ToneboostersのEqualizer4は数回のアップデートによって高機能・操作性・完成度に到達しています。文句なしにオススメできる逸品です。「一番気に入ったのは値段だ。」
(2023年1月14日更新)
- ■新しめのバージョンはショートカットが一長一短
- ■インストーラーv1.6.0でEQ 4.4.9に戻す(2022年2月版)
- ・アンインストールしても最新のままの場合
- ・メーカー報告、バグレポートについて
- ・その他、関連メモ
- ■欠点
- ■動画で紹介
- ■オフィシャルリンクと価格
- ■機能
- ■ダイナミックEQモード
- ■初期状態保存
- ■AI機能はダメ
- ■アナライザの品種
- ■GUI(見た目の変更)
- ■まとめ
- ■v4.1.8のバグ報告
■新しめのバージョンはショートカットが一長一短
(2023年1月14日)
インストーラー1.7.0。EQ4.6.4。ショートカット操作が変な食い込みをしてくるのは無くなったようです。
もうちょい様子見し、以下の情報の一部を消します。
以下過去記事そのまま。
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(2022年10月8日)EQ v4.5.5でもショートカットキーの動作がDAWより優先してしまいます。
私にとっては使いにくいので、古いバージョンを使い続けています。
戻す手順を以下にメモしておきます。
が、戻せなかったら普通に最新版を使いましょう。
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■インストーラーv1.6.0でEQ 4.4.9に戻す(2022年2月版)
1.6.0のリンクはこちら
https://www.toneboosters.com/changelog.html
アーカイブされたダウンロード リンク
https://www.toneboosters.com/downloads/TB_Installer_v1.6.0_mac.zip
https://www.toneboosters.com/downloads/TB_Installer_v1.6.0_win.zip
https://www.toneboosters.com/downloads/TB_Portable_v1.6.0_win.zip
バージョン下げ時、インストーラー画面の「Change」「Rapair」はダメです。
ちゃんとRemoveしてから、あらためて再インストールしましょう。
・アンインストールしても最新のままの場合
完全にアンインストールできていません。
(強力なアンインストールツールでも、独立したファイルが残ることはよくあります。)
(C:\Program Files\Common Files\VST2\ToneBoosters\Equalizer_v4)
バージョン数が古くなり「最新版もあるよ」という表示になる場合もありますが、問題ありません。
関連知識。
Toneboostersは古いインストーラーがOS内に残る場合がありますが、レジストリともども全て削除して構いません。
・メーカー報告、バグレポートについて
「私は」メーカーには一切連絡していませんし、今後もこの件では連絡しません。
あからさまにおかしいバージョンなので、メーカー側も認識しているはずです。
しばらくは古いバージョンで作業しましょう。
・その他、関連メモ
最近のアップデートはダメです。
などの不具合があります。
これらの問題は1.6.0以前にはありませんでした。
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以下、過去記事まま。
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記事内の画像は新旧バージョンが混在しています。
■欠点
いきなりですが欠点から。
使っていて気になる欠点は以下3点のみ。
この3点が気になる人は他社製品で好きなのを探しましょう。
その他は完璧と言える仕上がり。しかも安い。
文句なしオススメです。
2021年時点では初めて買うEQとしても圧倒的にオススメ。
■動画で紹介
高いEQなんていらないぜ!という動画。(2021年8月19日追記)
■オフィシャルリンクと価格
ToneBoosters | Audio Plugins | Equalizer 4
価格は39ユーロ。4700円。
相変わらずのToneboosters価格。安い。安すぎる。
「一番気に入っているのは値段だ。」
