Roccatのマウスはアナログレバーのバネの耐久性が弱点です。今回はこれを修理することに成功したので、せっかくだからブログ記事にしておきます。
そのうち写真を追加します、かも。
(2022年6月26日)
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■Roccatとは
ドイツのメーカー。
フラッグシップの多ボタンゲーミングマウス。
左親指にアナログレバーがついているのが特徴です。
USBケーブルが取り外しできるLeadrと、ケーブル固定のTyonがあります。いうzxれも廃番になりました。(生きてたらごめん)
・アナログレバーのバネを規格品で対応する
一般的に入手できる規格品バネでは修理不能です。
が、規格品を少し加工することで対応可能です。
規格品+加工でギリいけるパーツとしては「径3mm、線径0.3~0.5くらい、90度」のキックバネ(トーションスプリング)。
EA952SH-301|3x0.3mm/2巻/ 90°トーションバネ(左右各1)のバリエーション - 【SAKKEY】エスコの商品を検索(送料込みで2000円くらい)
私の近所だとコメリがあり、その店舗では八幡(メーカー)のネジをオーダーできる仕組みもありました。コメリのすべての店舗で対応可能なのかは不明です。
キックバネのおすすめ通販 | ホームセンター コメリドットコム
キックばね | ネジ・ボルト・DIY金具のYHT NET SHOP(ワイ エイチ ティー ネットショップ)八幡ねじ
これらのキックバネのアーム部を折り曲げてから切断すればRoccatマウスに適合します。
右巻きでも左巻きでも、曲げれば適合します。
折り曲げ加工に失敗することを前提に、数本買っておきましょう。
100円ショップのラジオペンチを鋭利に加工すると工作がやりやすいはずです。
本来のバネは135度のはずですが、90度でも適合します。当然少し重たいタッチになります。
オリジナルよりも少し重たい方が使いやすいかな?と思うなら、線径を太くしましょう。
オリジナルは軽すぎると思う人の方が多いのではないか?と私は思います。
・加工の方向性
規格品は巻き円の接線(?)からアームがまっすぐ飛び出しています。
Roccatで必要になるのは、円の中心から同心円方向に出るアームです。
完璧に中心出しにする必要は無く、両端がバネ止めに接する位置さえ合っていれば問題なく動作します。
下図。赤が規格品。これを曲げて黄色のようにすればOKということです。
あとはレバーケーシングにはめこんでテスト。レバーケーシングから無駄にはみ出してしまう部分を切断して調節していけばOKです。
どうせ数年後には同じ修理が必要になるはずなので、この機会に複数の適合バネを制作しておくとカンペキですね。
■その他のパーツの修理・交換
ほぼ不可能です。
中身は基板が多層になっており、その分解が普通の人にはほぼ不可能です。
ケースのネジはエレコムのマウス分解時に使ったものが適合しました。
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■おまけ。Roccat Leadrの入手方法、2022年版
AliExpressで送料無料で扱っていることがあります。
https://ja.aliexpress.com/w/wholesale-roccat-leadr-mouse.html
16666円以下であれば個人輸入でも関税がかかりません。(2022年時点での法律)
なので、15000円程度、ほぼ定価どおりに購入できます。
ただし、他の細々した輸入品との混載コンテナ輸入になるので、日数はかなり長くかかる点は我慢しましょう。
その他のオークションサイトなどでは2万~3万超えになります。
■おまけ。Roccatのマウスユーティリティ
キー登録などの部分の完成度は他社ツールよりも使いやすいです。すべてのボタンにすべての機能をアサインできます。よくあるロジクール系やRazer系のように「このボタンはDPI専用です。こっちのボタンはプロファイル変更専用です」ということはありません。(ただし、左右クリックだけは変更できません。)
サイドボタン群にあらゆる操作をつっこめる点、左右クリック脇の2*2ボタンにも突っ込める点は本当に優れています。
しかし、プロフィールを自動で切り替える機能(フォーカスの当たっているアプリケーションに自動で切替)は私の環境ではまったく機能しませんでした。
プロフィール切替ボタンを設定するか、ユーティリティGUIを立ち上げたままにしておいて、アプリを変えるたびにプロフィールを変更する必要があります。
ロジクールも私の環境ではうまく機能しません。(過去に使っていたPCでもロジクールは相性が悪かった、と追記しておきます。)
エレコムは過去に使ったすべてのPCで動作しました。やや機能が低いですが、より多くのPC(接続機器状況)に対応できる点はエレコムのメリットだと感じます。しかし、エレコムでもたまにツールが誤作動し、ツールの再起動が必要になります。
要するにどのメーカーも完璧な動作環境は無いのではないか?、つまりいろいろ試すしか無い世界なのだと思います。この考え方は20年以上ずっと変わりませんし、マウスを多く試しているユーザーと実際に語り合ったオフ会などでも定説でした。「完璧なマウスユーティリティは20年来存在しない」というのが実情です。そんな中において、私の経験上、最も安定しているのがエレコムだというだけの個人の感想です。