5月15日にリリースされたToneboostersの"ReelBus4"。
旧モデルの同社"ReelBus"とは異なるキャラクターのテープシミュレーターです。軽く試してみたのですが、現時点ではまったくダメです。
(2020年10月25日更新)
その後のアップデートでどんどん良くなっています。
気が向いたら買います。
少なくとも音が変えられすぎる点など、致命的な欠点は無くなっていることを確認済みです。
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以下はリリース当初の話です。
■以下、リリース初期のレビュー記事そのまま残し。
メモしつつちょっと触ってみましたが、うん。なんつーか、あれだ。 うん。
■メモ
以下、正確に知らないので間違ったことを書いてるかもしれません。
左側の縦バーはインプットゲイン。
なぜかアウトプットゲインと操作方法もGUIも音量の単位も違う。統一して欲しい。
また、インプットゲインはAlt+クリックの初期化が効かない。
・Spectrum()低域、100Hz周辺のレゾナンス発生とハイパスローパス効果
・Hysteresis(ヒステリシス)、磁性体ノイズ。いわゆる「ヒスノイズ」は「Hiss」の方。ヒステリシスノイズはブルーノイズ的なやや右上がり。非常に小さい。
実際に様々な音を入力して差を比べてみると、小さい音の時には右上がりで、大きくなると閾値を越えたところからはハイが出にくくなり、過度の大音量を突っ込むと明らかにハイ落ちした音になる。
・W&F(ワウ・フラッター効果)回転の偏芯による不安定さ。
・Wear、テープ進行の不正クロストーク。テープの左右トラックのズレ効果。のはず。Wearがどういう用語なのかは不明。英語としてそのまま捉えると「すりへり、損耗」。オフィシャル的には「損耗度」とのことですが、主に左右のふらつきとして聞こえます。「Cross」と呼ぶべきじゃなかろうか。
・Hiss(ヒスノイズの追加)ピンクノイズで非常に大きい。あからさまに聞こえる。
・Asperity(粗さ)、たぶんテープ表面の磁気素子の粗さ。(Asperityは無段階に調節できるので、テープの磁性体の素材の違い「ノーマル」「ハイポジ」「メタル」とは異なる。はず)
その他、コンプ(compression)にノイズ発生機です。Hysteresisと同じノイズ。のはず。
・Drive、不明。
■良い点
コンプの質感は非常に良い。
フランジャーが非常に良い。よくあるデジタルのフランジャーと違い、ゆらぎをつけることができる。その他にもズレ側に固有のフィルターを使うことで非常にソフトなフランジャーを得られる。
・微妙な点
が、コンプもフランジャーも、ミックスバランスが無い。
左下にはセンドモードらしきものがあるが、使い方と効果が不明。
■ダメな点
いろいろとダメです。
・バイパス不能
通しただけでハイロー両方にパスフィルターが生じてしまう。
これはAmountをゼロにしても封じることができない。
DAWのバイパス機能でもダメで、プラグインを完全に「オフ」にする必要がある。(これは旧モデルのReelbusでも同じ。)
Cubaseで言うとオン/オフボタンで殺せということです。
つまり、テープストップを使いたいだけなのに全体のサウンドを変更してしまう。これでは道具にならないです。
せめてテープストップだけでも普通に使えるなら買ったかもしれないです。
せっかく病的に細かい機能をつけているのなら、全機能オフもつけて欲しいんです。
・GUIが統一されていない
大カテゴリ・小カテゴリを個別にON/OFFするボタンが不足している。
バーにカーソルが反応する範囲がやや狭い。
■現時点では不安定すぎる
たまにバグってDAWを巻き込んで落ちる。
オートメーションの連続書き込みで落ちた。
左下のRecorder/Insert/Send選択に触ったら落ちた。
ところでこのエフェクタの名前は"REELBUS"なのか"ReelBus4"なのか。
バグ報告をする気は全くありません。
この状態でBetaもつけずにリリースしてはいけないんじゃないだろうか。EQ4が傑作だっただけにとても残念。