今回のプロジェクトレイアウト:えきのブロマガ - ブロマガ
せっかくなのでプロジェクト内容をアップ。某DTM系雑誌でもたまにやってるアレです。
■1,一番上、リファレンスや仮書き出しチェック場所
黒線から上はリハーサルマーク。スプリット表示で上下スクロールしても常に画面上部に出るようにしています。
オーディオの一番上、細切れのオーディオはリファレンス曲のサビ(ドロップ)部です。サビのサウンドをいつでもチェックできるように細切れをコピペして配置しています。わりと便利。
下から2番目は441/16で書きだした仮マスター。前後についている短い赤は無音リージョン。
一番下はそれの前後無音を適切にした本マスター。
各種エフェクトの吐き出すノイズの都合で無音部にゴミが入ることがあるので、二度手間ですがこの方法でマスターを作っています。
「選択オブジェクトを書き出し範囲にする」というマクロを使っているのでこのやり方になっています。無音部を作るためにマスター音量にオートメを書くことはあまり無いです。
■2,ボーカルとコーラス
大げさなディレイ効果の部分が階段状になっています。
エフェクトでやっても良いんだけど、エコーが左右に散ったり曇った音になっていったりする効果をつける場合、オートメで管理するよりトラックを分けたほうが管理&微調整がやりやすいのでこの方法を使うことが多いです。
赤のメインボーカルは事前処理で一度書き出し済みです。
その上で音韻のVolオートメ。主にフレーズの最初を大きくして明快に聞こえるようにするアレ。
派手に歌う部分と静かに歌う部分でメインボーカルのトラックを分けています。
青のコーラスも事前処理してから書き出し済みのものです。
■3,ギター
ギターのトラック分割はフィルで派手にエフェクトをかけるためのもの。
ボリュームやEQのオートメはボーカルやストリングスのための帯域確保のため。
トラックを大量に分けてやる方法もあるのだけれど、今回は作業の流れ的にオートメを多用する結果になった。
中央やや上の真っ黒になっている部分は間奏。使えそうなコードや単音をカットアップして捏造した。
■4,オケ部分
原曲にまったく無い書きおろしのオケ部。弦5部、シンセ数本(メロトロン、パッド、シーケンス)、エレドラ。あとサブベース。
ストリングスは基本的にソロ弦とセクション弦のレイヤーだけど、部分的にソロ弦だけの演奏になる部分があるので、反復複製のMIDIリージョンの前後を詰めてレイアウト。よっぽど本格的にヒューマナイズをする曲でもない限りこれで十分だと思ってる。
弦の下にある緑色のはグループトラックのオートメ。弦全体の音量と中高域のEQを必要に応じて変更しています。
ベースは元素材にあった生エレベに打ち込みのサブベースを重ね。
間奏のドローン(オルゲルプンクト)では生ベースの同音連打が安定している部分を抜き出して反復。それにディレイをかけてキングクリムゾンが『吹けよ風、呼べよ嵐』(ONE OF THESE DAYS)でやっていたアレをパクった。学生時代にVHSビデオを買って知ったエフェクト方法。ドローンやる時に良いうねりが出るのでたまに使ってる。
↓これの冒頭のベース。超かっこいい。
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4746576
エレドラ(青)はEDM系の音をサンプラ1つで演奏するだけなのでMIDIトラック1つでも良いんだけど、パターン演奏用のリージョンをいくつか作って反復複製。フィルも数種類作って反復複製。SFXやロング系はドラムパターンとは別のトラックで演奏。
それらを管理しやすいように複数のMIDIトラックに配置しています。割と便利。
細切れなのがフィル、ちょっと長いのがループ数種。下の長いのが効果音系。
生演奏系のドラムだと最終的にリージョンを1つにまとめてからヒューマナイズをした方が最終的に良い結果になるのでこういうことはしないです。これはエレドラを使う時のレイアウト。
■5、サンプル貼り付け部
サンプラで鳴らさない方が扱いやすい長いサンプルはオーディオ貼り付けで管理。
名前は編集している最中に分かりやすい名前を気分でつけているので非常に長嶋的。
同じサンプルが必ず同じトラックにあるわけではない。製作中に適当に移動することがあるんだけど、むやみにトラック数が増えると波形の大きさが見えるくらい拡大した時に画面内に収まらなくなることがあるのでコンパクトにしたかった。
オートメ無し。リージョンごとのFI/Oと音量上下だけを使っている。
上のウィンドチャイムは異なるニュアンスの音の開始タイミングを調節して派手なシャラシャラ感を出した。
下の英語セリフは事前処理したものを使用。テンポ感が合うように多少の伸縮をした。
■6,音源管理部
ビルドアップ用パーカッションのフィルターとフリーケンシーシフターのオートメのみ。
昔ながらの「音源を立ち上げておいて、MIDIトラックで演奏する」という方法。インストゥルメンタル・トラックは滅多に使わないです。(インストトラックは一部の機能が使えないことがあるので未だに信用していない。)
■7,センドエフェクトとグループチャンネルトラック部
センドエフェクトは、
モノディレイは送り先のセンドパンで定位させている。
センドエフェクトのオートメは、
- ブレイク時の空間センド無音化
グループトラックでのオートメは、
- コントラバスの低音フィルター
- ボーカルのセンドエフェクト量(フレーズ終わりの処理)
- ギターの中高域空け
- ウィンドチャイムの音量とロングリバーブ
- 英語セリフのインサートリバーブ音量
- 〃、インサートリバーブのドライ/ウェット
- 〃、インサートディレイ
その他、インサートで使っているエフェクトは、
- Cubase付属
コンプ(サイドチェイン用)、トランジェント、フィルタ、フランジャー、ステレオエンハンサ(縮め用)ディレイ、リバーブ各種 - Melda EQ(+内蔵サチュレータ)、コンプ
- Toneboosters FLX (ダイナミックEQ/MSコンプ)、Barricade(リミッタ)
- Photosounder SplineEQ(リニアEQ)
- PSP Vintage Warmer2(EQ、テープ、マルチバンドコンプ/サチュレータ)
- Waves L1(リミッタ)、L3-16(マルチバンドリミッタ)
--
■上ボーカル派です。
ところでプロジェクトの上下順は「上にボーカル、下にキック派」と「上キック、下ボーカル派」がいるようですがみなさんはどちら?
私は「上ボーカル・下キック派」です。
雑誌等で取り上げられている超一流の人たちには上キック派が多いようなので真似していた時期もあったのですが、どうやっても馴染めず上ボーカルに戻しました。