eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

(著作権)当ブログにおける引用の扱いについて

この記事は、別記事内に書いた著作権話を分割したものです。

法律については私は専門家ではないので、ちゃんと学びたい人はちゃんと学んでください。もしくは専門家に相談してください。

 

 

■研究目的では引用に許可は要らない

下の記事では『ア・ホール・ニュー・ワールド』の採譜楽譜画像を使用していますが、何も問題ありませんよ、というお話。

eki-docomokirai.hatenablog.com

 

■楽譜引用について

結論だけ言うと、当該記事は「比較研究目的」なので、著作権的な問題は何もありません。(リンク先の動画については動画サイトの管理下なので、私の知ったことではありません。)

 

引用についてTwitterで某人から指摘をいただきました。ありがとうございます。

この記事の2019年7月9日時点で楽譜にはリズム記譜のみで音程がありませんでしたが、「研究目的の引用」であれば当該フレーズは書いても問題無いので、画像を差し替えました。(2019年7月10日)

 

今回のような記事でも楽譜を引用で使えないというのは私の著作権法の解釈ミスです。JASRACは何も悪くありません。著作権法32条において、引用はちゃんと認められています。

第三十二条 公表された著作物は、引用して利用することができる。この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない。

2 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が一般に周知させることを目的として作成し、その著作の名義の下に公表する広報資料、調査統計資料、報告書その他これらに類する著作物は、説明の材料として新聞紙、雑誌その他の刊行物に転載することができる。ただし、これを禁止する旨の表示がある場合は、この限りでない。

(平十一法二二〇・2項一部改正、平十五法一一九・2項一部改正)

( 強調編者)

http://www.cric.or.jp/db/domestic/a1_index.html#032

 

誤解の元となったOKWAVEの記事は誤解されかねない内容です。

https://secure.okbiz.okwave.jp/faq-jasrac/faq/show/71?category_id=27

secure.okbiz.okwave.jp

インターネット上の個人のブログなどで「4小節程度や、15秒までなら、著作権手続きは要らない」という書き込みが散見されるようですが、法令その他どこにもそのような規定はありません。根拠のない風説と考えられます。

これはファン行為等における著作物の利用時の禁止事項です(後述します)。「研究目的」とは呼べませんので、NGです。

このOKWAVEのページ構成が誤解を招くものであることと、記事改良については連絡済みです。

 

参照するなら同社ページ(下リンク)を活用するべきでした。

このリンク先なら適切な解説がなされています。

secure.okbiz.okwave.jp

著作権法上の要件を満たす場合は、自分の著作物に他人の著作物を引用することができます。文化庁ホームページの解説資料に、「引用」に関する条文(第32条)や要件の詳細(注5 引用における注意事項)が記載されております。ご参照ください。

■(追記)著作権法、引用

ベルヌ条約

www.cric.or.jp

第十条 〔引 用〕第十条 〔引 用〕

(1) 既に適法に公衆に提供された著作物からの引用(新聞雑誌の要約の形で行う新聞紙及び定期刊行物の記事からの引用を含む。)は、その引用が公正な慣行に合致し、かつ、その目的上正当な範囲内で行われることを条件として、適法とされる。

(2) 文学的又は美術的著作物を、授業用に、出版、放送、録音又は録画の方法でその目的上正当な範囲内において適法に利用することについては、同盟国の法令又は同盟国間の現行の若しくは将来締結される特別の取極の定めるところによる。ただし、そのような利用は、公正な慣行に合致するものでなければならない。

(3) (1)及び(2)に規定する引用及び利用を行うに際しては、出所(著作者名が表示されているときは、これを含む。)を明示する。

(編者強調)

・日本

誘導先の文化庁では、以下のように説明されています。

著作物が自由に使える場合 | 文化庁

引用(第32条

[1]公正な慣行に合致すること,引用の目的上,正当な範囲内で行われることを条件とし,自分の著作物に他人の著作物を引用して利用することができる。同様の目的であれば,翻訳もできる。

 

ですので、私の書いた「アラジンの『ア・ホール・ニュー・ワールド』で考えるフェイク演奏技術」は、ローカライズ等によってメロディが変化していることを比較研究する内容なのでOK、ということです。

条文にある「公正な慣行」については下の慣例が参考になるはずです。興味がある人はぜひ一読を。

Vol.105「著作権・裁判例で引用と認められたケース」|JPDA

これ系の判例・法解釈は、続きがあったはずなんだけど、明確なソースが見つからないので見つけたら追記します。たぶん。(2019年7月16日)

・引用して良いのは適切な目的の時だけです

誤解を招かないために念の為に書いておきますが、「引用」の意味を好き勝手に拡大解釈してはいけません。(これが上述の著作権法32条の「公正な慣行」にあたります。)

たとえば、下のような「ファン行為」は全部NGです!

  • 「この歌が好きだからブログに貼りたい!」→著作権的にNG!(許可貰えばOK)
  • 「サビだけでもだめなの?」→ダメです
  • 「加工してボーカル抜きならOK?」→勝手に加工するのはもっとダメです!!
  • 「◯◯さんの歌詞は最高!ツイートしたい!」→著作権的にNG!(許可貰えばOK)
  • 「感動した!ここの部分が最高だから動画にした!」→著作権的にNG!(許可貰えばOK)
  • 「アレンジしてみた。聞いて!」→著作権的にNG!(許可貰えばOK)
  • 耳コピがこれで合ってるかな?誰か確認して」→著作権的にNG!(許可貰えばOK)

これらの目的で楽譜等を使うのは「引用」とは呼べません。ファン行為です。残念に感じるかもしれませんが全部NGです。(運営者側がまとめて許諾を取っているところもあるので、「ブログに歌詞乗せてる!違法だ!」とはなりません。)

このブログ記事のような研究目的の内容なら、適切な範囲の引用ができるよ、ということです。(研究目的というのは、学校・論文などのことだけではありません。)

興味がある人は「引用」について調べてみると良いでしょう。全体の分量に対する引用の割合など、いろいろな制約がありますが、ちゃんと要件を満たしていれば引用は自由です。

 

・誤解、拡大解釈されそうなので追記

出版譜の場合には、また別の問題があるかもしれません。

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