eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

Cubaseのバッドノウハウ。スコア記号あれこれ。

Cubaseバッドノウハウ。スコア記号あれこれ。

やれないことは無いけど割に合いません。おすすめできません。

気が向いたら随時加筆予定。

(2021年4月12日~)

 

■そもそもの話

「自分が望む楽譜表記をしたい」 ではなく「別の表記でも良いのではないか?」という方向に知識と経験を活かした方が幸せになれると思います。

「どうしてもあの表記じゃないと死ぬ」という人はFinaleを買って、詳しい人から学ぶべきです。

どうしてもCubaseだけでやらないと死ぬ体質の人向けです。

 

■テンポ表記、「(四分音符=120)」の作り方

・他のフォントを持っているなら使う必要はない

先に言っておきますが、私はこの作り方をしていません。別のフォントを使ってやっています。

 

フォントを持っているならSteinbergのフォント使う必要はありません。

この記事で解説するのは、Cubaseのフォントだけでやる方法です。正直あまりオススメできませんが、一応できますよ、というお話です。

 

・選択するフォントは「Steinberg Tempo Marker」

フォント名を「Steinberg Tempo Maker」

文字列は「erty=dfgh」でこのように出せます。

 

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大文字A

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イコール=スペースと数字1234567890

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ちょっとクセの強い書体ですが、悪くはありません。

イコールは左右の余白が無さすぎるので、適時スペースを追加した方が読みやすく仕上がります。

画像を作り忘れましたが半角の(カッコ)も使えます。

 

組み合わせるとこういう感じ。

三連符系の表示、L'istesso tempo系の表示にも対応できます。

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tadasi,swing三連からイーブンへの戻し記号はできません。というかまず登場しませんが。そういう場合は「even」と記述するのが普通でしょう。

一般的な音楽では使わないさらに細かい音符も可能です。ertyやfghj付近の文字を探してみてください。その場合にはCubase内でやるより、ワープロソフト内でフォントを切り替えて試す方が速いでしょう。

 

PDFで出力でも綺麗に出るので問題ありません。

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当然ですが全角、かなカナ漢字や記号は不可能です。別のフォントを設置する必要があります。

■他にネタはねーのか?

無いでもないですが、実用性に欠けます。

例えばユーザーグラフィックを使って「Clarinet in B♭」などを表記する方法などです。

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(ユーザー記号エディタ上で見えている位置と、スコアエディタ上で表示される位置が異なるので、試行錯誤が必要となる上、クリティが低い。これを全ての表記箇所で統一感をもたせて実装するのは本当にクソゲーだと思います。)

面倒すぎるのでフラットを使わず「Bb(小文字ビー)」でも簡易楽譜としては問題は無いので積極的に妥協した方が時間を失わずに済みます。もしくは複数のフォントを手動でそれなりに設置した方が良い妥協になります。

 

しかし、そこまで突っ込んだ音楽をやり、それを楽譜で表したいならFinaleに習熟するべきです。Cubaseのスコア機能はあくまでも簡便な音楽向けです。

■できないと確定していることなど

以下はCubaseの仕様上、どうやっても修正できません。

 

・ステム(縦棒)の長さは割と頻繁にバグります。長すぎ、短すぎになります。手動で直せますが、超精密な作業が必要です。

・連符表記は連桁の本数がおかしいです。

・連符表記はどうやっても書けないものがあります。

・リピート記号はバグってます。

・加線と音符の位置が微妙におかしいです。

・タイ、スラーは妥協しましょう

・3点指定のスラーとベジェ曲線の4点指定のスラーは同じニュアンスにできません。

・複数行のテキストを枠線で囲むことはできません。

・任意方向への矢印は書けません。

・自動回避、オートスペースは適当です(これはFinaleでも同じ。浄書職人が手動でやってる。)

臨時記号の位置を任意に指定したい場合には「隠す」で消した上で手動でやるしかありません。

・次の段に掛かる装飾音符はバグります。

・オートレイアウト系は超重要ですが、使う順序次第です。また、限界があります。どうしても任意の配置にしたい時には気合の入った気合が必須です。

 

・TAB譜制作はかなりのクソゲーです。

・歌詞のテキスト流し込みは逆に修正作業で時間がかかります。よほど単純な歌じゃないかぎり、手動で1文字1音符ずつやった方が速いです。

 

■どうしてもやりたい場合

有料レッスンで対応していますが、「それは無理」となることもあります。

あらかじめお問い合わせください。暇な時にやり方を試してみた上で指導します。

 

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