凝ったルーチン処理をすることができません。下の記事でdisっているので暇人はどーぞ。

 

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