"Far Beyond The Sun"トランペットソロの制作話。
特に面白いことは書いてありません。
(2020年4月3日)
■Youtubeでどうぞ。
Youtube本家で再生し、ループ再生しつつ記事を読むのが良いと思います。
楽譜販売はこちら。
https://askswinds.com/shop/products/detail/3474
■MIDI打ち込み
省エネ制作です。
大した面白い内容ではありません。
・トランペットの打ち込み
TrpはVienna。
情熱的なスパニッシュ系トランペットっぽい演奏を狙う。ビブラートは魂。
主にLegatoサンプルを使い、アクセントにStaccatoをレイヤー。他、冒頭などはStaccato、強奏にSustain。
Viennaなのでベロシティはベタ。ただしCC7は常時。
ビブラートは長い音に対してPBを1小節だけ手書きし、それをコピペ。
状況によって増幅・縮小してる。Cubaseのコントローラーハンドルはとても便利。
トリルはPB。
一部、クセ付けのためにPBでしゃくる。
オルタネイトフィンガリングの箇所はピッチをガタガタにして表現した。
・フレーズのヒューマナイズ
ランダマイズではなく「ヒューマナイズ」の処理。
1分~
下降して大きく上跳躍で戻る箇所。
金管楽器にとって鬼門となる「倍音の飛び越え」なので、フレーズを端折って演奏し、少し隙間をあけて戻す。
1分55秒~
最低音に潜る箇所で音を曇らせる。
極端にCC7を落として暗い音にする。
普通に打ち込みをするとどの音域も均一に鳴りすぎるのでリアリティが無い。
・トランペットのCC7
CC7は用法を分けている。
- フレーズの大きさ
- フレーズ内の起伏
- 音域による音色差の表現
- 末端処理
作業をカテゴリ分けすることで統一感のある内容を素早く作れる。
まず曲想を考え、フレーズごとに大きさを決める。
その後で起伏を付ける。
音域による聞こえ方の違い、フレーズ内で使用される音域幅によって、同じ音程でも違うニュアンスになることを配慮する。要するに高い音は大きく輝かしく、低い音は小さく曇った音にする。
最後に末端処理をするが、綺麗に>の字に閉じすぎると作為的な音がするので、あえて雑にブツ切りにする箇所がリアリティを生む。
■ピアノ
Pianoteq、Steinway D。
エフェクト等は無し。
リミッタ無し。
Dynamicsは狭く。
出力は一番素直な音のSound Recordingで。
ベロシティは全ベタの後に5段階くらいに分類。必要な箇所のみ傾斜などを加工。
デュレーションを全部短くしてからキーオンをランダマイズ、必要な箇所のみ長くしていく。
ベロシティのランダマイズはMIDIエフェクトでやることもあるが、今回はMIDIデータを直で加工してランダマイズ。やってもやらなくても大差ないが、なんとなく手癖でポンポン押した。
ある程度できたところでPianoteq側のベロシティキャリブレーションを整えて終わり。
キャリブレーションを先にやることもあるけど、5段階とかで「汎用データ的」に作っておけば、後からキャリブレーションをやっても問題無い。慣れ。
というか、そもそもそれほど繊細な内容じゃないので雑に作った。
あまりにも制御しすぎると、作為的になってしまうので、汎用データっぽく作った方が逆にリアリズムが出るとも言える。
Viennaのレガートパッチは勝手に前後の音に反応しておかしな演奏をすることがあるので、反応させたくない時はデュレーションを明確に切っておく。
Sustainパッチが露骨に分かるのは1分15秒からの強奏部分。もともとのサンプルがノイジーなのはどうにもならない。
■トランペットのエフェクタ
まずMeldaの標準コンプで音量のみ制御する。
スクショは冒頭の「タタタターン」の長い音の強奏部分。
右端の「R」はリダクション。見ての通り、もともとの入力音量が小さいので、強奏でもリダクションはそれほど掛かっていない。
MeldaのTurbo Compで色付けしつつ、アウトプットレベル上げ。
MA2A(LA2Aエミュ)でかなり強めに色付けする。
リバーブは付属IRで50%。
リバーブ内のEQで大幅にカット。
リバーブ後にMeldaのユーティリティでモノ化しておく。
後でピアノと合流した後でもう一度ホールIRをかけるので問題無い。
■ピアノのエフェクタ
音源側のキャリブレーション。
リミッタ無し。
Dynamicsを狭くする。
ホールIRのみ。これもEQをかなりカット。
■ミックス全体
トランペットとピアノをまとめて、そこでもう一度ホールIR。
MeldaのTurbo CompとPSPVW2で色付けしつつトータル音量を決める。
リミッタとしてL316。
ぶっちゃけ雑です。
もうちょい全体的にローを切って良かったかなと思います。が、販促用なので暑苦しい音でも良いと思い、あえてこの状態でヨシ!としています。綺麗に処理しすぎるとシケた音というか、打ち込み感が浮き彫りになると思ってる。
■仕上がり
波形表示でこのくらい。
解析表示。
ラウドネスでおよそ-14。
正直、室内楽ソロとしてはかなり大きいけど、販促用の参考音源なので聞こえやすい方が良いでしょ?
■関連記事
その他、曲本編の話は下の記事でどーぞ。
eki-docomokirai.hatenablog.com