センセーショナルだったAddictive Drumsも、その後いろいろなドラム音源が登場し人気は下火。でも要塞化することでまだまだ使えます。
AD1でもAD2でもやり方はほぼ同じです。
(2021年2月18日)
■Addictive Drumsのポテンシャルを最大に発揮する方法
この記事に書かれている方法で、8タム、8シンバル、2ハイハット、2スネア、2キック、2トリガーを1つのMIDIトラックで制御できます。
ピースごとにトラックを全て分ける方法もありますが、そのやり方ではクリエイティブになれません。
やろうと思えば3つ4つ同時に使うことも可能です。
キャノンタム(オクタバン)が欲しい場合や、パーカッション小物を追加したい場合には効果的です。
■やり方
MIDIトラック1つからMIDIセンドで複数のラックインストゥルメントを操作します。
以上。
何言ってるのか分からない人は以下参照。
・ラックインストゥルメントでADを複数立ち上げる
右クリックして「ラックインストゥルメント」でADを2つ立ち上げます。
近年のCubaseの作法はは「インストゥルメントトラック」でMIDIシーケンサートラックと同時にプラグインインストゥルメントを立ち上げる方法です。
が、今回は昔ながらの「MIDIトラック」と「ラック」を使います。
・MIDIトラックにラックを接続する
MIDIトラックを追加し、左のインスペクタを開き、1つ目のADを接続します。
・MIDIセンドを接続する
同じトラックでMIDI Sendを開き、オンにします。
接続先は2つ目のADです。
・センド側の音が鳴らない場合
環境設定>MIDI(一番上の)>「MIDI Insert/Senes 経由で試聴」をオン。
この設定をしていないと、ピアノロールを叩いてもSend側が鳴りません。(曲再生時にはこの設定と関係なくすべて発音されます。)
ソロボタンを連動したい場合にはチャンネルリンクを使うのが一番スマート。MIDI演奏用のトラックと、発音用のプラグインを全て一括でソロ・ミュートできるようにしておけば絶対に大丈夫です。
古いバージョンのCubaseだと、この辺の作法が少し違うので模索してみてください。
これでOK牧場!
・Addictive Drums内、キーマップの作成
ADの右上にある環境設定に入り、キーマップを設定します。
マップ設定例は以下のようになります。(昔のセッティング時のメモ用スクショなので、今は若干異なる設定にしています。)
気合で作りましょう。
・キーマップのダウンロード
2018年に使っていたAddictive Drums(1)用のvstpresetを配布します。
Addictive Drums1_twin_2018_03_1.zip - Google ドライブ
昔のデータなので上画像とは若干違います。
AD2だと一部使いにくいかもしれないので、お好みに応じて再調整してください。
※Cubaseの「ドラムエディター用の定義マップ」はありません。(私は全部キーエディタでやる人なので。)
・キーマップ設定のコツ
いろいろ列挙しておきます。
キーマップはこまめにプリセット保存しましょう。(まずプリセットの保存方法をちゃんと確認しておいてください。)
プリセット名は「年月日+A」「同+B」のように明確なものにしておくべきです。
まず適当に作ってみます。
一発で完璧なキーマップ設定ができると思ってはいけません。
1曲作りながら煮詰めていきましょう。
仮のフレーズを打ち込み、ピースの音程やミックスを整えます。
タムは互い違いにすると使いやすいです。
(Aのタム1、Bのタム1、Aのタム2、Bのタム2~)
タムの音程を整えるために、仮フレーズを打ち込んでおいて、リピート再生しながらピッチとリリースをエディットしましょう。
スネアとハットは1つのピースで奏法をまとめると良いです。
違う設定の音が混ざると直感的に扱いにくくなってしまいます。
HHフットストップは同じ音程に重ねると便利です。
全てのキット/奏法を無理に突っ込まない方が使いやすいです。
ベロシティ・センシティビティは奏法ごとの指定ができません。
どうしてもセンシティビティを分けたい場合には、ピースを別にする必要があります。例えばSD/HHをラフ制作用と、繊細な演奏用に分けるなど。
オクターブごとのC音程を境目にカテゴリ分けをすると把握しやすくなります。完成してから上画像のように隙間を詰めていきましょう。
アンビ設定は可能な限り同じにするべきです。
GM対応や他のドラム音源への差し替えは放棄するべきです。
数曲かけてキーマップを進化させていくものなので、過去曲を頻繁に手直しする人には向いていません。
■まとめ
複数のADをMIDIセンドで鳴らすだけなら簡単です。
が、最大の問題はキーマップの自作です。
一度作っておくとものすごく便利なドラム音源に進化するので、暇な時に組み立てておくことをおすすめします。