eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

(備忘録)ピッチベンドホイールが破損した時の緊急対応あれこれ

夜中にMIDIキーボードのピッチベンドホイール(PB)が破損し、正常な音が入力できない!という時のトラブルシューティング

せっかくなので記事化して残しておきます。

(2022年10月23日更新)

 

■理想は分解掃除か予備機だが、無理な時は応急処置

稀に良くある。

 

 

こういう時に備えて複数のMIDIキーボードを所有する人もいるけど、非常に稀だし、夜中にキーボードと配線をガタゴトするのは同居人への迷惑にもなる。

 

MIDI受信をカットする(DAW対処)

DAW側で受信を拒否する

 Cubaseの場合は、環境設定から送受信するMIDIデータの種類をON/OFFできます。

まともなDAWであれば、必ずこういう送受信オン/オフがついているはずです。

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設定が非常に面倒ですが、極めて強力なMIDIフィルターになります。

(たぶんこの機能が欲しくて設定するより、適当に環境設定をいじって破損するケースの方が多いはず。)

・FINALEはHuman Playbackで設定する

複雑なMIDI設定ができないソフトもあります。

FINALEではヒューマンプレイバックの設定でPBをゼロにできます。

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Human Playbackの初期設定ダイアログボックス

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■音源内部の設定でPBを無意味にする(次善策)

シンセのピッチベンドを上下ゼロにすれば解決!と言いたいところですが……

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壊れたMIDIバイスからの狂った入力が常に行われているので、MIDIデータがどんどん書き込まれてしまいます。

また、シンセ音源によってはそもそも設定不能です。

■Pitchbend Seneitivityを記述する(古代の技術)

MIDI機器を制御する特殊なコマンドを送信して制御する方法。

CC101、0 (RPN MSB)
CC100、0 (RPN LSB)

CC6、0 (Data entry MSB、0~12半音)

の3行を記述すると、送信先MIDI音源(個別トラック)のPB幅を強制的に変更できます。

 

昔は必ず使っていたMIDI制御命令ですが、もうこんなMIDI命令を使うことも無くなりました。

詳しく知りたい人は検索でどうぞ。もう昔の技術なので、今では99%必要ありません。

MIDI Pitchbend sensitivity - Google 検索

■根本的な対策

  1. MIDIキーボードを分解掃除しましょう。
  2. やることが無い時にはメンテナンスしましょう。
  3. 最悪の状態に備えて、予備のMIDIキーボードを持っておきましょう。

 

分解できない場合には、ホーイル付近に掃除機を当て吸えるだけ吸ってみたり、綿棒を突っ込んでホコリを可能なだけ除去する、という簡易掃除もかなり有効です。

ただし、掃除機で各種スイッチ頭部を吸い取ってしまうので注意!

 

私は過去にこの「おうちゃく掃除」をやって、ミキサーのフェーダーやツマミを吸い取ってしまったことがあります。夜中に掃除機を使った上に、内部のゴミ袋から部品を引っ張り出すのは本当にみじめな気持ちになります。掃除機は便利だけど危険です!

 

■もっと初歩的な対策(ごまかし)

ピッチベンドホイールをガチャガチャやるだけでも仮修復になることもある。

OS再起動してからMIDIキーボードに電源を入れる、という手順で解決することもある。もちろんドライバ入れ直しで直ることもある。

■トラブルシュートは腕試し

他人のトラブルを見かけたら、自分には関係なくても調べてみることがあります。

ソフトやハード機材のマニュアルを探してみたり。

もちろん実際に試せるわけではないので確実な情報提供はできません。

が、それでもスピード検索の練習にはなりますし、現物が無いからこそマニュアル情報をしっかり読むことになります。

自分が使ってないソフトウェアの情報でも、他のソフトがどういう仕組みなのかを知る機会になります。

 

yahoo知恵袋にあるような、経験則と直感だけで間違った情報を押し付ける「教えたがり」ではなく、調べた上で「こういう情報がありました」と提供できるスキルを身につけることができるので、良い訓練になります。調べ好きな人はどーぞ。

 

実際そういう経験の蓄積で、持ってもいない機器の取扱い説明書検索等で小銭を稼ぐことができています。

ヒマがあるなら備えるべきです。

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