Cubaseのセーフモードは起動ロゴ画面でShift+Alt+Ctrl。その他の方法は以下参照。
近年見聞きしたトラブルはAppフォルダ内での操作が有効なケースが多いっぽいです。
(2023年2月27日更新)(随時加筆)
- ■この記事で扱うこと、扱わないこと
- ■疑う順序
- ■PCを再起動する
- ■最近PCに変更を加えたか?(インストール、設定変更など)
- ■PCのに取り付けているもの(可能な限り取り外し)
- ■セキュリティソフトをオフ
- ■プロジェクトファイルの破損(別のプロジェクトが起動するか確認)
- ■プラグイン(VSTフォルダ等を含む)
- ■Cubaseを数回起動し直す(解決になってないが、その場しのぎにはなる)
- ■Cubaseの構成ファイル(Defaults.xml等、環境設定等)
- ■Cubase本体のメンテ(Cubaseセーフモード含む)
- ■フォルダ削除系(リスク大小あり、自己責任)
- ■Cubaseの再インストールor修復
- ■OS(OSセーフモード含む)
- ■以下、きわめて不確定な話
- ■ケーススタディ
- ■相談を受けた時は、適切な手順でアドバイスしましょう
■この記事で扱うこと、扱わないこと
「音が出ない」「鍵盤おしても鳴らない」系はノータッチで行きます。
「Cubaseが起動しない」系の致命的トラブルについての備忘録です。
項目名は書きますが、それぞれの実行手順は書きません。記事が異常に長くなってしまうからです。
それぞれの単語で検索して細かく調べてみてください。
・そもそも普段の使い方がおかしい人は落ちる
気まぐれにPluginをアップデートしたりする人は当然落ちまくる。
eki-docomokirai.hatenablog.com
・お断りしておくこと
この記事は説明書ではありません。
無料サポートではありません。
メーカーサポートでもありません。
整った記事内容になっていないですし、重複した表記、表記ブレがあります。
あなたの知識レベルに合わせてわかりやすく並べてありません。
別のあなの知識レベルに合わせてスマートに短くまとめてありません。
カネ取れるレベルで、部分的にはオフィシャルを上回るトラブルシュートの仕事もしているのでお察しください。
■疑う順序
気まぐれにあれこれやるのをやめましょう。
ネットで適当に検索して出てきたものを試しても、その「重さ」が全然違います。
まず軽めの方法から、徐々に時間ロスの大きい方法に移行していくのがトラブルシュートの常識です。
極端に言えば「壊れた!OS再インストール!」は最強ですが、時間ロスも最悪です。PCに対して無知なプロの人がこの方法をやれと押し付けてくることがありますが、あまりにも時間ロスが大きいので最後の手段にするべきです。後年になって同じトラブルに遭遇することもあります。その時にあっという間に解決できるスキルに結びつくからです。何も考えずに「壊れた!OS再インストール!」では自分が成長できません。家のカギを無くすたびに新築を買うようなものです。
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上が軽度。下が重症。状況により優先順位が入れ替わることもあります。
まずコンビニに走って、お菓子とマンガでも用意します。
のんびり取り組みましょう。
焦っても早く解決することは絶対にありません!
眠い時は判断力が著しく低く、ストレスを感じやすいです。
まず寝ましょう。
リラックスして挑める状態になったら、トラブルシュート開始です。
【カテゴリA。PCの軽度な問題】
・PCを再起動する
・最近PCに変更を加えたか?(インストール、設定変更など)
【カテゴリB。Cubaseの問題】
・プロジェクトファイルの破損(別のプロジェクトが起動するか確認)
・Cubaseの構成ファイル(Defaults.xml等、環境設定等)
【カテゴリC。PCの重大な問題】
・PCに取り付けているもの(可能な限り取り外し)
・セキュリティソフトをオフ
・OS(OSセーフモード含む)
・記録を残しながらやる
今後チェックするべき項目を全て書き出しましょう。
チェックした項目をメモしましょう。
やった内容をすべて書き残しましょう。
メモは「やり忘れ」チェックになります。
