eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

プリマスターのグループバスを作る意味

音楽作家向けのDAW話です。この一見無意味なグループバスを作ることで様々な作業が効率化します。

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(2021年8月6日更新)

 

 

プリマスターの意味

呼び方は様々ですが、私は「マスターアウトの手前」とだけ定義しています。違う呼び方をする人もいますが、「最終出口の前で一度まとめる」という点はみんな同じです。

・別職種における「プリマスター」の意味は違う

先にツッコミ予防線をはっておきます。

 

いわゆる音楽制作のフローにおいて、「プリマスター」はマスタリング工程で使われている用語として知っている人の方が多いでしょう。

でも、扱う仕事が違えば、言葉の意味も違ってきます。

作家とエンジニアの用語の違いです。

農家とシェフが使う用語の違いです。

 

どっちが正しいとか、お前のギョーカイは俺のギョーカイの用語に従うべきとか、そういう話はお酒を飲みながら討論して「表に出ろ!」という男らしい方法で決着をつけるのが老害のベスト解決法でしょう。傷だらけで朝日を眺めればきっと仲良くなれます。

「カッティングはマスタリング用語だ。ギタリストはカッティングという言葉を使うな!」とケンカしても無意味です。単語は単語でしかありません。

 

この記事で扱う「プリマスター」は、いわゆるDTM作業者が、作業中に用いる用語でしかありません。だから本人以外が見聞きすることは皆無です。家の外に出ていくのは2mixかマルチ(パラ)なので「プリマスターも納品してください」ということは絶対にありません。

 

ツッコミ予防線をはったところで、本題へ。

■全てをマスターアウトに送るのは間違いである

国内DTM情報で「マスタートラックに送ります」「マスターアウトにリミッターを」とか言っている人がいますが、そのやり方だと先々まで非常に非効率的です。

そりゃ最終的に全てはマスターアウトに出ていきます。だからと言って、ギターをマスターに直結するわけじゃないです。そういうやり方をしているから、リファレンス比較の作業もままならないんです。リファレンスをやらないからミックスが終わらないんです。

そもそもデジタル環境の最大のメリットは自由なルーチングです。アイディアしだいで様々な活用ができます。

古典的なミックスの手順に従う必要はありません。

■どう使うか?

プリマスターもリファレンスも出力先がStereo Outであることに注目してください。

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この状態でStereo Outを加工すると、すべての音が加工されてしまいます。

 

よくある作業手順として、「製作中の曲を、リファレンスに近い状態まで音圧を上げてチェックしたい」というものがあります。その場合、音圧を上げたいのは自作曲(プリマスター)だけです。

もしStereo Outに仮のマスターコンプを入れたらリファレンスの音量も上がってしまいます。当然ですね。それを避けるために「自作曲だけ加工」したい時に、バスでワンクッションおくわけです。

プリマスターを複数用意する

全楽器→各バス

プリマスターA→任意に分岐

      (A→プリマスターB無加工 →マスターアウト)

      (A→プリマスターC音圧上げ→マスターアウト)

いったんまとめるA、分岐先にBとCを用意。

必要に応じてA→Bか、A→Cを切り替える。

「Bはピュアな2mix」「Cは仮マスタリングエフェクト済み」の音でチェックできる環境になります。

 

・マスタリングパターンを複数用意しておく

同様のルーチングはマスタリングでも使えます。

何種類かのエフェクタスタックを用意しておいて、どのスタックにつっこめば良い感じになるか?というラフ仕上げテストが容易になります。

曲1つ1つに対してインサートするのではなく、すでに用意済みのバスを通す、ということです。

 

・変なリファレンス方法

2つの曲を左右の耳で聞くのだ!

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勘の良い人はどういう使い方なのかすぐ分かったはず。

分からない人はレッスンへどーぞ。詳細に説明しています。

 

■単純な効率化ルーチンとして

全体をちょっと下げたい時にも一発です。

リミッターに掛かりすぎてどうにもならない時など、一瞬で最適化できます。

もちろん通常の方法でもリミッターの手前にレベラー(※)を挟むことでも可能ではあります。

(※レベラー。音量変えのみを目的として使う。音が変わらないエフェクタなら何でもOK。レベラーというエフェクタがあるわけではなく、用法に対する呼称。例えばCubase付属のEQについているアウトプットを下げるだけでも良い。)

■マスタリング用のオートメ場所として

フェードアウトを書く場所にできる。

管理が煩雑だと思うなら、プリマスター1の後ろのフェードアウト専用のグループバスを作っても良い。

わざわざマスタリング用のプロジェクトに移動する必要が無くなります。

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