Diablo3に関する記事です。アクセスの多い人気記事です。
GR(グレーターリフト)の攻略話です。特にどのシーズンの話というわけではなく「戦術概論」のような感じで書いておきます。シーズンごとのメタパーティの特性によって適時読み替えてください。
(2017年11月の記事)
基本的な戦術概念は普遍的なものです。どのパッチでもどのゲームでも、それどころか仕事でも共通する考え方ですので、ぜひ習得して欲しいです。
- ■高GR攻略関連、その他の記事
- ■GRとは何か?
- ■時間効率
- ■理論値算出の間違ったやりかた
- ■エリアダメージについて知る
- ■原則的に「複数エリートと戦うべき」
- ■ジャガーノート
- ■完璧な戦略は無い
- ■「一撃系」と「連打系」による戦術転換
- ■パーティのリーダーはDPS担当者なのか?
- ■プリングについて
- ■地雷プレイヤー
- ■ドラッグ戦術
- ■ヒーラーは神ではない!
■高GR攻略関連、その他の記事
高GRに関する記事がいろいろあるので暇つぶしにどーぞ。
eki-docomokirai.hatenablog.com
eki-docomokirai.hatenablog.com
eki-docomokirai.hatenablog.com
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■GRとは何か?
GR(グレーターリフト)とは限られた時間内、15分間でバーを伸ばすゲームです。
進行度(プログレスバー)の伸びは概ね倒した敵の体力に比例しています。
倒した数ではありません。
苦戦した達成感や冷や汗とプログレスは一切関係ありません。
■時間効率
数字を単純化して効率計算します。
1分間で1000のダメージだとします。
15分間で15000になります。
あなた(たち)は、15分間で15000のダメージを出力できて、それ以上は絶対に出せません。絶対です。気合を入れて激しいプレイをしても算出される理論値は同じです。
(装備やパラゴンレベルを上昇させても15000が30000になることはありません。せいぜい17000です。)
出会った敵にとりあえず攻撃しているだけだと15000です。
Diablo3は「範囲攻撃で同時ヒットさせて効率を上げるゲーム」です。
仮に全ての攻撃が敵2体にヒットしたとすると、
ダメージ理論値1000/分(15000/15分)の2倍ですから、15分間に発生できるダメージ理論値は、
1分間で2000、15分で30000になります。
理想は30000ですが、それは敵の配置の都合があるので無理です。
毎回2ヒットはありえません。
でも、工夫することで20000程度にすることはできます。
敵の配置運が良ければ30000になり、これを最高難易度で出すことができればリーダーズボードの成績となります。(リーダーズボード上位者は数百回やってスコアを叩き出していることを忘れないでください!アベレージではありません!)
もちろん実際には色々な要因で数値は変動します。
パッチによって最強ビルドがどんどん変わっていきます。
しかし、効率と理論値についての原則的な考え方は変わりません。
■理論値算出の間違ったやりかた
せめて10回はトライしましょう。
ちょっと試して毎回ビルドを変更していると、数値が悪かった理由がビルドのせいなのか、単にマップ運のせいなのかが見極められません。
コロコロと方針を変えていると理論値が見えてきませんし、操作の最適化&熟練度が満たされません。
愚直に10回やってみて、その結果を見てから考えましょう。
戦略を考える時にはいちいち考えないほうが良いということです。
ビルドと立ち回りは「固定された数値」で、マップ運が「変動する数値」です。
考える時には変動値の平均が見えてきてから判断するということです。固定値を毎回変えていると、見えてくるものも見えなくなってしまいます。
もちろん、何シーズンもしっかりプレイしていれば、マップの運が良かったのか悪かったのかは数秒のテストで判断できるようになります。
しかし、往々にして人は自分の能力を高く(低く)考えすぎます。
わずか数回で判断できていると考えるのではなく、「もしかしたら正しく判断できていないかもしれない」と考え、用心深くデータを集めるべきです。それがデータで戦う場合の原則です。
戦略という言葉を使おうとする時に、頭のいいふりをしたがる人が多いです。自分の判断すらブレると疑ってかかり、徹底したデータ収集をするのが戦略の第一段階だと考えましょう。
愚直にデータを取るのは立派な戦略です。
妄想と戦略は違います。
■エリアダメージについて知る
Diablo3で最も重要なのはエリアダメージです。
まず「エリアダメージ」には2つの意味がありますので注意してください。
一般的なゲームにおける「エリアダメージ」は単に「範囲攻撃」「複数の敵への同時攻撃」です。
これの他、Diablo3独特の意味として、「敵にヒットした結果として周辺にばらまかれる二次ダメージ」があります。
この「エリアダメージ」についてはイメージ先行で勘違いしないように!
