eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

クラシック管弦楽器の音域の資料(資料販売)

ありそうで無かった非常に使いやすい音域資料。ふと思い立って販売することにしました。 

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(2021年4月7日)

 

■概要

見やすい音域の資料です。

機能性重視。

■販売はこちら。

BOOTHで販売中です。

500円。

docomokirai.booth.pm

作曲編曲をする人のための資料です。

・管楽器、弦楽器の音域が1枚で分かる
・移調表記
・同じ音程が垂直に整頓されている
・音域名は国際表記とヤマハ表記(最小限のみ)
・周波数、MIDIノートナンバー表記(最小限のみ)
・要点となる音程の説明

どれか1つの楽器を少しでも知っていれば、そこからたどってすべての楽器の音域を理解することができます。

よくある「ただまとめただけの資料」と違い、音楽制作の実務で使いやすく作られています。

(打楽器、特殊楽器は含まれていません。)

 

異なる移調楽器の音程を垂直に読めます。「あの楽器のあの音は、その楽器のその音程」という読み方が瞬時にできます。

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楽器カテゴリではなく、近い音域の楽器を並べてあります。

上画像のように、「バイオリンの最低音は、Bbクラリネットだとここか」という読み方ができます。

単純な棒グラフで作られたものは無数にありますが、移調楽器の記譜法に対応したものは見たことがありません。なので作った。

 

最小限の表記だけですが、周波数とMIDIノートナンバーを添えてあります。

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音域は国際式とヤマハ式(マイナス1表記)です。

過去に音楽学習ツールの仕様を書いた時に、非音楽家プログラマにとってはドレミやCDEで言っても「なんでE#は無いのか」と言い返されてクソゲーになったので、MIDIノートナンバーで説明したら説明があっという間に終わったことがある。

音域がC3と言っても国際式とヤマハ式、他にもいくつかの基準があり、事実上の標準はMIDIノートナンバーなんじゃないかとさえ思った。ので、周波数とMIDI番号も添えました。(でもそんなことは無くて、オクターブずれて実装されているシンセもある。そういう時に最も強力なのが周波数表記なんです。)(周波数はオクターブで倍/半分であることは資料には含めていませんが、周波数と音程の対応は物理的に不変なのでどの資料を使っても同じ。)

 

こういう資料の価格が500円を高いと言う人は使いにくい資料で時間と集中力をすり減らし続ければ良いと思います。みんな自分のスキルを安売りしすぎだと思う。値段を下げることが正解になるのは「薄利多売」が成立する状況だけのはずです。

 

■良いものが無かったら自分で作るべき

元となっている資料はいくつかあり、特に参考にしているのは大学生の時に購入した Marcel BITSCH、Jean-Paul HOLSTEIN共著の”AIDE MEMOIRE MUSICAL” 1979年。(日本語訳版『音楽覚え書き帖』池内友次郎 訳 音楽之友社 ISBN4-276-10060-7 C1073)。

CiNii 図書 - 音楽覚え書き帖

Aide-Mémoire Musical from Marcel Bitsch et al. | buy now in Stretta sheet music shop

今の時代にわざわざ購入する理由は無いと思います。

事実上の絶版、古書扱いですし。もっと良い後発の資料本はいくらでもあるはずです。

 

で、この本の音域資料のまとめ方が非常に役立ったので、もっと使いやすいものを作り続けてきました。

ヒマがあれば何度も作り直し、違うコンセプトでまとめた方が良さそうなら試作し、何回作り直したかわからん級。足掛け20年掛かってます。

製作中のものをプロ作曲家(編曲家)や教育職の人に見せたら「くれ」と言われたこともあり、需要あるんだなーと思った。

 

他にも他の人が見ても使えそうな資料があるのを思い出したら、その時に「売れるじゃん」と思ったら続編をリリースしました。

■出さなかった理由と未完成の資料

なんで未完成で外に出さないと認識していたか?については、本来ならありとあらゆる楽器を網羅したかったからです。でもそれは無意味かな?とも思ったので、この段階でリリースした。

 

グロッケン等の楽器はメーカーによって鍵盤の数が違うので誤解を招くことがある。

ティンパニもメーカーやモデルによってチューニング幅が違う。

特殊楽器は資料内の基本楽器を完全に理解していないなら触るな、と思う。

などの理由で含めていません。学習には段階があります。

また、資料が無駄に大きくなりすぎることも懸念事項でした。

無類の凝り性という性癖もあり、作っている最中は「サリュソフォーンも全て入れるぞ」などという頭のおかしいことをやっていた。実際サリュソフォンや様々なサイズのアコーディオンなども含めた編集中の資料は未だに製作中。たぶん死ぬまで完成しないと思う。

 

つまりこういう「使いにくいサイズ」になっている。さらに拡大中。うかつに「全楽器」などと言えるわけもありません。

 

エクセルでまとめ続けているんだけど、訳のわからない行数になってる。

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もしも完全網羅した資料を作っている人がいるとしたらやめた方が良いです。

この製作途中のものを芸大の先生に見せたら「卒論制作レベルじゃ済まない」と言われました。ベストよりベターであるべきです。

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