eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

コンプの使い方、の前に(3)ゲインリダクションの誤解

(かきかけ)コンプのパラメタとか覚えるより大事なことシリーズ。音を大きくするために使うのは正解なのですが、掛けまくれば良いってものじゃないです。コンプもEQも何でもできる夢のエフェクタではありませんよ、というお話を書いています。

(2021年1月9日更新) 

 

 

 

 

 

まずはgif画像アニメで。

 

適切なゲインリダクション(GR)

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コンプの適切な使い方はポンポンとゼロに戻る範囲です。

これを超えると普通のコンプの使い方ではなくなってきます。

 

よく「GRはいくつ程度」という説明をしている人がいますが、間違いです。

コンプのパラメタの正解は「GRがゼロに戻れる範囲」です。

 

無理な設定をするとこうなります。

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ゼロに戻らず、常に深いGRが掛かっている状態です。

確かに大きな圧縮を得ることはできますが、入力直後に「パチッ!」と大きな音が鳴ってしまします。

コンプ1つだけで「欲しい音量」まで行こうとするとこういうことになります。

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別の画像で見てみます。

 

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「パチッ!」が終わった後は、求めている音量なのでOKです。

これを解決しようとするとアタックタイムを速くするしかありません。

それをやると、当然アタックが極限まで速くなり、潰しすぎた音になってしまいます。初心者にありがちがなミスです。

「パチッ!」を消すことと、欲しい音量の両方を満たすためにはコンプ1つだけだと、よほど音素材と相性の良いモデルを選択しなければなりません。音素材を作る時点で先々を考えていないとこういう状況に陥ることがあり、打開するのは結構大変です。これは録音物でも打ち込みでも同じです。

 

音を出しっぱなしで長時間のコンプ調整作業をしていると、この「良好な部分」しか聞こえてこないので、ついつい正しいように聞こえてしまいます。

元の音が適切なら普通にコンプを使うだけで良いのですが、なかなかそうはいきません。コンプは万能ではないんです。

■視覚的に練習する

標準的なコンプでできること、できないことを学ぶ必要があります。

eki-docomokirai.hatenablog.com

 

緑が入力音、青が出音です。

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アタックで処理しきれていません。ボディ部分は良好とします。

 

突出を解決しようとして、「アタックを速くした」悪例・

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確かに音量は整いましたが、アタックが死んでいます。コンプを掛けすぎた状態。

この状態になってしまう人が非常に多い、というお話です。

 

■多重コンプの出番

作りたい音量と、アタックの突出防止。

この2つの要求を満たすためには、多重コンプを使い、少しずつ音量を整える方法を使うべきです。

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コンプ一発でやろうとするからダメなんです。 

コンプ一発では絶対にできない処理があるんです。

コンプ一発でやるためには、そのコンプが好きな音を用意してあげなければいけません。

 

■エフェクタが「食べやすい状態」にしてあげる

このことが示唆するのは、エフェクタは「欲しい音を作ってくれる夢の道具」ではなく、「エフェクタが求めている音がある」という事実です。

 

これはコンプやリミッターに限ったことではありません。

あらゆるエフェクタは「入力音に何かを足し引きする」だけの単純な装置にすぎません

この考え方は絶対に忘れてはいけない、ミックスの鉄則です。

 

無茶な使い方をするから変な音になるんです。

で、「良いエフェクタを買わなきゃダメだ」「買えば解決する」という考えに陥るんです。

たとえ付属やフリーのプラグインでも、そのプラグインがどういう音を求めていて、どういう加工ができるのかを熟知すれば、何も問題ありません。

道具には想定された使い方があるということは絶対に忘れないでください。

 

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拙著『Electri6ityの教科書』というギターシンセ本の中でも「アンプが欲しがっている音を入れてあげる」というお話を長々と書いています。

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