つまり、敵が複数いれば
- 敵AとBにヒットした
- Aから隣にいる敵Bへの二次ダメージ
- BからAへの二次ダメージ
という2つのダメージ計算が発生し、接近している敵には相互に大きなダメージを発生させることができます。
なお、三次ダメージは発生しません。
Aからエリア発生→エリア先のBからエリア発生→エリア先のAからエリア発生→エリア先の……
という循環は起きません!
というわけで、Diablo3は「エリアダメージ」のゲームです。
1回の攻撃で、より多くの敵を巻き込めばステータス以上の攻撃力を発揮でき、成績が上がります。
極端に言えば、確実に即死させられる攻撃力を持っていても、その攻撃スキルを敵1体に対して1回使っていると、100体倒すのに100回の攻撃回数が必要になります。
もし1/10の攻撃力だったとしても、同時に10体に当てれば、10回の攻撃で100体の敵を倒せるので、同じ成績になります。
しかし、10体の敵を集めるために時間がかかってしまうと、成績は落ちます。
それなりに集め、それなりにエリアダメージを与える。このバランスを取ることによって成績が上がります。
「エリアダメージが重要なんだよ!」という情報1つだけで戦略を立ててはいけません!
移動距離、まとめる時間、スキル回しのタイミング。この3つをマップ状況に応じてバランス良く組み立てるパズルゲームだと思って良いでしょう。また、パーティメンバーはアタッカーのスキルタイミングを考慮し、うまく敵を誘導してみましょう。
エリアダメージ(二次ダメージ)がいかに大きなものであるかについてのソースは以下を参照してください。
こうしたことから、敵の密度が高い高GRではエリアダメージを最大限に活用することでGR成績が上昇します。
逆に言えば「残り1体になった敵だから楽勝だよね」という考え方は確実に効率を落とします。優秀なプレイヤー(パーティ)は、相手がエリートだったとしても、周辺の状況を見て「エリートを無視する」という戦術を選択します。信じられないかもしれませんが、この選択を的確にできるかどうかがひとつの壁です。
Diablo3のGR効率をアップさせるための基本方針は「常に大量の敵と戦うべき」です。
そのために「1箇所に固定するZMonk」や「遠くの敵を連れてくるZBarb」の存在意義があるということです。2人のZはより大きなエリアダメージを発生させるために存在するということだけは忘れないでください。自分だけ楽に生き残って経験値だけいただく寄生プレイのためのビルドではありません。
■原則的に「複数エリートと戦うべき」
複数のエリートというのは「青3体グループ」のことではなく、「複数のエリート『パック』」という意味です。
主なプログレス発生源はエリートパックです。
エリート同士の間でエリアダメージを発生させることができれば、プログレスは飛躍的に向上します。
1回の攻撃でより多くの敵にダメージを与えられるなら、その攻撃の有効範囲にできるだけ多くの敵をまとめるべきです。そのためのZMonkです。
戦っている間に、合流できそうな距離にいる別の敵を連れてくるのがZBarbの役目です。エリートそのものを引っ張る場合と、ザコをかき集める場合があります。いずれもエリアダメージ発生源となります。
