近況。elicenserがちょっと挙動不審だったので予備ドングルを購入した。
(2023年2月2日更新)
■Cubase12からはドングル不要になりましたが……
ドングル無し環境にはまだまだ過渡期ですし、トラブルも散見されます。
・緊急トラブル対応のため、まだまだドングルは必要です!
仕事で使う人や、アマチュアでも依頼を受けて作る人、イベント用の制作などで締切のある人は、緊急時に古いバージョンで作業を続行する必要が予測されます。
そういう時のために、予備ドングルを確保しておく必要性はまだ無くなりません。
Cubaseと関連する作業がすべてドングル無しになるまでは数年かかるはずです。
メーカーが謳う「ドングル無し時代だ!」というメリットだけを得ようとするのではなく、ユーザーにとって何より必要な「安定環境」の構築を心がけましょう。そのためにまず必要なのが、予備ドングルですよ、という記事です。
■経緯
昨夜、ド派手な落雷があった。近所では停電もあったらしい。
で、今朝起きたらCubaseが起動しない。
これは過去にも数回あったアレだ。
この症状の9割はelicenserの再インストールで直るはず。
経験済みだ。熟知している。大丈夫だ。問題無い。
そう思いつつも、まずはOS再起動を試した。
が、ダメ!
・やったこと、検査手順
改めて再起動、各種常駐やデバイス認識まで「ゆっくり待って」PCが安定してから各種チェック。
起動直後にあわててカチカチやると、常駐ソフトとの競合などで「何も問題無いのに問題を増やす」ことになりかねない。
ゆっくり作業するべき。
しかし、elicenerの中身は無いまま。
すぐに電源を落とし、ゆっくり便所へ。
もう一度PC起動。
ドングル(USBメモリ)を認識せず。この状況は見たことがない。やばいやつか?(この時点で予備ドングルの購入を考えた。)
elicenserのアップデートで直るケースが多い症状だ。
インストーラをDL。
念の為、古いelicenserをアンインストール。
再インストールは重ねて行うより、消してからインストールの方が安定する傾向がある。
PC電源落とし、ドングルを抜いて、再起動。
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再起動後に「ゆっくり待ってから」最新版のelicenserをインストール。
念の為に、PC電源落とし、再起動。
「ゆっくり待ってから」ドングルを刺す。
ドングル/elicenserは正しく認識された。
Cubaseは起動した。
が、過去に見たことがない症状も出たので、起動テストをしつつ、迅速にドングルをポチった。
■DTMと防災意識
今回のも良くある症状そのものだ。何も問題は無い。
とは言え、これが多忙時だとしたら冷や汗モノだ。
そう言えば予備のドングルが無いなぁと思ったので、予備を購入することにした。
近年は震災や感染症など様々な自然トラブルが目立つ。防災意識も高まっているとはいえ、「正常性バイアス」の心理とも拮抗してしまう。
「普段からちゃんと防災設備をチェックしよう。」「食料等を備蓄しよう」と思いつつも、案外何もできていない。どちらも人間らしい。
予備ドングルを買うこともまた、ささやかな防災なのか?と考えたりもする。情強の人なら「おめー予備も持ってないで音楽家名乗ってるのか?」と笑うかもしれない。本当にすみません。
・予備ドングルを購入
サウンドハウスで格好良くクリック!
上リンクはアフィじゃないですし、軽く比較した最安値3200円です。
他にも買いたいものはあるが、待たずに最善を期してスピード購入。真のノルドは余計なものを買わない。というか、実はサウンドハウスで買い物をするのはこれが初めてだ。
・持っていない人はついでに「安いUSBハブ」の購入を!