Toneboostersは一切セールをやりませんが、全てのプラグインが一年中安いです。メジャーどころのプラグインが高すぎると思っている人に超オススメです。
・アップデート状況
アップデートによりリリース当初とは比較にならない使いやすさに成長しました。
4.2.6でフロートパネル固定が大幅に改善されました。
・ダウンロードとインストール
同社プラグイン一括DL方式です。
アクティベートされたものだけが無制限で使えます。
・デモ制限
設定をセーブできません。
DAW側でのプリセット保存やオートメーションも一切無効です。確認済み。
その場で一発で書き出す使い方が可能です。
でも安いから、サイドチェインできるダイナミックEQを持っていないなら買うべき。
・ライセンス
購入するとメールで送られて来ます。少し時間がかかります。
アクティベートはメールに書かれているコードを、プラグイン起動時に「DEMO」と出ている画面で、画面下部にコピペするだけ。
従来のToneboostersのような、キーファイルをdllと同じフォルダに置くスタイルでは無いので、昔からのユーザーは迷うかも。
インストール回数等については知りません。が、Toneboostersを長年使っていて再インストールでトラブルになったことは一度もありません。
■機能
マニュアルPDFのDLはこちら。(✕ 2019年6月18日時点では内容は初期バージョンのまま)
・主な機能
- ノンリニア
- 16バンド
- ダイナミックEQ
- 他Chからのサイドチェインコンプ(VST3機能)
- アップワードコンプ
- アナライザ付き(後述)
- 32~384kHz対応
・操作系
- 右クリックで有効/無効の切り替え
- Deleteでバンド削除
- 複数バンドを範囲選択可能
- Shiftで精密操作
- Ctrlで縦固定
- (横固定はAltを押してからShift)←これは欠点
- ホイールでQ幅
- Aで部分聞き
複数バンド操作は好きな人にはたまらないかも。
test3。複数バンドの同時操作。 pic.twitter.com/h5G13EWXFu
— えき (@eki_) 2019年6月17日
・自動メイクアップ
V4.1.7から追加された自動メイクアップ機能。
バンドをゲイン/カットした量に応じて、他の帯域を自動で上下してくれます。
test pic.twitter.com/TDILfLdzd2
— えき (@eki_) 2019年6月17日
「バンド操作した後でその分フェーダーを修正しましょう」というMIXメソッドを自動でやってくれます。昔、一部のEQに備わっていた懐かしの機能です。
一見便利そうに思えますが、「他の帯域をある程度下げてくれる程度の機能」と思っておきましょう。過信してはいけません。
便利だから使うのではなく、「こういう機能に頼っていてはダメ。自力で調節しよう!というモチベーションにするのが正しいです。
「嘘だろ?ちゃんと下がってるだろ」と主張する人は0.0dBに近いマスター音源に当ててみれば瞬時に納得してもらえるはずです。
・ウェットバランス
- IN/OUTゲイン
- ウェットバランス
これらは非常に便利な機能です。
- GUI全体の拡大縮小(右下カド)
- 表示音量の任意変更(左の縦バー)
・フィルタ品種
通常のフィルタは色付けの無いデジタルシェイプと、位相歪みが出るアナログ系シェイプがあります。
シェイプの選択はGUIが洗練され、直感的です。
カテゴリを選ぶと、右側に選択肢が出ます。また、ホイールでも選択できます。
バンドパスはゲイン量も変更できるので実用的です。
test3 pic.twitter.com/PdL3LLnM7k
— えき (@eki_) 2019年6月17日
フラットトップシェイプが追加されました。
同社FLXからあったフラットシェイプは、他社製品に追従した形で「若干ゆるい」形状になっています。実際FLXのフラットシェイプは鋭利すぎて、音程をまたいだ時に違和感が強かったので、こちらの方が音楽的に使いやすいです。
・EQプリセット
まるで使い物にならないセットです。まじで。
自作プリセットの登録はDAW側への登録しかできません。
■ダイナミックEQモード
バンド選択時に出てくるフロートパネル、右下のアイコンを押すとダイナミックEQモードにパネルが追加されます。
コンプ部については、同社FLXの方が変態的な制御ができるので引き継いで欲しかったです。今後に期待。
・帯域サイドチェイン
Cubaseだと普通の手順だけで帯域サイドチェインができます。
(VST3のサイドチェイン機能による内部ルーチンなので、対応していないDAWの人は注意!)
