eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

Cubase、サンプルのピッチ変更あれこれ

ほぼ雑記。一気に複数の音程を加工するより、細かく刻んで行くと丁寧になることもあるよ、というお話。

(2021年8月17日更新)

(2025年11月21日更新)

 

 

■ピッチ編集あれこれ(移調、半音単位)

キックやスネア、一発SEの音程変更はこれが一番速い。

ミックスでドラムの音抜けが悪い時にはこれで一発解決してしまうことが多いです。

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情報エリアでやるのが一番手早い。でも非常に雑なピッチ変更なのが難点。

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そういう時は一発でやらず、1半音ずつ何度もやると、加工結果がちょっと丁寧になる。

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その都度オーディオ書き出しもしくは「独立コピーに変換(ショトカ入れとけ!)」をしなければならず、結局面倒くさい。

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出力結果をトラック独立させておいて、ミックス聞きテストして追い込むのが良いかと。

 

・レガシーなピッチシフト

旧来の方法、ピッチシフトを使うおっさんも多いはず。

でもこれ、あまり正確じゃないです。

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近年はDAP(ダイレクトオフラインプロセシング)に含まれてしまっており、連続的な加工をするとバグりやすい。DAPは全体的に挙動が不安定なので個人的には地雷機能だとさえ思っている信頼性の低い機能です。ちんたら作業している人にとっては問題無いのでしょうが、「ちょっとでも早く操作したりすると不安定になりやすい」という評価をしているのは私だけでは無いです。

 

以外にも使えるのがVariaudioにぶっこむ方法。

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ただし、波形によっては相性が著しく悪いです。まるっきり検出してくれないことも多い。

 

意外なほど頼れるのがGrooveAgentに突っ込む方法。

昔からやっている人は、サンプラごとのアルゴリズムの違いを経験してきているので知っているかも。

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メリットは素直な綺麗さ。

デメリットは手間。

ピッチ変更のアルゴリズムが良いのか、「これは無理かな」と思った時でも想像以上の綺麗な結果を出してくれることが多いです。最近は「情報ライン」でおかしくなった直後、何も考えず最初からここに突っ込むことが多い気がしてる。

■チューニングの変更

A=440とか、A=442とか。コンサートピッチの変更。

 

結論だけ言うと、プラグインを使うのが最も良い。

kilohearts.com

Kiloheartsのessentialバンドル(無料)に含まれる、Frequency Shifterがたぶん最も正確で速い。

数値入力は右クリックから。

 

・精度はイマイチだけど速い方法

Cubaseの上フィールド、情報ラインの「微調整」を使う。

ただし、ヘルツやセントではない独自の分割数学で処理しているっぽいので、「正確に2ヘルツ」という処理はまずできない。小数点も使えない。

 

付属のピッチシフトも「正確に2ヘルツ」はできない。

というわけで、KiloheartsのFrequency Shifterがオススメです。今すぐ入れておけ。便利だから。

■その他

音程感さえ変われば良いのであれば、やり方はいくらでもあります。

細かい説明は割愛します。

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どうせぶっ壊し前提なら、Meldaに頼ることが多いです。 

MFreqShifterはぶっ壊し系なら非常に有用で、熱狂的に愛用している人もいるらしい。

左上のShiftを動かすと音程が変わります。

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綺麗に音程だけを変えることには向かないですが、音楽的に、エレクトロ的には非常に有用な音の変化を簡単に得られます。

■何のための作業か?

いずれの方法も「全てオーディオ化してしまえば、アレンジ作業に戻れないので仕上げるしかなくなる」というソリューションを目指している人にとっては敵でしかありません。波形編集であれこれやりはじめると、何のために一時オーディオ化したのか意味不明になります。だったら最初からアレンジ詰めておけよという話に。

オーディオ化してからでもいくらでも「作曲」ができてしまうので、そういう手段を使わず、本来のミックス技術から逸脱しないことに決めてしまった方が健康的かもしれません。

とはいえ、「本来のミックス技術」ではない領域の技術も必須なので、暇な時にはこういう練習と比較をやっておくと、いざという時に役立つかもしれません。

音程修正に限らず、各種ノイズ除去の方法や位相不良の直し方など、クソ素材対策も練習しておきましょう。「録音からやりなおせ」と一喝できるほど偉い仕事をしているなら話は別ですが。

■正確さは本当に必要か?

どうせ生録音だとピッチなんてグダグダだし、ミックス結果としてはトラックごとのわずかなピッチズレがあったほうがリッチに聞こえることが多いんだし、数学的・計測的な正確さってあまり必要ないですよ?

 

生楽器の仕組みを知れば知るほど、どの楽器もチューニングは正確じゃないです。バイオリンもギターもクラリネットもホルンもティンパニも。いわんやボーカルも。

いちばん音程が正確なのはシンセやボカロです。

でも実機の古いアナログシンセって音程めちゃくちゃですよね。PCMも。

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