eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

DAWでVUメーターは本当に必要か?

今ならVUよりもっと良い道具があるから不要ですよというお話。冗長な記事だったので短くしました。

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(2021年10月11日更新)

■そもそもDTMでVUメーターは必要か?

電圧を計るための道具です。

電圧を計って、適切な電圧を入出力しているか検査するための道具です。

DAW内部ではまったくと言って良いほど不要です。

 

もし使うなら、ポンと表示しておくだけでは全く無意味で、綿密にセッティングする必要があります。

 

■見た目だけのメーターは無くて良い

でたらめにピコピコ動く針は飾りにしかなりません。

そういう見た目だけのかっこいいメーターはアニメーション等では松本メーター(零士メーター)と言います。

 『宇宙戦艦ヤマト』などに出てくる、無意味に迫力のあるそれっぽいメーターのことですね。

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ファッション目的ならそれでOKです。 

もしファッションではなく、音楽制作のためにVUを導入しようと思っているなら、ちょっと考え直してみましょう。

殆どの場合、VUは必要ありません。

 

ファッションで表示しておきたいだけならお好きに。

 

■VUの使い方、の前に

そもそもVUメーターとは規格です。でした。

特定の電圧(音量)を計測するための道具でした。10センチとか45度とか、そういうことを測る「ものさし」でした。

が、独自の基準で表示するものが増えてきて、事実上無意味な「ものさし」になってしまいました。いわばインチやヤードなど、複数の単位が生まれてしまった感じです。

なので一番最初に「今ここで必要なのはインチ?それともセンチ?」という基準の違いを合わせなければ、道具としてまったく使い物になりません。

調整できないVUは狂った時計と同じです。

もしVUを使うなら、調整できるものにしましょう。

誤った情報なら見えない方がマシです。

eki-docomokirai.hatenablog.com

・VUは調整しよう

もしVUを使うなら必ず初期調整をしましょ

スペアナの初期調整が重要なのと同じで、VUも初期調整をしないとダメです。

調整していないと針が振り切ってしまうので無意味です。 

 

下はDAWにおけるVU運用の話でまともな動画。

www.youtube.com

ちゃんと調整を行った上で、リファレンス比較を行っています。このように使うのが正解です。

・VUの弊害

しかし、調整したとしても古典的なVUメーターの構造そのものから生じる弊害があります。

Gyokimaeさんはこれについて、

pspunch.com

-3~+3の範囲にメータが入っていなければならないと勘違いさせるような構造そのものが、曲中の強弱差に乏しいトラックが蔓延する原因になった

極めて鋭い審美眼だと関心します。

見ての通りVUは狭い範囲しか表示しません。その狭い世界にとどまることを「ヨシ!」だと思い込ませてしまうのがVUです。

それこそ「耳を使え」の話になるのですが、耳でできるならそもそもメーターは不要です。

「何より耳でできるようにならなきゃダメ」と思い込まされている人のほぼ全てが、耳の使い方を間違えています。独学でできるほど甘いものではありません。耳でできるようになりたいなら、耳でできる人に直接訓練してもらうことが不可欠だと私は思います。

ついでに言うと、「耳でやれ」派の自称上級者でもけっこうザルであることの方が多いです。

真の上級者は人間の感覚器官が適当なものだと熟知しているので、信頼できるメーターを併用します

もし、目分量だけで料理をやっている高級レストランや、指先の尺貫法だけで建築されたビルをご存知でしたら教えて下さい。

■ゲインステージング

別記事として独立させました。(2021年10月10日~)

eki-docomokirai.hatenablog.com

■フレームスキップがあると見づらい

プラグインでも様々なモデルが出ていますが、プラグインのVUは正直どれもダメです。

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なんでダメなのかというと、秒間フレーム表示が甘すぎて針の揺れ幅が全然わからないからです。上画像のmvmeter2はFPSを最大100まで上げられますが、やはりちらつきます。AOMなどのVUメーターはブラー表示なので、もし使うならそういうものに限定するべきです。その方がVU的です。

・何も分かってない人の選び方 

稀にVUの針の細さを重視する人もいるようですが、針の細さと先端の運動精度は全く関係ありません。細くなくても動けばわかります。「針が細いものが良いです」と言っている人がいたら、その人の言うことは眉唾ものだと思って接するべきです。

