eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

フリーのテープストップ比較

たまーーーに必要になるテープストップの比較です。

ここに書かれているのはCubase6.0.7での比較です。備忘録を兼ねて記事にしておきます。その後Cubase9.5.2(64bitプラグインのみ可)での情報を一部に追記しました。

(2021年1月13日更新)

 

■後日談。

起動確認が面倒くさくなってきたのでKilohearsのを買いました。20ドルほどで後の安定を買った、ということです。

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以下、チョイ編集した過去記事を残しておきます。

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■テープストップって?

曲の途中のブレイク(休止)やシーンのつなぎ目、曲の最後で曲の再生速度を落としていく効果を出すエフェクトです。

テープストップ(tape stop)はレコード盤でも同様の効果が得られるため、レコード・スロウダウン(record slowdown effect)とも呼ばれています。

 

ターンテーブル(レコード再生機)を日常的に扱うダンスフロア寄りの人にとっては定番の技法で、その他のジャンルでもフロアの要素を入れたい時に応用されています。

一般的にはミックスダウンされたトラック全体に対して使いますが、特定のバッキングのみに使い、リズミカルな効果を狙うこともあります。

 

近年でめちゃくちゃ面白いテープストップの使い方をしていたのはアニメ『はたらく魔王さま!』(2013年)でした。BGMをテープストップする演出が頻繁に使われ、間抜けな感じを上手く表現しているなーと。

別にそのアニメをエポックだと言って持ち上げる意図は全くありません。

 

・テープストップの歴史

 

同様の「スロウダウン」を狙った音響効果はレコード再生の時代からあります。

私が知っている限りでは1940年の『トムとジェリー』の初期作品の劇伴が一番古いです。

トムとジェリー』はアニメも音楽も極めて早いスピードで製作されていたそうですから、その制作時間内で実験的な技法が試行錯誤されたとは考えにくいでしょう。そうした背景から、スロウダウンはもっと前のサイレント映画などの時代から使われていたと考えて間違いないはずです。暇人は調べてみると楽しいかもしれません。

 

私が幼い頃、家にはレコードがありました。回転しているレコードに手を添えると再生スピードが落ち、女性歌手の声が野太い男の声になっていくのが楽しかったです。

 

■M'z koo-boo "M'z TapeStop"(Cubase9.5.2で動作確認済み)

2019年5月12日時点では断然おすすめ!VST2。64bitあり

Cubase9.5.2で動作確認済みです。 

リズミカルに「キュッ」と止め、即座に復帰する音を迅速に作れます。加速復帰不可。

・M'z koo-booの"M'z TapeStop" 

M'z TapeStop (VST plugin) - M'z Koo-boo

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FL Studio以外では地味な基本GUIのみで起動します。上と比較しても大差ないので、気にせず使いましょう。

一番上の「Trigger」をオートメーションで1にし、0に戻すだけです。

オン/オフのタイミングだけオートメを書いておいてから、スピードは後から整えるのが良いです。

 

逆に考えるんだ。小さくて使いやすいと考えるんだ。

 

惜しい点は再生スピード復帰(加速)ができないこと

あくまでもストップエフェクト専用として使いましょう。

(復帰・加速をやりたい時は、面倒ですが2mixを作ってから丁寧にやるしかないでしょう。)(そういうプラグインもあるようですが、今のところ所有していません。) 

 

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■以下、Cubase9.5.2で動作不良

以下は過去記事をそのまま残しておきます。

Cubase6.0.7で使用していた時点のレポートです。

 

64bitオンリーになったCubase9.5以降でもがんばってハックすれば使うことができます。たぶん。私は余計なことをしない安定重視なので破棄しました。

 

・Prektron "Vinylizer"

VST2.3、32bit。

非常に良い質感でストップするので好きです。

高周波がおかしな挙動にならない感じ。

 

www.plektronfx.com

 

アナログノイズ発生機能がデフォルトでオンになっているので、Dustを最低値にして使います。

左下のStop Timeで速度を決めて、START/STOPを叩いてストップ、もう一度叩いて戻し。

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Decenterは軸のズレたターンテーブルの音を再現してくれます。ピッチ等がゆらゆらします。レトロな音を作る時に使うことがあるかもしれませんね。中央下の33回転と45回転の変更です。

Dustはプチプチノイズ。

High samageは高域ノイズの付加です。

 

どうせならローファイ用のツマミもあればなーと思いました。

 

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以上2つが現時点でのおすすめ。

ただし、テストしたDAWCubase6.0.7です。

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以下はおすすめしません。

・dblue " TapeStop"

おすすめできません。

定番とされているのですが、ストップ後の復帰時にプチることがあります

http://illformed.org/plugins/

 

また、バンドルされているGlitch等はCubase等のDAWでは誤動作することがあり、正直おすすめできません。 

・TbT "TapeStop"

おすすめできません。

定番とされているのですが、Cubaseではオートメーションが正常に動かないことがあります

ストップの減速だけではなく、復帰時の加速も設定できる強みがあります。

どうしてもそういう音が必要な時にどーぞ。

■その他、ダメだったもの

その他フリーのテープストップを片っ端から試してみたのですが、いずれも動作が不安定だったので紹介しません

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■有料の製品

あれこれ悩まずにしっかりした製品を持っておくのも良いことだと思います。

私はたまーーーにしか使わないので買う気が無いです。

www.vengeance-sound.com

Vengeanceのは55ドル。64bitあり。

 

KiloHeartsのは19ドル。後に値上がりして40ドルくらい。64bitあり。加速復帰可能。買いました。

kilohearts.com

 

■番外、レコードシミュレーター

減速ストップはスピードを変えられないのでストップとしての実用性は皆無です。加速復帰も一瞬なのでダメです。

他の目的でならかなり優秀。

 

 

www.izotope.com

(2021年1月更新。GUIと機能が一部変更されています)

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下は旧。

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整備不良のターンテーブルの回転ムラを作れます。

中央付近にあるWARP DEPTHを上げると回転が不安定になります。

レトロな演出をしたい時に最適です。

その他、ローファイ音質化、クラックルノイズなどの雑音の付与。

 

ただし、通しただけ少しハイ落ちするので注意が必要です。(Dry/Wetバランスが無いので実用性に欠けます。)BYPASS/ONを切り替えた際に、あなたのDAWでプチらないことを確認した上で運用してください。 

■よそさまの記事紹介

同様の記事です。

同じくCubase環境でさまざまなテープストップを比較しています。

wararyo.com

お互いに過不足のある記事内容ですので、どちらも参照し、比較してみてください。

 

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