最後に残った単体の黄色とエリアダメージ無しで1分戦い続けるより、20秒かかっても構わないので次のエリートと合流させ、エリアダメージで同時に叩くという戦術が基本となります。
すべての移動はエリアダメージを上昇させるためです。
適切な移動は効率を上昇させます。うまい人は「足の使い方」が違います。
パブで「この人なんで出会った敵をすり抜けて次に行くんだろう?」と思ったら、それは上手い人のムーブです。眼の前に見える敵を脳筋で叩くだけでは効率が上がりません。
■ジャガーノート
ジャガーノートとは「引っ張り系スキル」が無効化される、重量級の敵です。
往々にしてサイズが大きく、エリアダメージが効果的に発揮できません。
ジャガーノート系である時点で無条件でスキップすることも視野にいれるべきです。それも瞬時に。1分戦ってから「スルー」と言っても、それは1分ロストしていますから、賢い判断とは言えません。スルーするならはじめからスルーです。
倒すべきか、スルーするべきか。迷ったらスルーです。
1分やってから「やっぱりスルー」より、「とりあえずスルー」しておけば、1分以内には必ず次のエリートを見つけることができます。
考えるのはその時で「手前にいたジャガーノートを合流させようか?」と考えます。
そこまで通ってきた道が太くてジャガーノートが移動しやすいなら合流。
細い通路があって、ジャガーノートが通れないなら無視して先のことだけ考える、という具合です。
「エリート見つけた!やった!」と考えるより、「ジャガーノート!ハズレかよ!ファ◯ク!」と瞬時に決断してみてください。
■完璧な戦略は無い
状況によってはエリアダメージより、その場で1体のエリートをきっちり倒すことが優先されることもあります。
状況によっては体力を半分減らしたエリートであっても無視して次に行くことが優先されることもあります。
この2つの状況判断を的確に行うことが高GR独特のゲーム性です。
プログレスバーの進行状況とシュライン(パイロン)の出現条件についておさらいしておいてください。「何それ?」と思った人は勉強不足です。(これはパッチによって変わってるかも。事実、過去に出現条件が変わってる。要するに最新情報を常に確認してね!ということです。)
■「一撃系」と「連打系」による戦術転換
何より難しいのは、パーティプレイでは「それぞれのビルドによって、判断基準が変わる」ということです!
あるプレイヤーは「動いて敵の数を増やしたい!」と考えていても、「ここで最後まで倒したい!」と考えている別のプレイヤーがいると、パーティの行動がばらばらになってしまいます。
2箇所にばらばらになってしまうと、ヒーラー(zmonkビルド)は援護しきれませんし、プラー(zbarbビルド)はどこに敵を運ぶべきか判断できなくなってしまいます。
たとえば、シーズン8のアーコンビルドWIZは、非常に長い時間力をためてバコン!と大きなダメージを与える「一撃必殺系ビルド」です。アーコンが蓄積されるまでの時間は攻撃できないので、その時間を使って敵をまとめ、撃てるタイミングでバコン!とやるべきということです。(初心者の場合は移動せず停止している人が多いようですが、それは誤りです……アーコン以外の時間はできるだけ移動するべきです!)
