Cubase6.0系のプロジェクトをCubase9.0系で開くテストと、32bitブラグインを強引に使えるようにできるという話が「失敗した」報告です。試してみたい人向けに、今回の手順については詳細に書いておきます。
その他、プラグイン認識に関連することがあれば追記します。
■C9における古いC6のプロジェクトのテスト
新しいCubase9において古いCubase6のVSTプラグインフォルダを再検索させても、そのプラグインが「インサートされていること」は読み込まれるが、「パラメタ」は読み込まれない。Cubase9上では無名のプラグインがインサートされているだけの状態になった。
文章がおかしくてすみません。端的に言うと「空白のプラグインとして読み込まれるだけ」ということです。
インサートにプラグインは刺さっているが、何も開かないという状況になる。)
↓
Cubase9にプラグインを再認識させたが、認識せず。
Cubase9を再起動させると、インサートは正しく認識されており、プラグインGUIも開き、パラメタも正しい。
(一連のスクショ失念。)
■32bitプラグインの蘇生に失敗するの巻
Cubase9で32bitプラグインを強引に使えるようにする方法があるようですが、私の環境では失敗している話です。
2ch経由、Steinberg海外フォーラムのトピックにておい、
https://www.steinberg.net/forums/viewtopic.php?t=109627#p605325
Re: QuadraFuzz v1 how to run in C9
「Componentsのファイル移植でいけたぜハハハ(Backlistもちゃんと消しておけよ)」とのことです。
この回答ではCubase8.5からCubase9.0への移植です。
今回の私の状況はCubase6.0からCubase9.0なので、状況が異なり、失敗しました。
以下、試してみたい人向けに手順を書いておきます。
・手順1、Blacklistの削除
VST3とVST2のブラックリストを削除します。
ブラックリストは削除しても次回のCubase起動時に再び検出&生成されるので、「基本的には」消しても問題ありません。
(1)以下2つのCubase9のファイルを削除します。(AppData/Roaming)
VST3のBlacklistの場所
"C:\Users\ユーザ名\AppData\Roaming\Steinberg\Cubase 9_64"
VST2のBlacklistの場所
"C:\Users\ユーザ名\AppData\Roaming\Steinberg\Cubase 9_64\Cubase Pro VST3 Cache"
(AppDataってどこ?という人はこの件にはこれ以上関心を持たないでください。)
・手順2、Componentsファイルの移植
2つのフォルダを開きます。
コンポーネントフォルダの場所は
(旧)C:\Program Files\Steinberg\Cubase 6\Components
(新)C:\Program Files\Steinberg\Cubase 9\Components
です。
「新Cubase」のVstPlugManager.dllをバックアップしておきます。
この例では「Cubase9のOLD____VstPlugManager.dll」という名前でバックアップしています。
「旧」の
"VstBridgeApp.exe"
"VstPlugManager.dll"
の2つのファイルを「新」に移動します。
幸い、Cubase6系にもVSTBridgeApp.exeとVSTPlugManager.dllはCubase8.5同様に存在していましたが、結果は失敗です。
指示通りに移植してみたのですが、Cubase6のプロジェクトで用いられていた32bitプラグイン(dblue_TapeStop.dll)を読み込ませることはできませんでした。
Cubase9を起動した直後に再度ブラックリストにされてしまいました。
(ノ∀`)アチャー
これまでの私の制作で32bitプラグインがどうしても必要だったのはテープストップだけで、テープストップも64bitフリーで扱いやすいものをすでに見つけてあるので(M'z TapeStop)、今回たまたま作業の残骸で見つかったdblue_Tapestopが使用不能になっているのを発見した、という流れです。
eki-docomokirai.hatenablog.com
そもそもフリーのテープストップが必要となったのは、曲中の演出においてちょうどよい出音のテープストップを探して試行錯誤していたからです。
もともとCubase6以降に32bitプラグインを積極的に使う方針ではありません。新規に入れていくプラグインの第一条件として64bitであることを優先していました。
■私はこれ以上Cubase9で32bitプラグインの追求はしません
今回の移植も割りと突っ込んだことをやっているにもかかわらず、これでも失敗したわけですから、これ以上フリーにこだわりたくありません。そもそも9.0系なので、どうせ9.5系終盤の安定期になった際、何らかの仕様変更があるでしょうし、その時になって今回の移植テクが通用し続けるとは言い切れませんし。
そもそもの話、今回のCubase9で最も不評なのが32bitプラグインの完全切り捨てなので、メーカー側もなんらかの対策をしてくるんじゃないでしょうか。
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以下、その他やった新プラグインに関連する色々。
■Cubase9のプラグインの再認識方法
今回の作業でやった副次的な環境改善。
プラグインマネージャーの「左下の歯車」で表示モードを変えて、「下段の右上にある回転矢印アイコン」で、検出先フォルダを追加できます。
念のためこれも試したのですが、当然失敗します。
せっかくなのでこの画面でできる作業をします。
■LoopmashとPadShopの関連性
PadShopの起動&出音テストをしようとしたら、「PadShopに必要なコンテンツが見つかりません」と言われ、必要なファイルを指定するまでダイアログが出続ける状態となり、Cubase9はハングされました。この状態に陥ると、一切の操作を受け付けなくなります。
LoopMashはクソだとしか思っていないので、Cubase9の全インストール直後に消したのですが、ファイル名を調べてみると、どうやらPadShopはLoopmashと強く紐付けされているファイルを共用しているようです。
Cubase9を強制終了し、Cubase9のインストーラーを起動し、Loopmashのみを再インストールするように指示し、復旧しました。Cubase9のインストーラーを起動しても、すでに組み立てたCubase9の諸設定が壊れることはありません。Loopmashだけを再インストールできるようになっています。良いインストーラーですねこれ。
もしLoopmashを消した人がいるなら、セーブした上でPadShopの起動テストをしてみてください。
もしPadShopを絶対に使わないのであれば、PadShopをVST一覧から削除しておくべきでしょう。音源名指定の時にミスクリックしただけでCubase9が完全に動かなくなってしまいますよ!
私はもうしばらく付属音源についても試したいので、Loopmashを再インストールした、ということです。
■手元の32bitプラグイン状況
現時点でインストールしてあった32bitプラグインについて
・HALion Symphonic
新しいバージョンなので64bitです。普通に起動します。
もしCubase5時代の古いバージョンのままの人がいたら(さすがにもういないとは思いますが)、Cubase9にする前に64bit版にしておくべきだと思います。
愛用者が多いTonicは32bitです。Cubase9では消えました。
同様にMonologue、Embracerも消えました。ヘビーユーザーの人はご注意を。
・Electri6ity(Kontakt)
基盤となるKontaktの種類によっては32bitですので使えません。
64bitのKonakt(Player)で立ち上げましょう。
旧プロジェクト上で32bitのKontakt上でElectri6ityライブラリを使っていた人は要確認。
・フリー音源の多く
言うまでもなく32bitです。
フリー音源を多く使っている人はCubase9に移行する前に良くチェックしておきましょう。壊滅した場合は便所で泣くことになります。Cubase9のダウンロード版は返品できません。
・Sampletank2(旧)
これも古くからの愛用者が多いらしいですね。私は入れるだけ入れて全く使っていませんでした。
・Cockos
ReaperのプラグインReacomp-standaloneなどです。配信ツール内で使えるスタンドアロン版としてインストールしていました。DAW上で使ったことは一度もありません。フリーの高機能プラグインとして広く普及しているようですが、これらもCubase9では全滅します。
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その他、プラグイン認識に関連することがあれば追記します。