某所用資料。せっかくなので公開しておきます。
(2020年10月19日)
■作例動画
・言いたいこと
イメージ先行による良くある誤解、「クラシック、オーケストラの演奏は常にテンポが動く(はず)だから、テンポ情報はすべて傾斜が良い」 に対する反論の資料です。
テンポ情報は状況に応じて傾斜とスタティックを使い分けるべきです。
同時に、演奏内容(MIDIデータ)を調整するべきです。
さらに言えば、テンポよりも重要なのはフレージングの処理です。
フレージングは主に2つの要素で作られます。
- 音量の遷移
- フレーズ末の長さ処理
それらを無視してテンポ情報の見た目だけを談義するのはナンセンスです。
・これは何ではないか?
この作例のテンポ情報は「指揮者・奏者が感じているテンポ」ではありません。
指揮者が事前に指示を出すキュー情報でもありません。
・これは何か?
音楽が時間軸に沿って演奏される際、音符ごとの演奏時間がどのように扱われるかの作例です。
例えば、tuttiのritaldandoで全音符が演奏される際、その全音符の中でテンポ情報が減速する必要はありません。必要とされる「実時間」だけ音がのびていれば目的は達成できます。
・言い訳
この演奏テンポは私個人の好みとしてかなり入念に制作されています。なにかの抽出データではありません。制作の初期段階では手動で抽出した仮のテンポ情報を作ることがありますが、シンセサイザーの発音特性などに対して最適化するため、最終的には全て自作しています。
実質的に無意味なテンポ情報も多く書き込まれています。
逆に言えば、削除する必要が無いデータなので放置しています。
データを美しく見せるための制作ではないからです。