eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

パクる技術(1)

過去にさんざんレッスンで伝授しようと思っていたこと。でもどんなに工夫し、どんなに手を変え品を変えても、ほとんどの人に伝わらなかった技術。

技術と言いながら、技術については一言も書きません。

 

 

作曲家、アレンジャーの竹島さんがコライトグループ向けに書いている記事。 

ものすごく良い内容なので必読です。

cowritingfarm.hatenablog.jp

が、私もこれをいろいろな資料や解説スタイルで何年も説明し続けてきましたが、驚くほど相手に伝わらない。マスターできない人が圧倒的に多い。それどころか拒絶されることさえある。

ある人は根本的に能力が足りず、ある人はパクりだと毛嫌いし、オリジナリティを主張したがる。

 

奇しくも同じ今日、三枝成彰がインタビューでこんなことを言っている。

www.4gamer.net

それ以前の僕は,商業音楽以外はずっと現代音楽現代を作り続けてきたんです。ですが,あるとき石岡瑛子さん(アートディレクター,デザイナー)に,「あんた達のやっている音楽は誰も喜んでないのよ!」と言われてショックでね。
 確かにコンサートにも片手で足りるくらいしかお客がいない。そんなに喜ばれていないものを書いていたってオナニーだなと。

インタビュー記事ではこの発言の前後に関連する興味深い発言があるのでぜひちゃんと読んでみてほしいです。

下衆い大衆音楽があり、理解すら拒絶する崇高な音楽がある。そのハザマで生きながら、どっちの岸にどのくらい寄せるのか。

受け入れるにせよ拒絶するにせよ、その本流を知ることは大事なことなんです。

 

言うは易し。くれぐれも精神論ばかりを押し付ける「非音楽家」の吐く綺麗事に用心しつつ、人生を全うしたいものです。

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ある水準以上の人なら理解できるし、自分で掘り起こすことができる。でも、その水準に達するまでは相当の能力が必要なんです。

そういうのを伝える努力に私は心底絶望しています。

もちろんこれはあくまでも「他人を真似する時のコツ」なので、真のオリジナリティ、もしくは自己表現を目的とする人なら、己のスタイルを貫くべきです。

ていうかね、真似しようとしたってほとんどの人は真似にすらならないですよ。実際。「劣化コピー」と呼べるくらいのものが作れれば上出来も上出来、というのが現実です。だから恐れずもっと幅寄せして良いんです。

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