eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

Cubase、Expression Mapとリストエディタ

拙著「Cubaseカスタマイズの教科書」を買ってくれたFlawlightさんが怒涛の勢いで書き上げているCubaseのExpression Map機能の記事を見ていて気になったので補足的なことを書いておきます。

(2019年12月10日)

 

■極度の個人環境向けカスタマイズ 

氏のように大量のオケ音源を持っていなくても、Expression Mapによって可能となる様々な恩恵を思えば、ぜひ挑戦してみて欲しい機能です。

Expression Mapは所有している音源と運用方針に100%依存するので、拙著では意図的に説明を短く、3ページのみの記述にとどめています。

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持っている音源を大事に酷使するために、各々が突き詰める領域です。

メーカーが配布しているエクスプレッションマップデータもありますが、メーカーとしては「弊社製品のフル機能を全部突っ込みました!」という態度でしかないので、使いにくい機能や、無いほうが良い機能まで入っていて、実質的に使い物になりません。某メーカーのものは全エクスプレッションマップの組み合わせが入っているので、画面の大半を埋め尽くす状態になり、本当に使い物になりません。他人が配布しているものを使う際にも、自分の運用方針に従って作り変えなければ全く無意味です。

 

そうしたワークフローの面については拙著「Cubaseカスタマイズの教科書」では原則的に触れていないわけです。私個人の使い方を押し付けても無意味ですし、そもそも理解不能なはずだからです。これは過去のレッスンから明らかなことです。

 

 

で、気になったのはこの記事。

flowlight-music.com

こういう検証をやる時にはリストエディタが便利です。

 

■リストエディタは初期状態がおかしいので直す

初期状態ではほとんどの情報が見えません。

 

まずは境界線をドラッグし、文字領域を広げます。

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要素はリスト上部を左右にドラッグして入れ替えできます。

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Expression Mapはここで手書き修正、およびExpression Mapを割り当てていないトラックに混入したデータを確認できます。

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こういうことです。

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画像、上はキーエディタ(ピアノロール)のコントローラーレーンにExpression Mapが無いのを確認できます。インスペクタでもexpressionマップ指定が無いので当然です。

画像、下はリストエディタ。キーエディタには無いExpression Map情報が混入していることを確認できます。

 

このようにリストエディタはMIDI演奏に不具合が起きた際のチェックにおいて絶大な効力があります。

 

・雑記

言うまでもなく昔はすべてこういうCUIで制御するものだったのが、PCの能力向上とともにピアノロール編集やスコア編集が可能になっていった、という歴史があります。昔の人はすべてこういうCUIで音楽を作っていました。

私はそういうのが非音楽的でイヤだったからMIDIシーケンサーが音楽的なGUIになってから本格的にパソコン音楽に以降したわけです。(それでもSysexなどは自分で計算して手打ちしていたのですが。優れたUIで88Proの内部パラメタを制御できるGSAEなどが登場した時には歓喜したものです。が、これもカラオケ納品には適さないので、結局リストエディタを多用することになる、というせめぎあいの時代でした。)

紆余曲折あって、DAW全盛の現在はリストエディタによる制御がないがしろにされており、一部のパラメタはアクセスが不便になってしまいました。

近年はDAWの初歩の使い方さえ覚えればしっかりした音楽を作れるようになってきました。が、何か不具合があった時には全イベント表示を行えばたいていの問題を解決できます。(できるとは言ってない。)

 

MIDI Mointorって何?

また、Cubaseの付属MIDIプラグインMIDI Monitor」による確認は問題解決時に稀に良く役立ってくれます。

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「なんだこれ?使ったことねーぞ」と思った人も、頭の片隅に入れておいて欲しいです。ある意味最重要プラグインです。

通過したMIDIイベントを(ほぼ)片っ端から表示してくれます。外部機器、フィジコンなどを検証する際にはぜひ。

 

・リストエディタの不満点

細かくは書きませんが、Cubaseのリストエディタ(というかMIDIイベント情報)は昔のMIDIシーケンサに劣ります。いくつかのイベントを扱えない、もしくは扱いにくいです。

Nuendoにはついているのかもしれません。

どうしても必要な人は適切な道具を選ぶべきです。

 

が、この程度の補助的なチェックなら十分に使えるものですし、Expression Mapなど複雑な仕組みを熟知するためには十分な力を発揮してくれます。

 

たぶんCubaseをハードに使っていくと一番多用するのはスコア製作時だと思います。具体的には連符の編集時。(ポピュラー音楽の演奏でで必要になる連符の表現すらままならない、というのは別問題として。)

それこそCubaseでスコア作ってる時点で「適切な道具を選ぶべき」に反している、という矛盾がありますが。

 

■いいぞもっとやれ

Cubaseでは使用する音源や取り組むジャンルによって、常用する機能と全く使わない機能があります。

Cubaseカスタマイズの教科書」はあくまでも汎用的な環境構築の話であって、今回紹介したFlawlightさんのような「特定の音源とジャンル」に特化した用例は解説していません。

そういうのは氏のように個人的に研究していくべきことだと思います。誰に聞いてもまず答えは得られないので、基礎を踏まえた上で孤高に突き進む領域の話です。

 

・本人談

 とのことです。

 

 

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