その他の「一撃系」はConversion of Elements指輪の16秒サイクルに合わせた行動をするビルドです。16秒ごとに欲しい属性攻撃のダメージが大幅に上昇するので、攻撃タイミング以外は敵を集める時間になります。綺麗に集めつつ、タイミングを合わせてNuke(強烈な一撃)を行います。
上記における「移動」とは、直線的に走って遠距離移動するケースと、1画面程度の中距離移動で探索するケースと、1画面内で小さく動いて敵を綺麗にまとめる移動の3種類がありますが、いずれにしても「攻撃の瞬間以外は移動して敵を集めるのが基本戦術」ということです。
しかし、「連打系ビルド」「設置系ビルド」は事情が異なります。
(昔の話)「連打系ビルド」の筆頭はジェネレータービルドのモンクや、すべてのビルドのデーモンハンターです。クルセイダーのインヴォーカービルド、ローランドビルドなども連打系です。足を止めてザクザクと連続攻撃をすることで最大ダメージを発揮できます。こういう人がダメージ担当(DPS)の場合には、彼らは常に武器を振り続けたいわけですから、他の人がDPSのいる場所にどんどん敵を誘導しつづける戦術が基本になります。
(昔の話)メタパーティではないのですが、シャドウビルド以外のデーモンハンターの場合はちょっと事情が違って、回避のための移動が常に必要になります。GR60程度であれば、「パーティがまとめた敵を遠くから狙撃し続ける」というルーチンが可能ですが、70以上の高GRではどうやっても敵がすべてまとまることは無く、「回避しつつ敵が多いエリアに攻撃する」という特殊なルーチンになります。このルーチンがあるので、2.4以前のでは高GRでは事実上デーモンハンターの存在は邪魔でしかありませんでした。
「設置型ビルド」はウィッチドクターです。
「連打・設置ビルド」は一箇所にとどまって、Endless Walkセット(The Compass Rose+The Traveler's Pledge)の「停止時にダメージが上昇する」効果を活用しつつ、周辺にエリアダメージをばらまくことで最大ダメージを発揮します。
ただし、要注意なのは、WDがCoEリングの属性攻撃タイミングを重視する高GRでは「逃げつつローカスト&ホーントをばらまいて攻撃の下準備、CoEタイミングで敵の群れの中心に飛び込んで一掃する」という極めて特殊なルーチンになります。このルーチンについてパーティメンバーの理解度が低いと、「下準備中のWDに敵を寄せてしまう」などのダメな状況になってしまいます。
そういうダメパーティにならないために、他職のベストルーチンについて学習しましょう。特にCoEを軸にしたビルドの人がDPS担当の場合には、それを意識しましょう。
例外的なビルドとして「移動攻撃系ビルド」があります。しかし、この系統は往々にしてダメージが非常に小さく、高GRではメイン火力担当になることはありえません。サポートに徹するべきでしょう。バーバリアンのワールウィンドビルドなどです。移動攻撃は非常に便利なので、今後も大ダメージ化されることは無いでしょう。
また、暗黙のマナーとして「低火力ビルドで高GR部屋に入らない」ことが推奨されます。難易度の低いルームに行って、低難易度の高速GRでジェム量産をしたり、NRでDB集めをしたり、バウンティで駆け回ることで資産を増やすために使うべきビルドです。
■パーティのリーダーはDPS担当者なのか?
パーティの主導権を主張できるのは誰でしょうか?
攻撃するべき相手を決めるのは「DPS」つまり最大の火力を持っているウィザードもしくはジェネレーターモンクです。(この記事は古い記事です。現在あなたが遊んでいるDiablo3では道中の敵を殲滅する担当者は別のクラスのはずです。適時読み替えてください。)
他の人がどんなに「移動するぞ!」と言っても、メインDPS担当者が移動してくれない限り、メイン戦場は移動しません。
ダメなサポート職の人が「here」とか言っていることがありますが、そのコールに反応してDPSがが移動しない限り、状況は変わりません。それどころか、サポートを失ったことによってDPSがが死に、パーティが成立しません。
しかし、メインDPS担当は基本的に「停止して攻撃」が役目なので、画面外への長距離索敵ができません。
今の場所で戦うべきか、移動するべきかの判断をする際に「遠くにもっと良い戦場があるから移動する」と決断することは不可能で、「遠くに良い戦場があったらいいなぁ」という願望でしか移動を決断できません。
ウィザードが移動を決断する根拠は「ここでスタック+アタックしても、発揮されるエリアダメージが低い。だからもっと巻き込むために、今すぐここを離れるべき!」という理由になります。
ダメなウィザードは「ここにエリートがいるからここで倒すべき」という近視でしか考えません。結果として「エリートに出会う→倒す→移動」となるので、複数エリートとの戦闘が発生せず、成績が低くなります。火力に有無を言わせてそれなりの成績は出せますが、アーコン1回で倒しきれないほどの高GRになると、とたんに成績が落ちます。noobですね。