きっとそのマスタリングエンジニアにとっては時計の針は細い方が正確な時計なのでしょう。我々とは違う物理法則の世界に生きている人のアドバイスは、我々の世界では活用できません。彼らはUFOや宇宙人、幽霊に近い存在なので、オーディオ機器に御札を貼ったり壺を置くことで音を制御できる世界の住人です。手を合わせ、畏れ敬いましょう。

■SPANでRMS表示した方がスマート

わざわざVUを入れようと思うような人なら、すでに様々なメーターを持っているはずで、だったらSPANを持っているはずです。それを使いましょう。スペアナも一緒に出るしステレオ位相も常にチェックできるので本当に便利ですよ。

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おなじみVoxengo SPANはピーク表示とRMS(的)な表示ができます。 

「この辺でうろついてます!」という平均分布を表示するモードです。

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こういう表示にするためにはちょっと手間がかかりますが、一度やっておけばその後の全ての音量調節作業がスマートになります。

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赤丸で示した「三」では、Density Modeをオンにし、Peak Level Hold Timeを適度に上げます。私は1000~最大を使います。

緑で示した「歯車」では、Avg.Timeを適度に上げます。(私は1000~最大で使うことが多いです。)

これでVUを使わなくても済みますし、スペアナ等の情報も平行して見ることができます。

すでにある道具でこういう表示が可能なのに、なぜVUだけを導入する意味があるというのでしょうか?

Ozoneでもできる

OzoneはピークとRMS表示ができます。

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やり方知らない人、ちゃんと説明書読んでる?

・そもそもRMSを回転針で表示しているだけのものもある

ファッションVUメーターです。お察しください。

あなたが使おうとしているVUメーターって、どの基準でどういう仕組みで表示しているか確認済みですか?

■酷いVU記事

DTMステーションという粗悪チラシ

DTMステーションという広告屋の記事ですのでお察しください。

www.dtmstation.com

解説がDTM向きではない上、接続方法まで間違っています。設計コンセプトも前時代的です。VU基準ではピークが見えないので、マスターアウトにつけても全く無価値です。現在の放送規格とも異なるため、実用性はまったくありません。

これは単なる前時代の雰囲気を楽しむための美しい「日本スゲー」系インテリアです。

 

なお文中で、

VUメーターはいつでも、すぐに確認できるようにしたいところですが、プラグインなどだと画面の後ろ側に行ってしまったりと見逃してしまいがち。その点は各現場からも、『常にいつでも針が振れているのが確認できるからいいよね』といった声をいただいています
(編者強調)

とありますが、これはプラグインを常に前面に表示すれば済む話です。

そーゆーことを一言も説明せず、新製品のメリットしか言わないのがDTMステーションであり藤本健なのだということをお忘れなく。

彼らは音楽屋ではなく、広告屋です。初心者騙しのライター業お疲れさまです。いくらdisっても彼らのような世界から音楽的なオーダーが来ることは絶対に無いので、当ブログで私は死ぬまで広告屋を攻撃し続けます。

・結局経験則だけで作業している例

VUの解説動画のはずが、VUを使っていない動画です。

youtu.be

「キックを-3にすると良さそう」という初手から始まっています。が、事前の楽曲情報と個人のカンから来るものであって、作業中にまったくVUの数値を根拠にしていません。

つまり、この動画はトラックバランスを耳で作っている動画でしかありません。優れた能力の持ち主ではありますが、VUの使い方の説明になっていません。

なお、上の動画ではすでにmvmeter2を調整済みの状態ですので、インストールしたままの状態で「なるほどキックはmvmeter2で-3か」と真似するととんでもないことになります。

 

という具合で、VUについて語っているようで何も語っていない人が多いのが実情です。まったく使っていない私の方が使い方を知っていて、ちゃんと平均音量の話をしているとは一体どういうことだ?

 

■関連記事

記事内でも出したゲインステージングの話。別記事として移動しました。

eki-docomokirai.hatenablog.com

 

 

アナログの質感、歪み(ディストーション)について興味があるなら、こういう記事をどーぞ。

eki-docomokirai.hatenablog.com

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