焦ってアレコレやらず、ゆっくり順番にやりましょう。
ゆっくり作業しながら、「次はこれをチェックしよう」と考え、次にやることを別の紙にメモしましょう。
メモは必ず大きなA4の紙に書きましょう。
紙に書くとすぐに分岐を考えられます。
スマホを含むデジタルのメモは整った形にするのには有利ですが、考え事を進める際には不利な道具です。A4ノートなど大きな紙を使ってメモしましょう。
焦らずゆっくり挑みましょう。
まずコンビニに行って、お菓子と雑誌を買ってきましょう。
落ち着くことは全てに勝ります。
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以下、個別に書く
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■PCを再起動する
たいていの問題はPCを再起動で治ります。
再起動を待つのもイヤだという気持ちは分かります。
Skype等の通話を切りたくない気持ちも良く分かります。
でも、PCの多くの問題は再起動であっさり解決するものです。
トイレに行く、食事をする、コンビニや散歩タイムにする、風呂に入る、などする間に再起動しましょう。
・再起動後にも急がない
再起動後はセキュリティソフトの起動などをゆっくり待ってからDAWを起動しましょう。OSが起動した瞬間にすぐに重量級のソフトを起動するのは不安定になる一因です。
待ち時間に余計なことをしないため、ゆっくり身構えるためにお菓子や漫画などを用意しましょう。イライラしても何も治りません。また、待ち時間で今後の行動メモを作りましょう。
■最近PCに変更を加えたか?(インストール、設定変更など)
何かをインストールした(ソフトの追加)
OSの見た目の変更などをした(OSの設定変更)
ハードディスクを追加した(物理的なデバイス追加)
USBメモリをさした
ゲームコントローラーを追加した
などなど。
■PCのに取り付けているもの(可能な限り取り外し)
デバイス接続時に説明書によくある文言「すべての機器を取り外してからインストール」は実は本当に強力。思いがけないちっぽけな機器が邪魔をしていることは良くあります。
初心者はバカ正直に取り外すから問題が起きない。
中級者は「行けるだろ」と判断する
上級者は馬鹿正直であることの強さを知っている。
マウスとキーボード以外を外してみてください。
可能であればマウスもキーボードも専用ドライバを必要としないチャチなものを用意しておくと強い。
・見落としがちなこと
「まさかUSBメモリ刺しただけで何も変わらないだろう」という甘い考えを捨てる。
あなたの理解が本当に正しいのかをまず疑って、バカ正直に1つ1つチェックすること。
■セキュリティソフトをオフ
セキュリティソフトが何であるかは関係ない。とにかくオフにして、上の全てをもう一度試す。
セキュリティをオフにする方法を瞬時に実行できるなら、この手順は最初にやっても良い。
・予備知識
セキュリティソフトが新規インストールをブロックすることは非常に多い。警告を出して「これを許可しますか?」と出すことが多いが、警告無しに問答無用でブロックすることもある。ブロックしていることすら通知せずその場でインストーラが立ち止まったままになることもある。
外付けの光学メディアデバイス(CDR,DVD等)を接続しているだけでもおかしくなることはよくあります。
とにかく、最近接続したデバイスを外すのは強力な復旧施策なので覚えておきましょう。ここ試験に出ます。
・見落としがちなのは「USBメモリ」
「まさかUSBメモリ刺しただけで何も変わらないだろう」という甘い考えを捨てる。
あなたの理解が本当に正しいのかをまず疑って、バカ正直に1つ1つチェックすること。
実際、USBメモリに対するアクセスなどでOSが強い影響を受けることはよくあります。
特に、安いUSBメモリを初めて使う時、他人が持ち込んだUSBメモリなどを疑いましょう。
カンの良い人なら気がついたかもしれません。
そう。ドングル等に使うUSBメモリにも相性があります。
USBドングルを要求されるプラグインを使用開始してから大きな不具合が起きたなら、そのUSBメモリを別のものに買い替えてみてください。(もちろん、メーカーの違うモデルにです!)