良いウィザードは「エリートに出会う→それなりに叩く→さらに巻き込める状況を探す」というルーチンになります。
パーティのメインDPS担当がジェネレーターモンクの場合は、モンクの特性上「常に多くの敵を確保したい!」という強い欲求があるので、ダメなウィザードほど状況が悪化することはありません。
でも、ダメなモンクDPSは敵を最後の1匹まで倒そうとしてしまいます。たとえエリートの残りだったとしても、次の場所に引っ張り、多くのザコを巻き込みつつ「エリアダメージを最大化」するのが原則です。
■プリングについて
プル(pull)、もしくはドラッグ(drag)と呼ばれる移動戦術について書きます。
これらの戦術を理解していないと、GR成績は伸ばせません。
プラー(Puller)はDiablo3以外のパーティ連携ゲームでも戦果に大きな影響を及ぼす重要な役割です。立ち振舞はどのゲームでも似ているので、一連の動きを習得しておくと他のゲームでも優れたプラーとして活躍できるでしょう。装備の数値に有無を云わせるタンクやアタッカー、ヒーラーと異なり、総合的な状況判断と素早い操作が要求される、高度なプレイヤースキルが求められる頭脳職です。
また、他の役割の人もプラーが何を狙っているのか察知することで美しい連携プレイが可能となります。これが成功した時の高揚感はネットゲームの醍醐味だと思います!非常にスポーティな感動を得られます。
上述にように、とにかく「移動して、敵を増やして、エリア攻撃」がこのゲームの原則です。特に高GRではこの戦術抜きでは絶対に勝利できないと言えるほど重要な戦術です。
人によって「プル」と「ドラッグ」の意味を使い分ける人の場合、
・プル(pull)は「今の位置に遠くから持ってくる」(≒COME!)
・ドラッグ(drag)は「次の位置に持っていく」(≒MOVE!)
としている様子です。
つまり、zbarbは戦っている位置に敵をどんどん運んでくるので「プル」で、zmonkは戦闘中の敵をサイクロンでちょっとずつ移動するので「ドラッグ」ということです。
zmonkがサンクチュアリを使ってヒール位置を確定した後、周辺を少し動いて画面端の敵を持ってくるのは「プル」です。
これは私の周辺のプレイヤーが使っている用語でしかないので、意味が通じない人も多いと思います。いずれにしても、「敵を多くエリアダメージ範囲に持ってくる」というのは重要なので、状況に応じてどんどんプルやドラッグを行い、また、プルやドラッグをしたい意思表明をして、より良い戦場を形成しましょう。
・プル(ロング)
主にzbarbがAncient Spearで遠くの敵を引っ張ってくる行為です。
注意点は「連れてきた頃には古い敵はもう死んでいた」という状況にならないようにすることです。
引っ張ることが目的ではなく、「良いタイミングで巨大グループを作る」ためにZBarbは存在します。
・バナーで集合位置を決める
お互いの中間位置に合流地点を見出し、両側から持ってきて、そこで戦うべきです。Gキーを押して集合地点にバナーを立てると良いでしょう。「ここでヤるぞ!」という意思表明です。
一般的に、バナーを立てて位置を指定するのはプラーの仕事です。腕の見せ所だといえます。
もちろん状況によって集合位置を微調整する必要があるので、「だいたいこの位置」「一次指定」だと考えるべきでしょう。
この1本目のバナーに愚直に従うプレイヤーも多くいますが、どんなに優れたプラーでも100%の正確な位置指定は絶対に無理です。
もしバナーが見えても1本目は仮だと思っておくべきでしょう。たまに広域マップを表示し、プラーがどういう移動をしているのかを観察し、どういうマップ形状が現れたのかをちゃんと観察していれば、1本目が仮にしかならないのか、本決定になるのかを判断することができます。メンバー全員が注目するべき重要なポイントです。
バナーは連打できないので、パーティメンバーは「あっ、1本目はラフな位置だね」「なるほど、この人は1本目から正確さを要求しているな」と感じるセンスが必要になってきます。
・プル(ショート)
画面端に見えている敵が、まだパーティを発見していなくて近づいてこない状況はよくあります。そういう近視の敵に接近し、反応させ、戦闘位置に寄せる行為です。
すべてのプレイヤーが常に行うことができるプルです。
敵に遭遇した時、手前から攻撃するだけだと奥の敵が反応しないことはよくあります。そういう状況を予防するためにも、「敵を発見したら、裏に回ってから攻撃開始」が原則です。
初歩中の初歩なので、丁寧に図解で説明します。
図1,
手前の敵の幾つかが反応していますが、周辺の敵がパーティを発見できていません。
初心者はこの状況でバンバン殴り始めてしまうのですが、範囲攻撃が当たる敵の数が少ないので、スピーディに戦闘開始しているからアグレッシブなように見えて実は極めて非効率な戦い方です。
そこでどうするかというと、
図2、
このように発見した敵の「裏に回る」行動をします。
(これはスキップとは呼ばれません!)
