eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

モノミックスとMS処理の注意点

今さらだけど「MS処理ってヤバいですよ」というお話。

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(2020年4月17日更新)

 

 

■ステレオとパンロー

下の計測例では、LCRそれぞれまったく同じ音量のトーンを流し込んでいます。

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個別のメーター上では同じ高さ(-12dB)ですが、パンローによって左右は小さく聞こえます

 

・通常のステレオバランス

パンローによってLRは少し小さくなっています。

赤はサイドであることを意味しています。

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・矯正モノ

ステレオ幅を

赤が無くなりました。見た目の音量は同じです。

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・個別にセンター定位

それぞれのトーンがセンターにある時、音量は全く同じです。

当たり前ですね。

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比較のために並べてみます。

「LCRに振ってあるのをモノ化」と「すべてセンター」は決定的に違うということです。

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・ステレオ強調

ステレオ幅を過剰に広げると、パンローで適正化された範囲を超えてサイドが上がってきます。

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LCRがほぼ同じ音量になります。

 

 

■MS処理とラウドネス

当たり前のことですが、サイドを上げるとラウドネスも上がります。

下画像は「通常」「モノ化」「サイド最大」の順です。

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この通り、ステレオ強調はラウドネス的には極めて不利になります。

 

別のメーターでも同様です。念の為。

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「海苔波形がラウドネスで不利」ということはもう知っている人が多いはずです。

それだけではなく、「過剰なMS処理もラウドネス的に不利」ということです。

 

言うまでもなく、ステレオを強調すると左右の音量が上がります。

つまりバランスが崩れます。

マチュアの人が作ったミックスで非常に多いのが、過剰なMS処理で左右が大きくなりすぎて、相対的にセンターのボーカルが非常に小さくなっているものです。

 

彼らは普通の音楽を聞くべきです。そんなにサイドを強調した音楽はアマチュア音楽にしかありません。

 

そうでなくてもボカロは歌詞が聞き取りにくいのに、サイドを上げてメインボーカルが更に小さくなっています。聞こえない歌詞を補うために、常に歌詞を強調する動画じゃないとダメな状態になっているんじゃないかと思います。

ついでに言うと、あの文字をやたら強調する動画は、とてもダサいと思っています。2010年代の病として10年語くらいは黒歴史になっていることと思います。頑張るべきはそこじゃありません。

 

・ステレオ強調された音源をモノ再生するとどうなるか?

極めて音量バランスが崩れます。

良いミックスの条件は「あらゆる状況でそこそこ再生できる」ということです。

ステレオ強調しすぎたミックスはモノで再生すると酷いバランスになります。

過剰なステレオ強調をするミックスは絶対にやめましょう。

 

親しい人がそういうミックスをしていたら、そっと警告してあげてください。

「モノラル再生した時にめちゃくちゃになるらしいよ!」

ラウドネス的に非常に不利らしいよ!」

 

■モノミックスの注意点

ミックス過程で一時的にモノにすることがあります。

この方法を過剰に行う人は、モノの状態でバランスを作ってからパン設定をします。

しかしこの方法ではパンローによって音量バランスが崩れます。

 

モノ状態でメインメロディよりも小さく設定された伴奏トラックが、パンによってさらに小さくなってしまうということです。

 

やたらとモノミックスを推す人がいますが、こういう危険性・二度手間があるということをご周知願います。

 

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