eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

スカイプでオーディオファイルを送受信する際の注意点

レッスンをやっていて、初めて起きた現象の報告。2019年8月19日時点での現行バージョンのスカイプでオーディオファイルをダウンロードする際に、操作を速くやりすぎると、短いオーディオファイルが生成されてしまいます。

(2019年8月19日更新)

 

■結論を先に

スカイプで受信する際、しっかり待ってからDAWに入れましょう。

スカイプでのファイル受信は、不完全な状態でも生成されてしまいます。

もし不正な状態でDLされてしまった場合には、リネームしてDLしなおしましょう。

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以下、経緯など。

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■マスタリングと完パケ納品方法のレッスンをやっていた

 どういうことが起きたかというと、レッスン受講者様から「スカイプで受け取ったファイルの長さがおかしくなる」というバグが発覚しました。

 

レッスン内容は「2mix作成」「ラウドネス」「単曲マスタリング時に前後の無音時間をつける」「ビットレート」等の、まぁ普通のレッスン内容です。

制作したwavファイルを受け取って確認しようとした際にトラブルが起きました。

 

受け取ったwavファイルには、オートメーションで書いたFO(フェードアウト)が存在しない上に、短くなってしまっていました。

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(波形の細さにツッコミを入れようとしている人がいるかもしれませんが、静かめのBGM曲集の1曲なのでこれで問題ありません。)

 

私のCubase9.5のバグを疑い、再起動後にEmptyプロジェクトに同オーディオファイルを貼り付けても、はやり短いしFOが無い。

試しに古いCubase6.0でチェックするが、短いしFOも無い。

 

 

受講者様の側で作業スクリーンショットを見せてもらうと、正しく生成されたファイルがあります。長さも正しいです。

f:id:eki_docomokirai:20190819203055p:plain

つまり、正しいファイルが送受信時におかしくなっている。

 

と思うだろ?

そうじゃないんだよ。

 

ためしにオーディオプレイヤー(Foobar2000)で波形チェックしてみると、正しくFOされているし、長さも正しい。

f:id:eki_docomokirai:20190819203205p:plain

つまり、

  • wavファイルは正しい長さで受信されていて、私のPCに入っている
  • Cubaseでのみおかしくなる

という異常事態なわけです。

 

ここで侵していたミスは1つ。

  • Foobar2000で開いたのはデスクトップにDLしたファイル
  • Cubaseに入れたファイルは、Cubaseの作業フォルダにコピーしたファイル

という差があること。

同じ名前のファイルですが、別の場所からアクセスしている同名ファイルです。

 

Skypeから再度DLし、いろいろ実験

SkypeからDLしたファイルを素早くCubaseの作業フォルダに移動したものが不正な内容になっていた、ということです。

 

Skypeから再度DL。ゆっくり待つ。

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そうすると正しい長さで、ちゃんとFOから無音までDAWに読み込めた。

 

 

せっかくなのでSkypeからDLし、思い切り速くDAWにつっこんでみた。

f:id:eki_docomokirai:20190819202457p:plain

めっちゃ短くなる!予想通りだ!

 

完全に待機するとFOから無音まで正しく読み込まれる。

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Cubaseのメディアプール上でのファイル時間表示も、下のように様々な長さになっている。

f:id:eki_docomokirai:20190819202507p:plain

(上のFoobar2000での表示と秒数が違うのは端数処理の違いです。問題ありません。)

 

Cubaseの仕様

Cubaseの仕様は、メディアプールに読み込まれた一時ファイルDAWに落とす、という方式です。

なので、しっかりリネームしないと「同じ名前のファイルがプールにあるから、それを使うよ!」という処理をされてしまいます

今回のように、不正な長さでプールに入れられた状態だと、同名ファイルを作業フォルダに入れても「その名前のオーディオはプールにあるから、そっちを使うね」という処理になります。古い不正なファイルのままです。

上画像のリネーム例のように、「~~_re」などを付け加えて、別名のファイルとしてプールに入るようにしなければいけません。
対処法は2つ。

  • 別名にしたファイルをCubaseに入れる
  • Cubaseのプール内の当該を削除して、もう一度Cubaseに入れ直す

 この問題に遭遇することが多いのは、今回のように外部ファイルを扱う時よりも、ワンショットをプロジェクト内で一時書き出しをする時だと思います。書き出し結果が気に入らず、もう一度やり直した際に、同名でプールに入れられた時に過去のプールファイルが優先的に使われてしまいます。

私の作業で最も良くやらかしてしまうのは、ステレオオーディオをモノ化した時です。

Skypeの仕様変更なのか?

以前から頻繁にスカイプでのオーディオ送受信を使っているのですが、過去にこのようなことは一度も起きていません。

最近の自動アップデートに伴う不具合なのかどうかは不明です。

 

何にせよ「ゆっくり待つ」「リネームして再度DL」で対処できるので、焦らず確実に作業をすれば大丈夫です。

 

以上ご報告。

スカイプを使っている人は気をつけてね!!

 

■Gigafileを使おう

スカイプは手軽で便利だけれど、こういう不具合も起きるということです。

やはり、信頼と実績の、

gigafile.nu

Gigafileを使うのがベストということでしょう。

あやしげなアップローダだと思っている人もいるようですが、音楽仕事で多くの人が長年使い続けている信頼性があります。

大容量(大量)のオーディオデータの送受信にも使えるので今後もお世話になろうと思います。

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