先に拡張モードの右上のスイッチを入れておかないと、トリガー元チャンネルのセンドに表示されません。手順通りにどうぞ。
TとRを適度に設定するとトリガー元チャンネルの音量に対して作用します。
FLXのように面倒なチャンネル設定が必要無いので、廉価版Waves C6として使えます。
Waves C6も安くなったので、憧れのWavesを使いたいならちゃんとC6を買ったほうが良いと思います。
が、近年のDAWなら付属プラグインで同様の処理ができてしまう時代になったので、今更感があります。
■初期状態保存
程よく設定済みの状態を初期状態として保存できます。
右上の ≡ アイコンを押し、「Save default settings」を押すだけです。
主力プラグインとして使い続けるために非常に役立つ機能です。
こういう工夫は今後全てのプラグインで装備して欲しいものです。
■AI機能はダメ
このプラグインのAIはクソです。AIを通しただけでは何も変わりません。
あくまでも今鳴っているサウンドに対し、模範的な帯域バランスを表示するだけの機能です。
しかもその提案カーブは非常に適当なものです。
何の参考にもならないので使う価値はありません。
・AIアシスト機能の詳細
画面下の「AI assist disable」と表示されている部分をクリックすると5種類のプリセットが出てきます。
このめちゃくちゃ大雑把なジャンルを選ぶと、製作中の曲の帯域バランスとの差を表示してくれます。何度も言いますが、表示するだけです。
下は内蔵アナライザ(1/9oct.)が水平に表示するピンクノイズに対し、5つのプリセットを適用した例です。
つまり、普通にアナライザを見て、このバランスになるようにすれば良いだけです。
■アナライザの品種
5種類表示できますが、アナライザ表示は1/9oct.だけで良いです。
linearは右下がりなので使いにくいです。
あー、すみません、画像の文字間違ってました「アナサイザ」ではなく「アナライザ」です。申し訳ございません。
■GUI(見た目の変更)
VST3(3.6.7)で作られており、GUI全体のリサイズが自由自在です。
試しに3種類のレイアウトにしてみました。
非常に小さく表示できるので、簡易アナライザ/レベルメーターとして使うこともできるでしょう。
というか、ここまで小さくできるアナライザが無いのでありがたいです。チラ見チェック用にちょうどいいです。
・フロートパネルの固定
Fabfilterのパクりです。
パネル左上の画鋲アイコンで、フロートパネルは固定/浮動を選べます。
両端バンドの操作時にはどうせ位置がズレるので、中央下で固定の方が使いやすいと「私は」思います。
ていうか、この仕組って視線がフラフラするので実用性は低いと思っています。聴覚に集中したい時には「目付け」が乱れるので邪魔です。
・色の変更
右上のプリセットメニューから色彩を変えられます。
どれも穏やかな色で見栄えは地味ですが、洗練されたカラースキームです。
バンドごとの色も変更可能です。
フロートパネルの左端にある虹色の部分を触るだけなので、ワークフローを阻害しません。
無闇に色分けせず、「今後絶対動かさないバンドは赤」などのルールを決めて使った方が良いでしょう。
■まとめ
もしまだ高機能EQを持っていないなら安価な1本目としてマストバイだと断言できる完成度です。
特にダイナミックEQを持っていないならオススメ度は高いです。
・類似品
もうちょっと高機能のダイナミックEQが欲しいなら、
同社ToneboostersのFLX(BusTools同梱)を買うべき。(ただし低域処理が苦手)
(5500円)ToneBoosters | Audio Plug-ins | BusTools 3
または、Waves C6
(7880円)C6 Multiband Compressor | Media Integration, Inc.
もしAIに期待し、比較ミックスをやりたいならMastering the MixのREFERENCEとMelda ProductionのMMultiAnalyzerを買うべき。
(7600円)REFERENCE
(8000円)MMultiAnalyzer | MeldaProduction
EQ4のAIに期待するってことは、ミックスのスキル不足に悩んでいるってことですよね?
もし見た目がカッコイイ良いEQが欲しいなら妥協しないでFabFilterのProQを買うべき。
(20000円)FabFilter Pro-Q 3 - Equalizer Plug-In
使いやすさも格段に上です。(旧、Q2はダイナミックEQ機能が無いので注意!未だにQ2を勧めている人が多いですが、今後買うならダイナミックEQ付きのQ3以降にしてください!)
もし半自動ミックスに期待するなら、iZotopeのNeutron2を。(ただし重い)(ただし、運用方法が独特すぎるので、ミックススキルの向上には繋がりそうもありません。)
(27000円)https://www.izotope.com/en/products/mix/neutron.html
現時点では最も良いAIツールです。
■v4.1.8のバグ報告
別ページに書きました。バグについてはオフィシャルに報告、要望済みです。(2019年7月7日)
アナログ回路シミュレートの挙動が明らかにおかしかった。
素通しで倍音追加が起きない。
eki-docomokirai.hatenablog.com