なんだか分からない人は「48/24で大丈夫」とだけ覚えておけばOKです。確かな知識がある人はお好みの設定でどーぞ。ただし、制作作業中には絶対に変えるな!
(2023年1月18日更新)
(Twitter等、サムネイルの少ない文字数のためにタイトルを短くしました。)
- ■これだけ覚えよう
- ■作業中には絶対に変えるな!
- ■手軽な作業ではない
- ■概要
- ■言ってるのは私だけじゃないのでご安心を
- ■(追記)環境によっては設定を変えないほうが良いです
- ■48kHz、24bitで作業を開始しよう
- ■ハイレゾについて
- ■蛇足
- ■その他、付随
- ■関連記事
■これだけ覚えよう
サンプリングレートは48/24でOK
ただし、
製作作業中には
絶対に変えるな!
はい。終わり。ブラウザを閉じて曲作りに戻りましょう。
その曲が終わったらまたこの記事を読みに来てください。
■作業中には絶対に変えるな!
たとえばこういう感じの作業です。
大規模になるおそれがあります。
サッと終わることはまずありません。
昨日、いつのまにかWin&Cubaseが44.1kHzになってて作業中に48kHzに変更したらハマって戻したわw
— ぐほん (@guhon) 2023年1月18日
ビットレート設定は48/24でOKhttps://t.co/pKpgdyAYiP
もし変更したいなら、入念にバックアップを作ってからにしましょう。ていうかやめとけ。
(ブログ編者強調)
■手軽な作業ではない
主に以下の4つの作業が発生する、と覚悟してください。
- PC(OS)の変更
- 接続機器の変更
- DAWの変更
プロジェクトファイルの変更
DAW画面でポンと変えて終わることはまずありません。
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以下、詳細。
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■概要
この記事は作家向けのシンプルなお話です。
- プロジェクトは「48/24」
- 2mixも同じ「48/24」で書き出し
- 最終マスターは「441/16」
とだけ覚えておいてください。
これ以上の知識を得ようとするより、作家なら楽器1つについてなにか1つでも覚えた方が良い曲に直結します。
48/24の根拠は441/16の1段階上だから、という単純な理由です。
作家にとってこれ以上の知識は無価値です。
(これ以上のことを実務で役立つレベル以上に知りたい人は、気合を入れて勉強しないと無意味です。)
■言ってるのは私だけじゃないのでご安心を
当ブログのような田舎音楽家が言ってるだけではありません。
毎度のように「カイガイ様もこう言ってるよ」という補強目的で引用をします。
大手AIマスタリングスタジオのLandrもまったく同じことを言っています。
For most producers. 24 bit, 48 kHz audio is a good balance between audio quality and file size.
But if you find a higher sample rate sounds better to you, go for it!
「48/24はバランスが取れています。さらに高品質を試してみたい人はお好きにどうぞ。」(超意訳)とのこと。
現代のDAWではもっと高品質にすることが可能ですが、無駄にストレージを消費し、ファイル受け渡しに無駄な時間がかかります。結局は441/16でリリースされることがほとんどなので、スーパーハイレゾ音源を確実に確認しつつリリースする人以外は48/24で十分です。
■(追記)環境によっては設定を変えないほうが良いです
サンプリングレート等は「OSの」「AIF(オーディオインターフェース)の」「DAWの」を一致させておくことが必要です。
DAWだけポンと変えると、OSとAIFが不一致になるので、発音不良が起きます。
サンプリングレート変更はかなり重大な変更なので、各種機器を起動したままだと設定がうまく反映されないことがあります。思った通りに行かない場合は、面倒臭がらず全て再起動してみてください。
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先日レッスン関連談義で48/24にさせようとしたら不可能っぽかったので追記しておきます。
環境によっては16bitしかできないことがあります。これはどんなに工夫しても絶対に突破できません。お使いの機材の限界です。
試しにやってみておかしかったら元の状態に戻しましょう。
戻す際にはPC全体の再起動をマメにはさみましょう。
同様に、ハンパな機材環境では96等のいわゆる「ハイレゾ制作環境」には絶対にできません。機器の処理能力に依存する部分のある話です。
とはいえ、今どきのDTM機材ならエントリーモデルでも48/24は可能なものがほとんどです。
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というわけで以下本文。
■48kHz、24bitで作業を開始しよう
主にCubaseを対象とした話です。
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製作中にサンプリングレート等を変更すると思わぬトラブルが発生します。
必ず最初に設定しましょう。
もし変更したいなら、入念にバックアップを作ってからにしましょう。ていうかやめとけ。
もし今作っている曲は他の設定になっているなら、そのまま1曲終わらせてください。次の曲から48/24で仕切り直しましょう。
Cubaseのプロジェクトを設定で44kHz→48kHzに変えたらwavが再生できなくなるしYouTubeの動画の音声が出ないし、初見殺しの何かをやらかしてしまってるんでしょうか?´・ω・`;
— ほたか (@hotk0aa0909) 2021年10月26日
ほたか 氏が製作中だったのかどうかは分かりませんが、このように自力で修復の道が見えずに試行錯誤に追い込まれてしまうこともあります。
スケジュールに「サンプリングレートを◯◯に変える」とメモしておいて、時間が取れる時落ち着いて実行しましょう。まじで。