■プロジェクトファイルの破損(別のプロジェクトが起動するか確認)
新規プロジェクトや、過去のプロジェクトを開いてみる。
・見落としがちなこと
今作っている曲を急いではいけません。
絶対に完璧に起動するプロジェクトで起動テストしましょう。
Cubase本体だけを立ち上げてみましょう。
音が鳴るかのチェックは、重たいプロジェクトを立ち上げる必要はありません。
Cubase本体だけが立ち上がったらミキサーを開き、StereoOutに付属プラグイン「TestGenerator」を起動してみてください。
これで「プー」とか「ザー」が鳴るなら、Cubase本体の問題は無いということです。
プロジェクト破損や、その他のトラブルだということが確定します。
「ここまでは問題が無い」と確定していくこと。これが何より大事です。
■プラグイン(VSTフォルダ等を含む)
・最近入れたプラグインを疑う
前回正しく起動した後に、最近入れたプラグインがるなら、まずそれをアンインストールしてください。製作中の曲で使っていようといまいと関係ありません。とにかく消してください。
これで安定起動したなら、そのプラグインはあなたの環境と相性が悪いことが確定します。残念ですが二度と使わないようにしましょう。(ライセンスはメーカーによっては譲渡できるものがあります。)
・プラグイン全体の問題を疑う
VSTフォルダを退避させる。(フォルダ名を vstplugins_OLD のように名前を変更すれば良いです。)
最近入れたプラグインを消す。
(アンインストール型の削除)(dll手動設置型の削除)
・ありがちな悪習慣ミス
テストしてみて使わないと判断したプラグインは確実に消しておきましょう。
「いつか使えるかも」というメリットより、「不具合要素を抱え込む」デメリットの方が大きいです。また「原因究明を遅らせる」デメリットにもなります。
そもそもプラグイン読み込み時間を増やすので、Cubaseの起動を遅くする原因になります。
プラグインのアップデートと、OSアップデートの相性によっても問題が起きることがあります。
特にMAC OSでは定期的に大問題となります。
クリエイターというニッチな目的のためにPCを使うなら、無作為にアップデートをせず、安定を重視するべきです。
■Cubaseを数回起動し直す(解決になってないが、その場しのぎにはなる)
単に数回起動し直すだけで起動することもあります。
以下に紹介する「Defaults.xmlやVSTフォルダ削除」すら必要なしに、ギリギリ起動できることがあります。
しかし、これは何も問題解決になっていません。
現在の作業を一段落したら、安定起動のために徹底的なメンテナンスをするべきです。
■Cubaseの構成ファイル(Defaults.xml等、環境設定等)
Defaults.xmlを削除してからCubaseを起動する。これは全Cubaseユーザーが暗記しておくべき。まじで。これは裏技とかハックじゃなくて、オフィシャルでも昔から推奨しているトラブル解消手順です。
いくつかの設定が吹き飛びます。
しかし、いつまでもまともに起動しないよりはマシです。傷は浅いほうが良いです。
eki-docomokirai.hatenablog.com
■Cubase本体のメンテ(Cubaseセーフモード含む)
セーフモードはCubase起動、ロゴが出ている間にShift+Alt+Ctrl。MACはCommand。
左から順(影響が少ない順)に試します。
メモ。
2022年7月1日はデバイス追加とプラグイン追加による起動不能を、「OSの再起動」+「Cubaseセーフの1」で修復できました。
■フォルダ削除系(リスク大小あり、自己責任)
Cubaseのセーフモード(プラグイン無し起動)は完璧なブロックをしません。
フォルダそのもの、フォルダの中身そのものを完全に除去したほうが「もっとセーフモード」にできます。(下参照)
この場合にもファイル名に「 _OLD」とつけるとわかりやすいです。
・過去ヘルプのメモ。
(鍵アカウントからのツイートなのでモザイクにしています。)
発言者の個人的用語が多いのでちょっと読みにくいですが、要するに「Cubaseのセーフモードが完璧なプラグイン除去起動ではない」ということを示しています。
セーフでNGだったけど、フォルダ移動(リネーム)による「フォルダ削除」でOKだった、という復旧事例です。
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きっちり対応していれば私が総当りチェックをかけるのですが、この時のヘルプでは先方がオペレートしていたのでなんとも。(Anydeskを使って私がリモート操作すればもっと良かったんだろうけど、先方が持っているか不明だったし、なんとなく面倒だったので口頭対応のみでした。)
とにかく貴重な生レポートなのでTwitterをスクショした。
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また、この人のケースではCubase10.5が破損したのでCubase11を購入しています。
しかし、それでも解決しないことがあるということです。
この理由はシンプルで、Cubaseは近いシリーズでは同じコンポーネントを利用しているからです。
このため1つのCubaseが壊れると近いバージョンすべてが起動不能になります。
これは通常のアンインストールでは削除されません。「過去のインストール時の使用状況」としてOSが生きている限り再利用され続けます。(逆に言えば、OSの再インストールで復旧可能ということです。)
Revo Uninstaller等の強力なアンインストールツールを的確に使わなければなりません。
https://www.revouninstaller.com/jp/
OS再インストールが確実とはいえ、OS再インストールは致命的な時間ロスになります。指先の怪我を治療するために腕を切り落とすようなもので、仕事の締め切りがある場合は本当にヤバいです。急ぎの作業に対応できない対処法に価値はありません。(だからプロの多くは古いOSと古いDAWのままであることが多いんです。)
一般的なCubase知識として「異なるバージョンを別に共存できる」というものがありますが、上記からわかるとおりこれは半分正解で半分ウソです。1つ破損すると他も破損します。
こういう知識を貯めるチャンスではあるので、1つのCubaseが破損した際に別のCubaseがどう挙動するか試してみるのも一興です。ただし自己責任です。忙しい時に気まぐれにやってはいけません。まじでやめろ。
さらに言えることは、旧インストール済みのCubaseが正常に動いているのに、新しいのを入れると「共有使用されるファイル」が変更され、思わぬトラブルを引き起こすことがあります。考えなしになんでもインストールしないのは本当に強いんです。
・通称「VSTフォルダ削除」(リスク小)
上の人がやったのは下記の手順です。
(画像はWindows7、Cubase9.5での例。)
これだけであっさり動くことは本当に良くある。
Cubaseが起動することを確認したら「_OLD」を消して、元通りに認識させ、Cubaseを再起動。
なお、各フォルダ内にあるPluginのファイル更新日付けなどはまったく参考になりません。Pluginの更新日付が数年前のままでも、なんらかの理由で不具合の原因になります。中途半端にコンピュータに詳しいと「更新日付が古いままだから問題無し!」と誤判断してしまうかもしれません。
これらのフォルダはトラブル時に触ることが多いので、ショートカットフォルダを作って整理整頓しておくと非常に便利です。
ぶっちゃけこんなのはCubaseインストール時に自動で生成してくれても良いとさえ思っています。そうすればメーカーサポートさんもやることが減るでしょ?
