DTM、コンピューター音楽に関する記事です。
Cubaseではたまにキーエディター(ピアノロール)が非常に重たくなってしまうことがあります。
根本的な解決方法ではないのですが、即座に対処できる方法を紹介しておきます。備忘録を兼ねて。
Cubase6系での対処法です。他のバージョンのことは知りません!
■やりかた
区切りのいいところでMIDIトラックを分割するだけ。以上。
以上で直し方の説明は終わりです。
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以下はCubaseのトラブルシュートに対して興味のある人だけ読んでください。
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■難点
インストゥルメンツ・トラック(プラグイン音源とMIDIトラックが合体した機能)の場合は、分割した分だけシンセ数が増えてしまいます。
「反復複製」を使ってカラのMIDトラックから演奏データのみをインスト・トラックに飛ばすと良いと思います。
根本的な解決になっていないバッドノウハウですが、確実です。
■状況
制作していた曲は20分くらいのクラシック曲です。
ストリングスのトラックがある時から急激に重たくなり、CC入力がままならない状況になってしまいました。ノート本体の編集は通常のレスポンスで行えています※(後述します)
原因の切り分けとして、
- プロジェクトのバックアップ
- 反復複製した送り先の異常
- 音源設定
- トラック設定
- CC削減
- キースイッチ命令削除
- MIDIリージョンの変更(別トラックにリージョン移動)
- MIDIデータ内容のみを他にコピー
- 同トラック内でMIDIリージョンを分割
を試したのですが、どれもNG。
しいて言えば効果があったのは、
7.キースイッチ設定の削除
です。キースイッチに関連する何かが不具合の原因です。
しかし、キースイッチを無くすのは本末転倒なので却下。
で、結局は上画像のように分割して軽量化する対処方法を採用しました。
■データの状況
ラフ制作段階であり、CCの量は非常に少ないです。
この程度のMIDIデータ量&密度で不具合が起きた例を私は知りません。
また、曲の時間が20分という、一般的に考えると非常に長いプロジェクトであることを疑問視する人もいることと思います。しかし、直近にも2時間のプロジェクトで複数曲のMIDI書きを一括で行っていたので問題外です。そのプロジェクトでも長大なMIDIリージョンが大量に存在し、今回のプロジェクトと比べると比較にならないほど重量級のプロジェクトでした。
複数曲を一気に作る時にそういう扱いをしているのですが、今回のような問題は起きたことは一度もありません。
■推測
自作したVienna用のキースイッチにはノート情報の割当の他に、CCも割当をしています。
再生位置の変更などの時にこれらを読み込む動作が不具合を引き起こしているのではないか?と推測しています。
根拠はMIDI Monitorの表示です。
指定位置に移動時などに膨大なキースイッチ情報(スコア奏法)が読み込まれてしまい、恐らくこれが不具合の原因。
■謎の症状
変だなぁと思うのは、上画像のキースイッチ命令が同じ座標で読み込まれていることです。
これを危惧し、同座標にキースイッチが重複していないのかを確認しました。
問題の座標(176.1.1.0)にはそもそもキースイッチはありません。
(上の赤枠のとおり、表示モードも全て表示にしてあり、別座標のキースイッチは表示されてることも確認済みです。)
■ノート本体の編集が遅延する症状もある
今回はCCのみに異常が発生しましたが、過去にはノートの移動なども数秒かかってしまうという致命的な状態になったことがあります。
その場合の対処はプロジェクトのバックアップで一発解決でした。
下のリンク先記事を参照してください。
eki-docomokirai.hatenablog.com
経験上、「プロジェクトのバックアップ」の方が不具合時の対応力が高い、と思っています。
今回はプロジェクトのバックアップでも対処できなかった新しい不具合状況で、原因救命に非常に時間がかかってしまいました。
同様のトラブルに遭遇した人の助けになれば幸いです。