eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

Cubase。3連符で書いてしまった内容を6/8系にする

製作中によくあるミス。主に耳コピ作業で稀に良くやらかすアレ。

(2019年11月22日)

 

■単にストレッチを使えば良いだけの時代

珍妙な機能を使う必要などまったく無い。単にストレッチ機能を使えば良い。

・3連符系の状態

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・ストレッチする

元のリージョンの終了位置が64小節アタマなので、*1.5=96小節アタマまでリージョンをストレッチする。

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ロジカルでやっても良いし、ツールでやっても良い。

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個人的には圧倒的にストレッチをおすすめしています。なぜならストレッチはワンショット効果音の製作などで頻繁に使うから。

 

結果はこうなる。

上がストレッチ前。下がストレッチ後。

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内容を確認。3連符が8分音符になった。

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拍子を直そう。

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できあがり。どんなに遅くても数分で終わるはず。

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・注意点

リージョンを細切れにして打ち込むスタイル(フレーズ単位で作るスタイル)の場合は不可です。

こうなる。

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リージョンの開始位置と終了位置をそれぞれ合わせてストレッチした場合にはこうなる。

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そもそも拍子感を変えるというのは、Cubase的にも音楽的にも想定された使われ方ではないので気をつけましょう。

 

■なぜ三連符系ではNGなのか?

「別に楽譜で出すわけじゃないし、DTMで演奏してるだけだし」と思う人はいるかもしれない。

が、アイリッシュダンス系だったらどうすんの?

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譜例は『リバーダンス』の抜粋。

「6/8系の8分音符」=「4/4系の8分音符」として目まぐるしい拍子変化のある曲の場合には、シーケンス上の8分音符を常に等しく扱えないと曲が単調になってしまいます。

上のを3連符でやると、2小節目で3連符の長さで8個やって次の小節に繋げなければいけないので破綻してしまいます。設計って大事ですよ。

www.youtube.com

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6/8、4/4の繰り返しの場面。これも最初に三連符を使ってしまうと拍子感の変化に対応できないのでアウト。同じ音価のまま多彩なバリエーションを出せる記譜をしないと単調になってしまう。

『リバーダンス』はアイリッシュ系音楽のブームを巻き起こした重要な音楽なので、それ系をやるなら劣化コピーされたゲーム音楽等ではなく、ちゃんと本家を聞くべきだと思う。マニアックな音楽ではないはず。

・古典的なアイリッシュ

とはいえ、『リバーダンス』なども厳密なジャンル分けをすれば「ポップス化されたアイリッシュ音楽」となる。世界戦略を視野に入れてウケの良い味付けがされている。

もし本家本元の民俗音楽としてのアイリッシュを知りたいなら以下をどーぞ。

 

死ぬほど綺麗にまとまった記事を書いている人がいるので正座して読もう。

www.irish-fiddle.net

記譜では均等な8分音符で、時折装飾的な3連符が入るスタイルが多用されていることがわかるはず。

 

なお、記譜はあくまでも便宜的なものです。てきとーに音を追加し、変化させつつ演奏するのが本格アイリッシュ

また、いわゆる「スイング」した演奏が多用される。このミニマムな部分についてはDTM的には3連符で扱った方が良いけれど、上述の通り拍子感覚にまで影響させないほうが利便が良いということです。

 

その辺についても死ぬほど丁寧に解説されているので土下座しながらもう1つ読もう。

www.irish-fiddle.net

普及レベルでやってる人は本当に偉い。出し惜しみの無い素晴らしい内容だと思う。

 

ともかく、こういう本家本元のアイリッシュ音楽を音符で表現する際にも、3連符系で書かない方がよりスマート装飾音をねじ込みやすいということがよく分かる。

 

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・付随事項

3連符系の修正より頻出するのが2倍(半分)にする修正。

これも3連符直しと同様にやる。*2(/2)した小節数にすれば良いだけ。

 

昔はこういうのを一発で編集できなかったので地獄のような全修正作業を強いられた。

その際に便利だったのは、2倍にする場合は「最後の小節から順にやる」「リージョンを細切れにする」という方法。絶対にやってはいけないのが曲のアタマから加工する方法。

長さを半分にする場合はアタマからやって問題無い。

 

マーチの楽譜などを伝統的なアラブレーベのスタイルで書きたい時や、異様にテンポの遅い曲の楽譜上の表記を変える時にこういう作業が必要になる。

 


・できないこと

ツールではリージョン内の特定の音符群だけをストレッチすることはできない

こういう場合にはロジカル(マクロ)が必須。

 

やり方は拙著『Cubaseカスタマイズの教科書』に書いてあります。頻繁に使う人はぜひロジカルの習得を! 

eki-docomokirai.hatenablog.com

その他にも様々なロジカルの使い方や環境設定方法について役立つ内容が満載です。 

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