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・設定変更箇所は『プロジェクト設定』
ここ。
1,Cubaseのプロジェクト設定画面。
2,オーディオ書き出し時の設定画面。
作業中の一時バウンス、2mixも48/24で十分。
書き出し時はiXMLチャンク等はオフにします。(通常の音楽制作では必要無い機能ですが、デフォルトではなぜかオンになっています。Cubaseの初期設定がクソな理由筆頭です。)
最終的に完成品(マスター)を作る時は441/16にしましょう。
作家はこれだけ覚えておけばOK。
マスタリング屋さんやハイレゾ仕事をやりたいならちゃんと勉強しましょう。
■ハイレゾについて
あなたの仕事の性質上、過剰なハイレゾマスターが必須になる場合のみ、過剰な設定にしましょう。ハイレゾについての賛否はノーコメント。
過剰な品質のデータは送受信に時間がかかります。数分で終わるダウンロードが数時間に及ぶことさえあります。(先日のレッスンデータでそういうのがあったのでこの記事を書いた。)
・書き出しで音が変わります
私達がDAWで作業中に聞いている音はすべて限界ハイレゾです。
32floatや64float等の超高品質で作業をしています。
それを書き出しすると、48/24や441/16の低品質になります。
なので、書き出し後に音が変わって聞こえるのは当然です。
・書き出し後の音が「ぜんぜん違う」場合
書き出し後にありえないほど音が崩れて聞こえるのは、DAW作業中にハイレゾで聞いている最中にトンチンカンな設定をしていることが原因です。根本的な知識不足なので、スキル向上が必要です。「普通のミックス技術」で「普通のプラグインの使い方」をしていれば、大きく崩れるようなことは絶対にありません。崩れるのはプラグインを極端な使い方をしていることが多いです。
例えて言うなら、PCで文章やイラストを制作し、紙に印刷したら「なんか色が違う」となってしまうのと似ています。(あまり良い例えではありませんが)
具体的に例を挙げると、極度のリミッタ、ハイ上げなどをしているものは、書き出し時の影響を極めて強く被るので、ド素人が聞いても絶対分かるレベルで音がおかしくなります。
この問題はどんなに高品質なAIFを買っても、高品質なプラグインを買っても問題は絶対に解決しません。もしあなたにアドバイスしてくれていた人が「AIF買えば解決」と言っていたなら、その人との音楽的な付き合いはやめるべきです。友達のままでいましょう。
なお、DAWで製作中に聞こえている音はすべてハイレゾなので、書き出し(41/16等)すると多少は音が変わります。必ず変わります。それを100%防ぐ手段はありません。
こういう問題との付き合い方は、極めて広い範囲で総合的なレベルアップをしていかないと解決は不可能です。DAWの使い方、プラグインの性能把握、使用しているアナログ機材、AIF特性、AD/DA変換などなど。「今の実力じゃこんなものだろうな」と諦めて、学びを継続していくしかありません。
・CGの拡大縮小だと思えばOK
CGイラストで言うと、「巨大な画像を小さく出力したら細部が潰れた」「文字が読めなくなった」ことと全く同じ問題です。小さくした状態でどうなるかを想定していない絵は使い物になりません。根本的なデザインを変えなければ問題は解決しません。優れたデザイナーは印刷後の仕上がりまでを考慮して設計を行うものです。
近年これが大問題になったのがこれ。
RT
— キルワサ、ウドンハオカズ (@ayonagike) 2020年2月10日
アクタージュカラー以来自分も本誌買ったんですがこんな感じですか
本誌で見えづらいのは命に関わるぞ#魔女の守人 #wj11 pic.twitter.com/PjPwfp27Tu
問題の画像を抜き出すとこう。
デジタルデータ販売用の漫画作りに特化しすぎてしまい、実紙に印刷したら悲惨なことになってしまっています。これに気が付かない出版社側も含めて、非常に大きな問題となっています。
音楽でも安易なマスタリングがCDに収録された結果、音割れしまくった商品もありましたね。
■蛇足
なんだか分からずに「最高品質にしたいから32フロートにしてる」という人はほぼ例外なく底辺アマチュアです。まともに曲も作れないのに「さいきょうそうび」の知識だけあるタイプの人です。
何のためにフルスペックにするのか、明確に説明できないなら必要ありません。
■その他、付随
以下、読まなくて良いです。
・略語について
ネットには些末な揚げ足取りを好む人が多いですね。言い方と変えれば、極少数の人の声が大きい「ラウドマイノリティ」です。
こういうブログを書いていると、たまにどうでも良いレベル指摘をしてくる人がいるのですが、誤字脱字なんて本当にどうでも良いんです。
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この記事では意図的に雑な書き方をしました。
「48/24」「441/16」という雑に省略した呼び方をしていますが、こんなものは略語で十分です。
また、「24/48」「16/441」「4416」「16/41」などのてきとーな呼び方をする人がいますが、そういう点に注目して『プロなのに言い間違えるなよ』と指摘するのは真性阿呆のやることです。私の経験上正確に「44.1キロヘルツ」と呼ぶ人は少数派です。デジタルオーディオ話をしている場なら「16、24、48、44、44.1、441」という数が何の数字なのかは明白だからです。
より厳密な表現が必須になる場面では相応の言い方をしていますのでご安心ください。3文字で言うとTPOです。
同様にdBをdbと両方小文字で書く人もいますが、慣れてくると適当になるものです。当ブログではできるだけ丁寧に正確な表記をするように心がけていますが、校閲編集が入っているわけでもないので割と適当です。そういう些細なことをつまみ上げて「あのブログ書いてる奴は単位も正確に書けないド素人だから読むに値しない」などと言っている人がいたら、そいつの方がド素人です。まずそういう人をシャットアウトするのが情報収集と人脈作りの第一歩です。
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