・通称「設定フォルダ削除」(リスク中規模)
このブログ記事に書かれている上のことを全て試してもダメな場合にやる。
C:\Users\kousuke\AppData\Roaming\Steinberg
にあるCubaseフォルダを削除する方法。
Cubaseの各種設定などが全て吹き飛ぶのでリスクは中規模です。
(Appフォルダは隠しフォルダです。OSを操作して表示できる状態にする必要があります。説明は省略します。ネット検索ですぐ出てきます。)
■Cubaseの再インストールor修復
ここまで書かれていることをやってもダメなら、
1)各種設定ファイルなどのバックアップをしてから
2)あきらめてCubaseを再インストール。
通常のアンインストールでは残留ファイルが生き残ったままで、トラブルが解決されないケースが多いです。
Revo Uninstaller等の強力なアンインストールツールを的確に使わなければなりません。
https://www.revouninstaller.com/jp/
・それでもダメならCubaseのバージョン見直し
Cubaseのバージョンアップを兼ねて、最新版を買ってインストールしてしまいましょう。古いバージョンとお別れする良いきっかけだと思ってすべて諦めましょう。
完全な確認をしたわけではありませんが、
古いバージョンのままだと、OS更新と折り合いがつかないこともあるようです。
VBなどのコンポーネントとの相性が悪くなることもあるようです。
そこまで熟知できていないなら、おとなしくフルインストールした方が早い、ということです。
・Cubaseのバージョンアップでも直らないことがある
近いバージョンのCubase同士が同じ設定ファイルを共用していることがあります。
古い方のCubaseが破損したままだと、新しいCubaseを買っても解決しません。
この場合はAppフォルダ内での操作が必要になります。
・古いCubaseで作業を続行する
まれに古いバージョンが平然と動くこともあります。
■OS(OSセーフモード含む)
上まで全てためしてダメならOS破損を疑うべきです。
・再起動してからDAW起動チェック
・セーフモードで起動、DAW起動チェック
・復元を試してから、DAW起動
それでもダメなら必要なファイルのバックアップをとってOS再インストールする覚悟を。
OSの再インストールは「全てのデータ」が失われます。火事にあったと思って覚悟しましょう。
■以下、きわめて不確定な話
・Cubase起動を数回繰り返す&数回終了すると直ることがある?
