eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

Cubase備忘録、「重複ノートを解消」ができないバグの対処法

Cubase9系以降(10、10.5含む)で稀に良くあるバグ。確実な解消消方法は「一度MIDIファイルで書き出して、読み込み直す」です。

再発したので公開記事にしました。

(2020年10月16日更新)

 

 

■重複ノートを解消できない謎の症状

不慮の操作ミスでノートが重複してしまっている。 

で、同じ位置に重複するとこうなる。

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めったに使わないリストエディタで見ると、間違いなく同じ位置にある「重複ノート」だと分かる。

 

じゃあ普通はこうするよな?

「重複ノートを解消」

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ところが消えてくれないことがある。

つまり何かおかしなことが起きている。

 

・試したこと

問題の「絞り込み」をします。

 

  1. 新リージョンに新ノートを書き、重複させて消す→できる。
    (◯プロジェクト)
    (Xリージョン)
    (コマンド◯)
  2. 同ノート群を同リージョン内でコピペしてテスト→ダメ。
    (リージョンX)
  3. 同リージョンに新ノートを書き、重複させ、消えるかテスト→ダメ
    (リージョンX)

この時点で「コマンドは正常」と分かる。

同時にノート情報起因ではなく「リージョン起因」か「プロジェクト起因」による不具合だと分かる。

 

なので、リージョン起因を潰してみる。

X リージョンの複製後→ダメ

X 新リージョンに問題のノートを複製→ダメ

X MIDI解像度の変更→ダメ

 

という具合に、いろいろおかしい。

 

検証が目的ならもっとやるんだけど、作業を進めたいのでピンと来た確実性の高そうな方法を試す。

 

■別の角度から攻める

MIDI書き出し」し、リージョンとノート情報にまぎれた「何か」を除去しようと試みる。

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すると、書き出されたMIDIファイルにはそもそも重複ノートが存在しない

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※まれに書き出しした後でも重複していることがある。

が、改めて読み込んだMIDIファイル(リージョン)では、重複解消が正しく行える

 

なお、重複チェックはスコアエディでの視認性が高いのでオススメ。

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別に楽譜を作る予定じゃなくても、正確に楽譜を読めなくても、グチャっとしているのですぐに判別できます。

■その他のバグ例

Twitterで当記事を引用した上で試行錯誤をしている人がいたので、せっかくだから引用しておきます。

この人の場合はリアルタイム入力で発生したらしい。こちらではそうなったことは一度もないです。オール手打ちのデータをあれこれ加工している最中に、ごく稀に起きます。「ごく稀」というのは、一年中使っていて数年に一度レベルです。 

 

 初期ファイル(Defaults.xml)の削除については別記事で触れています。 

eki-docomokirai.hatenablog.com

説明が前後しますが、「Cubaseを閉じてDefaults.xmlを削除してもう一度Cubaseを起動」という手順は多くのトラブル解消に使えるバッドノウハウです。この操作で失うわずかなことより、得られる復旧効果の方が絶対に高いので、全Cubaseユーザーは暗記すること。絶対に。

それでも解決しないのが今回の重複ノート解消ができないという問題なんです。

■その他のバグ例2短い音符の混入

製作中だったので簡易スクショのみですみません。

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 4分音符のアタマに、ものすごく短い音符が重なっている状態。

リストエディタのスクショを失念したのですが、流さは「ゼロ」です。開始位置と終了位置が同じ。(スコアでは便宜的に、この時点でのスコア設定で最も短い音符、32分三連符として表示されています。)

たしか数回クオンタイズを掛けたりガチャガチャやっていたらこの状態になった。

こういう状態まで持ち込めたら、ロジカルで一撃。「指定より短い音符を選択して削除」で終わりです。

クオンタイズしても良いMIDIデータの場合は、クオンタイズで粘ってこの状態にもちこむのも解決策のひとつかもしれません。

一旦別名セーブした後で試行錯誤してみる価値はあるでしょう。

 

■結論

完全なバッドノウハウだけど、確実な方法はこれ。

  1. 一度MIDIファイルで書き出す
  2. 読み込む(テンポ情報とか紛れないように注意)
  3. 読み込んだリージョンで重複を解消

■おまけ

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以下、重複バグとは関係ない、通常時の重複ノート処理のお話。

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・重複ノート削除のマクロと注意点

(非バグ時、通常対応の話。)

マクロの仕様の都合で、いくつかの操作は重複ノートと同時に使うことができない。マクロ順序で対処できるものもあるし、できないものもある。

たぶんこれは今後のバージョンアップでも崩れていくはずなので注意しよう。

さしあたり、「レーン開閉と一緒に実行」と「ランダマイズ前に実行」の二段構えにしてる。

 

分かりやすいマクロ例を挙げておく。

当たり前だけど、位置ランダマイズ後に重複ノート削除はできない。

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なので下の順序にしないとダメ。

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重複を削除してから、位置ランダマイズ。

なお、Cubase10以降はマクロを作った後に実行順序の入れ替えが簡単とのこと。

古いCubaseを使っている人はマクロ登録は慎重に行おう。
 

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なお、ノートを意図的に重複させるのは、クラシックの書法として「正しい」楽譜制作以外ではまずありえません。例えばバイオリンの重音で2本の弦で同じ音程にする時とか、鍵盤楽器で2つの声部がユニゾンになる時とか。

(譜例用意するのめんどくせ。)

MIDI発音が重なる「フランジング」

MIDIおっさんの多くが知っている「フランジング」。

複数のMIDI信号が「同時か、ほぼ同時」に同一ノートに対して送信された際にシュワっとした発音になってしまうMIDI音源の症状。

フランジング:Flangingとは | 偏ったDTM用語辞典 - DTM / MIDI 用語の意味・解説 | g200kg Music & Software

昔の人ならすぐに分かるのだけれど、最近の若手はこれを知らないことが多い。

上のリンク先記事では広義のフランジングについて説明されていますが、問題は解説文の一番下にあるMIDIのフランジング。

MIDI等での打ち込みの演奏の場合には、同じ音程であれば音源が発生する波形が全く同じであるため、意図せずフランジング効果が発生してしまう場合もある。

結果的に極端に時間位相の悪い音になり壊滅的な演奏になるんだけど、スルーしている人がたまにいます。

たまにスコアエディタなどで音符が二重になっていないか確認しましょう。

■最近のCubaseの「制御キー」改悪について愚痴

比較的新しいCubaseでは「Alt+クリック」によるノート切断をしようとして「ドラッグ」 になってしまうことが稀に良くある。

本来の仕様では「環境設定>制御ツール」でAltをCtrlにすることで「ドラッグコピー」と「切断」を別のキーで確実に行えたのだが、最近のCubaseではAltとCtrlの優先順位が変更(改悪)されていて、変更すると挙動がおかしくなる。

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上の「矢印ツール」の「コピー」はもともとCtrlだったが、デフォルトがAltになった。これをCtrlに変更すると、スナップを無視してしまうので実用性が皆無になる。事実上、変更してはいけない。

 

下、「選択ツール」の「Sprit Event」もデフォルトでAlt。

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Sprit EventをCtrlにすると、やはりスナップを無視してしまうので使い物にならない。

 

つまり、とAltドラッグ(コピー)とAltクリック(切断)は、わずかなマウスのブレだけで違う操作になってしまう。

 

6系など古いバージョンではこの辺の操作性が非常にソリッドだった。なお、これを改悪だと言っているのは私だけではないです。

 

 

 

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