音楽だけではなく、創作全般における「相互ダメ出し」の話。この記事では岡田斗司夫ゼミの漫画談義の動画を紹介します。
(2022年3月1日更新)
■岡田斗司夫ゼミ
2018年頃、私がニコ生(ニコ動)を見る最後の目的になっていた「岡田斗司夫ゼミ」(有料放送)の無料公開版です。
漫画『映像研には手を出すな!』(作 大童澄瞳)を題材に、超絶マニアックなクリエイター談義が展開されます。岡田斗司夫ゼミは全クリエイター必見だと思っています。
岡田が気になったコマを抜き出して、「なんでこうなったの?」と質問し、大童が「これはですねぇ」と返し続ける流れ。
■音楽ではどうやるか?
私は音楽制作仲間と、たまにこういう談義をやっています。
「どうしてこの場面はこういう音にしたの?」と質問する側と、「ここはですねぇ」と返答する側になり、1つの作品に対して徹底的にやり合います。これは非常に楽しく、コアで、有意義です。
全てについて明確な理由が無いこともあるし、単に手癖や流れで作ることもあります。もちろん「あ、これはミスですね」となることもあります。
質問する側も、作品のユニークな点をうまく見つけて的確な質問をし続ける必要があります。
単に重箱の隅をつついてイジメるのではなく、好き嫌いを押し付けるのではなく、ナイスな質問をしなければ無意味です。不真面目に作ったダメな作品に対して、ダメな質問をしても無意味です。
1つの作品に対して多人数で真剣に向かい合うことで、多くの知見を得ることができます。
・褒めだけでは栄養にならない!
近年は作品をSNSで発表する人が多いです。
が、その様子を見ているとSNSの悪い面がベッタリと出ているように思います。
つまり「褒めしか無い」ということです。
(けなせば良いという意味ではありません。)
同等か上のスキルを持つ人から建設的に「こうすると良くなる」「この部分が不要」などの添削が生じていないようで、何年継続しても上達していない人ばかりなのがちょっと残念です。
まぁ彼らが音楽を作る目的が、学校の部活動と同じで、思い出づくりのために馴れ合いをするのが最終目的であるなら、私はそれは否定しません。私がそういう生き方が死ぬほど嫌いな変わり者なだけなので。
せっかく時間とお金と情熱をかけているなら、もっと切磋琢磨があっても良いんじゃないかなぁとは思いますが。
・「それは将棋で言う『検討』ですね」
上のエピソードをある人に話したら「それは将棋で言う『検討』ですね。」と言われました。
将棋では勝負が終わった後に『検討』という
将棋やチェスなどのマインドスポーツ競技で行われるこの行為・文化は非常に紳士的で、ゲームに対する愛情と相手への敬意の集大成だと思う。
2010年代以降、いわゆるSNS時代では「いいね(Like)」するばかりで、批判が許されない風潮が強いと私は感じています。
Youtubeなどの投稿サイトでは低評価が可視化されない仕組みになり、ただただ持ち上げるだけになっているのが健全なことだとは私は思いません。確かに創作弱者に対するやさしさに溢れているのですが、それはピアノ教室になかなか足を運ばない幼子に対して「ちゃんとレッスンに来てえらいね!」と褒めているレベルに等しいと感じます。
何かを習得していく過程では適切な厳しさと反省は不可欠であることは言うまでもありません。
もちろん愛のないダメ出しで叩くだけだったり、批判するだけの行為には価値はありません。もちろん「あなたのためを思って言っているんだ」などというエゴの押し付けもダメです。
適切な批判と議論はクスリになります。そのクスリの処方箋は他人の作品ではなく、自分から出た作品でなければなりません。
繰り返しますが、他人の作品を叩いてはいけません。クスリの成分にはダメ出しをする人の高い能力と強い愛情が絶対に不可欠です。
■レッスンの案内
私があなたの音楽作品(等)に対して、徹底的なダメ出しをやるレッスンは好評です。客観視された情報により、音楽をよりハイレベルに仕上げていくことができるようになります。
どのようにすれば適切なダメ出しをできるようになるか?という内容も個人レッスンで指導しています。
もちろんそれだけだとレッスンの時間も料金も無駄になってしまうので、同時に他の講義もいろいろやりますよ!
希望の方はお気軽にお問い合わせください。
docomokiraiあっとgmail.com
Skype ID: docomokirai