(広い意味においてはスキップなのですが、スキップというのは「その敵を放棄する」ことなので動作は似ていても目的がまったく異なりますよ!)
図3,
追い抜いた1つ目の敵グループを背中に、次の敵グループを正面に。
さらに、2つ目のグループの周辺の敵も「ショート・プル」で引き寄せます。
最高のフォーメーションが完成!これで特大のエリアダメージを発揮できる!
高GRでは、原則的に、この構図を最初から最後まで継続するのが理想です。
移動中には攻撃ができないのでロス時間が発生してしまうのですが、まとめて攻撃できるので総合的には「2回の戦闘をやるよりも早く、2グループを倒せる」ということになります。
で、この状況で耐えきれない防御力だったら、不適切な狩場だということです。
複数エリートに耐えられないということは、単体エリートと戦うだけということになります。それはつまり、「マップ運で全てが決まる」という最悪な状況です。
■地雷プレイヤー
最初の敵を見つけた際に、正面から殴った時点で地雷プレイヤー確定です。プル/ドラッグの可能性を考えていない証拠です。GR開始数秒で判明します。
回り込みをしてから攻撃をした人は、基本を理解しているプレイヤーです。高GRで成績を残せる可能性が高いです。丁寧にプレイし、フレンドになっておきましょう。
特にZMonk。最初に遭遇したエリートに対して手前からサイクロンを連打して固定をしかけるZMonkは間違いなくnoobです。奥に回ってからサイクロンを使いつつ、次のエリートまで合流させようとするZMonkはゲームの仕組みを理解しているプレイヤーです。
ほんのわずかなことだと判断するのか、毎回のエリートごとに数秒のゲインを作れると判断するのか。そして最後のGR戦であと5秒足りなかった時に何を思い出すのか。GR戦になってからいくら頑張って操作しても、火力の理論値にはそれほど影響を与えません。道中での僅かなプルで何秒稼いだか?ということです。
バカなプレイヤーはRGが出てから必死になります。ゴール前で頑張ってもタイムは良くならないということを小学校の運動会で学んでこなかった人なのでしょう。試験前に徹夜をし、決算直前に泣き落としをするタイプなのでしょう。そういうタイプの人に正論を言っても無駄なので、一緒になってバカを楽しんだ方が良いと思います。RGが出てから何を言っても無駄ですし。
できるプレイヤーは最初のエリートの処理で数秒を稼ぎ、エリートごとに数秒ずつ稼ぎます。最後の最後で熱血することはありません。
「RGは2分かかるから、このタイムなら20秒くらい残る。RGのルーチン運が悪かったら負けるだけ。2回に1回成功すれば良いかな。パーティの雰囲気しだいで難易度を落とそう。」としか考えません。
■ドラッグ戦術
ドラッグ(drag)は今戦っている敵を、少しずつ移動させる戦術です。
この戦術は2つのケースで使われます。
- 更に多くの敵を巻き込み続けるため
- AoEダメージ軽減のため
(AoEというのは敵の出す範囲攻撃、設置攻撃です。Diablo3ではアーケインセントリー、毒、オービター、燃える床などです。)
高GRで特に重要になるのが「2」のダメージ軽減目的のドラッグです!
