スペクトラムアナライザーについての記事は過去にさんざん書いたのですが、改めてちょっとだけ書いておきます。
(2020年7月14日)
■経緯
某所でアマチュア外人さんの「ローカットどうすんの?」という話題があって、彼の作っていた音が典型的な大間違いをやらかしていた。せっかくなのでブログ記事のネタにする。あえてリンク無し。
「耳を使え」は正しい。
でもみんなの耳が訓練されているわけじゃない。そもそも爆音で重低音をいつでも鳴らせる環境の人は少ない。だったら人間の最強の感覚器官「目を使え」の方がスマートだ。
でも「目を使う」なら、ちゃんと準備をしなきゃいけない。
準備を怠るとこうなる。
エピック、トレイラー風の音楽にもかかわらず、70Hz以下がロールオフしている。
もう一瞬聞いただけでローが足りないと分かるレベル
サブローが強く鳴る場面も50あたりで途切れる。
トレイラーの一番最後の音によくある「ズーン……」という終わり方も50で途切れる。どこかで見聞きした「しっかりローカット」だけを実装してしまったんだと思われます。
下は同じ部分をSPANのデフォルト状態で表示した場合。
まぁこれを見れば切りたくなるのも分からないではないけれど、それは絶対に間違っている。
初期設定のスペアナを見て、その見た目通りに低域を切るのはダメ絶対。
なお、このトレイラー曲は結構良く出来てた、と書いておきます。
・似たような例
こっちはハードコア系。
止め絵1枚だけ出してもあまり意味は無いけれど、あえて出しておく。
60あたりからロールオフしてしまっている。
それが原因で低音の迫力が欠けてしまっているのを、60あたりのキックを上げて表現しようとしている、んだと思われる。
もうちょい重心を低くして、過剰な60を控えるべきだと思います。
こういう「ベースの基音やキックの低音を大きくしすぎる」作例は結構多く聞きます。別の帯域で存在感を高めて、「キックやベースは下でしょ?」というイメージ先行のミックスをやめるべきです。
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