ご存じない方のため、念の為に書いておきます。
ドングルはPCに直接さない方が良いです。
万が一、何かがぶつかった時に「強く固定されている」状態だと折れてしまうことがあります。特にノートPCの横に挿しっぱなしにするのは極めて危険です。カバンの中で圧迫されて破損した例は非常に多いようです。
「弱く固定」するために、USBハブを間にはさみましょう。ケーブルの弾力を活かすべきです。これはドングル本体の抜き差し回数を減らすためにも効果的です。
なお、サウンドハウスでは安物のUSBハブは売っていませんので、別ショップ購入でどーぞ。
磁石付きのものはPC横にくっつけることができるので、こういうのが便利。
言うまでもなく、AIFなど電力とデータ品質に万全を期すべきUSBデバイスはPC本体に直刺ししましょう。
USBハブにつなげるのは軽量デバイスたちです。つまり「ドングル」「マウス」「軽量MIDIデバイス」です。
(先日も出張レッスン先でノートPCでDTMをやっている受講者さんがハブを使わずドングル直刺しをしていたので、念の為に持っていった安いハブを1本さしあげてきました。)
・極限まで安いハブで良いなら……
オークションで1円で買え!
ただし、短いケーブルがついてるやつな!
ノートPC横にL字固定とか論外な!
穴が上向きも論外な!(ホコリ侵入)
■ドングルのコピーはelicenser機能でユーザーだけで可能です
ライセンスの転送手順
1. 壊れかけのUSB-eLicenserと新しいUSB-eLicesnerをコンピューターのUSBポートに直接接続します。
※USBハブは使用せず、直接接続してください。
ユーザーだけで行うことができます。
elicenser Control Center上でドラッグ・アンド・ドロップするだけです。
これだけですぐに起動できます。再アクティベートなどは一切不要。ただし、ライセンス移動の際にインターネット通信を行っている様子でした。
なお、言うまでもなく、使えるドングルは1つだけです。当たり前ですね。
片方は何かの折に活用できるかもしれないので不要機材置き場に保管しておく。
・もし「破損」した場合は、メーカー送り
Steinberg製品のライセンスが格納されたUSB-eLicenser(Steinberg Key)が故障・破損した場合は、スタインバーグ・コンピュータミュージックインフォメーションセンターで対応いたします。
(略)※以下の製品はサポート外です。
並行輸入のSteinberg製品・並行輸入品からバージョンアップしたSteinberg製品
⇒購入した販売店等に問い合わせ先をご確認ください。Vienna InstrumentsやreFX等、USB-eLicenser(Steinberg Key、Vienna Key等)をライセンス管理に使用する他ブランド製品
⇒当該製品のサポート窓口等にご相談ください。(略、強調編者)
海外版で購入した人は国内サポート(ヤマハ)ではなく、本国ドイツ送り、のはず。正確な情報を知りたい人はしっかり調査しましょう。
・ドングルとは何か?
よく勘違いしている人がいますが、私達が購入したのはドングルです。ドングルという「鍵」と、その使用権利を買っているんです。
だから、Cubaseがインストールしてあっても全く価値はありません。
ドングルという鍵が壊れたら、家に入れないのと似ています。
ドングルは大事にしましょう。
もう一度貼ります。今すぐあなたも予備ドングルを買いましょう!
■念の為書いておく
完全に蛇足ですが、詐欺行為について書いておきます。
私は譲渡等は行うべきではないと考えています。
Cubase(=USB elicenser)の譲渡、中古倍々はあくまでも当人同士の信頼によるものです。メーカー側はライセンス譲渡の仲介はしていますが、商取引の仲介はしていません。
【Cubase共通】USB-eLicenserを使用するCubaseを譲渡したいです。 - ヤマハ
ヤフオクやメルカリ等での取引でのトラブルを時々見聞きしています。お気をつけください。
騙されないために必要なことはただ1つ。常に「騙す側の心理」を考えることです。直接手渡しだったとしても、いくらでも騙し方はありますよね?
「安く買いたい」という理由だけで行動する人ほど騙しやすい相手はいません。
もし騙された場合は取り戻すことは不可能に近いです。その程度の詐欺で済んだ、授業料だと思って諦めるべきです。世の中にはもっと大きな金額での詐欺があることは誰もが知っている通りです。
もっとも、メーカーはこういう点についても手数料程度でサポートするべき社会的責任があるとも思いますが、自由経済社会における企業活動とは慈善事業ではありません。
良い道具を使いたいなら、ちゃんと買うべきです。買えないなら安価・無料のDAWで我慢するべきです。当たり前のことです。