高GRにおけるAoEはその発生数もダメージも尋常ではなく、どんなに強いキャラでも死んでしまいます。もしくは死なないようにヒットアンドアウェイ戦術を使わなければならなくなり、効率が大幅にダウンします。(激戦を戦う!という緊迫したプレイングを味わえるという楽しさはありますが……)
GRの70程度であれば位置を固定したままでもヒーラーの回復力だけでどうとでもなるのですが、GR90+の世界になると、とてもじゃないですがヒーラーの提供する回復力だけでは他のメンバーは生き残れません。それを考えない不慣れなヒーラーは「自分は余裕だよ?」というエゴによって敵を固定し続けてしまいます。
そこで、同じ位置でAoEを受け続けないために、少しでもましな立ち位置に小さく移動する「ドラッグ」を行うわけです。踏んでいる床からのダメージが少なくなっていれば、攻撃し続けることができる時間が増えるということです。
なお、ドラッグが意味をなさない状況もありえます。そういう時は凝った動きをするよりも愚直に殴り続けて状況の改善を待ってから戦術転換を行うべきでしょう。この判断は非常に難しいです。パーティメンバーの判断がばらばらになると悲惨です。それまでの流れから考え、主導権を持っている人にあなたが合わせれば良いです。そうすれば他の人も「あー、そうするってことね。じゃあ合わせるよ。」となるでしょう。意見がぶつかった際、あなたが折れれば総意がまとまるかもしれません。まとまって一丸となって行動すれば、それなりの成果は得られるはずです。最悪なのはお互いの正義がぶつかりあって共倒れになることです。積極的に妥協しましょう。リーダーシップ(指導力)よりフォロワーシップ(追従力、補佐力)です。
■ヒーラーは神ではない!
ヒーラーとはzmonkのことです。モンクのサポートビルドのことです。
ダメなプレイヤーは高GRのAoE連打が来て死亡した際に「ヒーラーの回復力が低い」とか「ちゃんと重なってヒールしてよ」などと言いますが、ヒーラーは無敵の神ではありません。
離れた位置の複数のキャラをヒールする能力はありませんし、無尽蔵のヒール連打ができるわけでもありません!
Diablo3におけるヒーラー担当のZMonkは、同時にタンク職でもあります。ヒーラーとしての行動よりタンクとしての行動の方がはるかに重要です。
ヒールするために動き回ると、タンクとしての行動が薄くなり、敵がバラバラになってしまいます。その結果、敵が他のプレイヤーを追いかけてしまい、そのプレイヤーは逃げ回ってしまい、最悪の状況になります。
ZMonkはヒーラーである以上にタンクです!
自分の操作で生き残れない理由をヒーラーのせいにするのはnoobです。
以前のパッチでのヒーラーはゲームバランスを崩壊させるほどの激烈な回復力を提供できましたが、あまりにも強烈だったために弱体化させられています。その際には「ヒーラー終わったな」とか言われていたのですが、装備品の「ヘルスグローブによる回復力を高める」というセカンダリ性能に特化させることで、各種スキルのヒール能力を高められるように変更されました。たしかシーズン7あたりからこの仕様になったはず。
下画像、セカンダリ項目にあるHealth Globe ボーナスを上げておかないとヒール能力が低いままです。ボーナス無しでいくら連打してもヒールが追いつきませんよ!(パッチによるかもね!)
的確にビルドをすることで、ヒーラーはそれなりの回復力を提供できます。が、無敵化してくれるわけではありませんし、散らばっているプレイヤーすべてにヒールできる神でもありません。ヒーラー付きパーティに不慣れな人は「zmonkさえいれば無敵」かのように勘違いしているようですが……
「ちゃんと俺にヒールを当てろよ!」と言う人がたまにいます。まぁ、なんというか、そういう不満を他人にぶつけてくるプレイヤーは、ほぼ間違いなく地雷プレイヤーです。
「メンバーのライフ状況を監視しつつ、危険そうな人にヒールを当てる」スタイルのゲームではありません。ヒールのためにいちいちZが移動していたらどういうことになるのか分かってないんです。
ちょっとした移動によってダメージを減らす工夫や、ヒールを受けやすいようにあえてギリギリまで動かないことは大事です。