起動画面の「Studio manager~」で止まっても、『3回目で必ず起動できる』という時期がありました。
再インストールなど、根本的な修復をすべきでしたが、多忙なので「3回起動で突破」でやりすごしていました。
その時期に、他人から受け取ったCPRを数回編集していると、なぜかCubaseが普通に起動するようになった。
■ケーススタディ
ながたかな さんの場合はAppフォルダ内での「フォルダ削除」が効き目があったようです。
以下のスレッドを参照ください。
■ 症状
— ながたかな(YouTube にお歌あります) (@ngtkana) 2023年2月19日
スタートメニューから Cubase 11 Artist の起動を試みると、
・起動時のメッセージが正しく表示される(~~を読み込み中など)
・ほとんどの場合、それが閉じた後何も起きない。
・稀に、そのかわりセーフモードメニューが一瞬だけ開くものの、急いで操作をしようとしても間に合わない。
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他にもご連絡いただけれは、ここに随時掲載いたします。
Cubase立ち上げるとセーブモード出てきてボタン押す前に落ちるんよ
— 日咲P@レンジャズ(ボカコレ春) (@HISAKI_music20) 2023年2月27日
まさかの引退説濃厚
なんとかならないかなぁ😅
(Windowsバージョン不明、直近にOS更新無し、Cubase11)
効果なし
- Cubase初期化
- セキュリティの停止
- USBの不要な機器を外す
で、Twitterで「Appフォルダ内で関連Cubaseフォルダ削除」を提案し、一発解決。
App内Cubaseファイルの都合でセーフモードが異常動作するようですね。
■相談を受けた時は、適切な手順でアドバイスしましょう
以下、中傷と受け止める人もいそうなので書くべきでは無いか?とも思ったのですが、このブログとこの記事の趣旨をつらぬき、あえて苦言を書いておきます。
上のツイート、スレッドにおいて、トラブルシュートの経験の少ない「アマチュアボカロ界隈」にありがちな、実経験をともなわない推測だけによって、トラブルの原因を「eLicenserの故障」「OSの更新、セキュリティ」とした上で「Cubase12に買い替えればUSBトラブルは無くなるから買い替えろ」というとんでもない提案がなされています。
我々プロに言わせれば、アマチュアボカロのグループ内における多少の上下関係など、中高生の部活内における先輩後輩程度の差でしかありません。部内で困っている後輩に対して先輩が先輩らしく何か言おうとして、解決に結びつかない思いつきを言っている程度としか私には見えませんでした。
トラブル解決の手順は推測ではなく、問題の切り分けです。
手順は軽い方から行うのが一般的ですから、今回のケースでは
A、除外する要因
e-Licenserの更新は別問題。破損していたらそもそもCubaseの起動画面は出ません。
OS更新で起動しなくなっているなら、すでにネット上で大騒ぎになっている。
B、除外する解決策
トラブルが起きただけでDAW買い替えとかありえません。知っている情報を片っ端から出して先輩らしく振る舞いたい欲求はわかりますが、余計な情報は相手を惑わせ、不安を大きくするだけなので「沈黙は金」です。その情報が必要になった時に導きましょう。
C、初手でまず相手の状況をもっと聞くべきです。ツイートのやりとりから、アドバイスする側はトラブル側のDAWバージョンもOSも知らない状態でアドバイスをしています。
B、B問題を徐々に切り分けしていく
- Cubaseを再起動(ソフトの誤動作を解消)
- Cubaseをセーフモード起動(起動ロゴ画面でShift+Alt+Ctrl)
ここで起動するならプラグインの不良がほぼ確定 - 特定プロジェクトファイルだけが開かないなら、プロジェクトファイルの破損でほぼ確定。PSスペック不足(特にメモリ不足)で巨大プロジェクトが開けなくなることはよくあります
- OSを再起動(OSの誤動作を解消)
- セキュリティソフトを停止した状態で起動
- PCの電源を落とし、10分待ってから再起動(静電気や電圧による内部パーツの損傷疑いを解消)
- 不要なUSB機器を抜く
- PCを電源を落とした上で、USB機器の中で「これは問題無いだろう」と思い込みがちな、USBメモリやプリンタなどを徹底的に外し、ドライバ不要なキーボードと標準機能のマウスだけにする
- Defaults.xml削除等、軽度のファイル処理
- App処理
- Cubase再インストール(というか、再インストールしても残留ファイルがあるから、きっちりアンインストールできるツールを使う必要がある)
という具合に、トラブル解決の順序を適切にたどるべきです。回答者は自分が知っている知識に振り回されてはいけません。
アドバイスで誰かを助けることで評価を得たいなら、上のような手順・優先順位をスラスラ出せるように練習しておきましょう。ヒマな時に数回やってみると、自分の理解力も測れるので総合知識アップのためにオススメです。少なくとも「買い替えろ」はアドバイスでも何でもありません。黙る勇気を持ちましょう。将来のために鍛えましょう。
医者はまず患者を見ます。想像だけでものを言うのがネット時代になって流行していて、その所作を真似てしまっているのかもしれません。とにかく順序を考えて発言しないと傷が広がり、最悪の場合死にます。
過去に実際に眼の前で見たことがあるのは、OSのセーフ起動だけで絶対に解決するトラブルなのにうろおぼえ知識でBIOS書き換えて1台オシャカにした人です。(手伝う義理が無い&職場にとって害悪な自称PCマスター様なので傍観していました。)後でシステム管理担当が来て呆れていました。
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上記引用を消してほしいという旨の苦情を受け付けましたが、適切な引用は著作権法三十二条1項で認められていますので却下いたしました。興味がある人は近辺のツイートを辿ってください。
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