宣伝広告を、見た、入れた、試して消した。ちょっと残念なフリーエフェクタの話。
■入手
BitsonicのViolent Stereo Imager Lite。
https://vstplug-ins.com/stereoimagerlite.html
■ステレオ幅ツールではない
Violentは「MidとSideの音量を変える」ツールです。
「幅の聴感をコントロールするツール」ではありません。
触れ込みだけを見て試してみたのですが、私の制作には必要ないツールでした。せっかくなのでブログのにぎやかしのためにレポートを書く。
■視覚表示で計測
まず、素通しで音が変わりすぎるのが難点。
緑がスルー音、赤がエフェクタを通した音。
もうちょっと丁寧に作って欲しいものです。これでは他の有料製品への興味も薄れてしまいます。
・計測
上下加工せず、バンド帯域のみ動かすとこうなる。
SPANでの表示。バスバンドのみ。
フィルタ角度は24dB/oct.程度ですが、M/Sアイソレーターとしてもなんとも微妙。せめてスパっと行ってくれるならアイソレーター的に活用できたかもしれません。
なお、右下のBrick Wallを押しても変化なし。
Mmultianalyzerでの並行比較。
Middleのメインボリューム落とし。
緑がスルー音、赤がエフェクタを通した音。
Highのメインボリューム落とし。
Lowのメインボリューム落とし。
■総評
せめてステレオの幅をコントロールできるツールなら使い道があったかもしれません。10年前ならいざしらず、今どきこういう雑なMS処理に需要があるのでしょうか。
もし「高音域のみ幅を変えたい」という用法をフリーでお求めでしたら、AlexHilton A1 Stereo Controlの方が音楽的に扱いやすいでしょう。
上画像に挿入した赤丸のように、Expert Modeにし、高音域のStereo Widthを設定。Safe BassをオンにしてFreqを適度に調節すればその指定帯域より低い周波数に影響を与えず処理できます。音楽的な扱いやすさに優れています。同種の有料プラグインにも勝る傑作プラグインです。