eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

Ocenaudioの使い方(初歩のみ)

Audacityの諸問題によってオーディオツール難民が生じているようなので、代替ツールを1つ紹介。教えてくれたR氏に感謝。

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(2021年7月9日)

 

 

Audacity問題

forest.watch.impress.co.jp

要は「フリーツールが不要な個人情報を送信している」というものです。

ただし、上の記事でも述べられている通り、その程度のことは他のインフラ級の有名ツールでも多く行われているので、大騒ぎするようなものではありません。私もそう思います。

 

が、神経質な人や、情報を誤解している人は「Audacityはスパイツールだ!二度と使わない!」と憤慨します。そういうタイプの人は一度思い込むとテコでも動かないので、説得するのは不可能に近いです。

そういう人には「じゃあこれ使えば良いじゃん」と紹介してあげようよ、ということが主目的の記事です。

 

また、無料ツールでちょっとした音声加工をしたいだけの人や、ノイズ除去機能だけを使いたい人にも紹介して良いツールだと思います。高いDAWを買わせる必要はまったくありません。

 

・需要1、無料の簡単編集ツール

簡単なオーディオ編集をするだけなら高価なソフトはいりません。

 

「どうしてもフリーで」という人のための記事です。

もし購入した音楽用の機材に音楽ソフトの体験版がついていたなら、それを使った方が良いかもしれません。

 

・需要2、ノイズ除去

有料の音楽ソフトでもノイズ除去ツールがついていないものがほとんどです。

下のような専用のプラグインを買えばノイズ除去ができるようになります。

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なお、FL Studioにはノイズ除去ツールがデフォルトで備わっています。

 

そういうのを持っていない人が、ノイズ除去のみAudacityを使っているケースがありました。

この度のAudacity問題で使用を停止したい人は、今回紹介するOcenaudioでノイズ除去のみ担当させることができます。

■ダウンロード

www.ocenaudio.com

ページ内に寄付(donate)ボタンがありますが、寄付しなくても普通にダウンロードが開始されます。

■基本的な操作のみ紹介

もっと高度なこともできますが、高度なことをやりたいなら高度なツールに乗り換えた方が良いです。

インストールすると普通に日本語で表示されるのもメリットですね。

 

■再生、停止

スペース。

カーソル左右で数秒移動。

Shift+カーソルでその範囲を選択。

 

■音量メーターの表示

右上の┃棒をドラッグすると、右端にメーター表示エリアが出ます。

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右下のスピーカーのアイコンとマイクのアイコンで録音モード時のマイク音量を確認できます。

 

■画面のスクロールなど

ホイールで左右の拡大。

Shift+ホイールで上下の拡大。

Alt+ホイール、Ctrl+ホイールなどで左右移動など。

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上下位置がずれてしまったら、右端の数字の所でドラッグ。

また、その位置をダブルクリックすると表示を初期化します。

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■波形位置選択時の注意点

上下の波形はそれぞれ左と右のチャンネルです。

必ず両方をドラッグで選択しましょう。

じゃないと片側だけの処理になってしまいます。

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■カット、トリミング

範囲選択してDeleteキー。

コピペもできます。

 

■音量の加工

「効果→ダイナミックス処理」

で4種類の編集ができます。

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細かい説明は省略します。

音を聞きながら微調整はできないので、数回試してベターな値を見つけてください。

曲の音量によって値は毎回調節する必要があります。

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よく門外漢から誤解されていますが、こういう音楽ツールでは「できあがった音量」「こうであって欲しい状態」をゴールから指定することはできません。

「目の前の材料を、この数値で料理する」ことしかできません。

それはどんなに高価な音楽ソフトを買っても同じです。

■フェードアウト

波形の「上下両方(左右チャンネル両方)」をドラッグで選択。

ツールバーの斜めのアイコンでフェードアウトです。

細かい設定はできません。たぶん。

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■ノイズ除去

手順に癖があります。

 

1,まず背景ノイズと思われる箇所をドラッグして選択しておきます。

(ホイールで左右に拡大し、曲の開始部分の背景ノイズを選択する。)

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2,メニューバーから、「効果」→ノイズ減少→ノイズ減少を選択。

(面倒な操作が面倒なら「ノイズを自動的に減少する」で雑に処理して終わり)

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3,中央段の「ノイズプロファイラ」のタブ。「プロファイルを取得する」を押す。

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ノイズプロファイルを取得すると、上のように背景ノイズの情報が2色で出てきます。

 

4,メイン画面に戻り「ノイズ除去したい範囲を改めて選択」し、

もう一度「効果→ノイズ減少」を開き、「適用」を押す。

全体を選択する時はCtrl+A。

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どのくらい減らすかを聞きながら最適化することはできないので、何度か数値を変えてベストな値を模索しましょう。(それしかありません。)

 

 

 

■操作のやりなおし

UndoはCtrl+Z。瞬時に戻ります。

RedoはCtrl+Y。ただし、同じ処理時間が発生します。


■欠点

VSTは固定処理のみなので使い物になりません。

対応しているのはVST2系のみです。

 

より詳しい使い方、高度な機能を使いたい人はネット検索しつつ自力でがんばりましょう。

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