タイトルは意訳です。その方が内容に合っているのでご容赦を。
ミックスをする時に考える概念の話です。エフェクタのモデル名やパラメタの数字ではない話。
■元記事
いつも良いこと言ってるナイスガイMatthew Weiss氏の記事。
記事中のいくつかの重要な単語については個別の記事へのリンクになっています。それぞれのリンク先もぜひ読んでみてください。
・1,邪魔をしないミックス
ミックスは「仕方なく行う必要悪」である、という認識の段階。
・2,実物よりも大きいミックス
アンリアルでインパクトのある魅力性
・3,音楽性を高めるミックス
その多くはオートメーションによってもたらされる
・4,全体像の理解
音楽の本質は録音されたデータではなく、奏者の背景にある。それを察する審美眼。
・5,曲のためにやれることをすべてやる
音を多彩に演出し、補強する。録音された音がいかに良いものでも、その曲にとってのベストだとは限らない。
■口下手な記事だけど良いこと言ってるよね!
結論(Conclusion)では記事タイトル(The Five Levels of Mix Quality)と矛盾した結論が述べられています。
「5段階」は1方向へのレベルアップという意味だけではなく、常に注目し、エンジニアが鍛えるべき「5つの概念」である、と補足されています。
まーこの辺は著者の語彙が貧しいというか、彼(Matthew Weiss)が文字表現の専門家ではなく、音楽家であるが所以の「言葉足らず」だと思って読むべきでしょう。
ここは「levels」ではなく、「5つの視点(five perspectives)」「5つの切り口(five sections)」と言い換えても良いかもしれません。よって当紹介記事の日本語訳は『ミックスのための5つの視点』と大きく意訳しています。
編者(私)の個人的な価値観ですが、私はこういう「言葉足らず」な専門家の言葉こそ大事だと思っています。言葉ばかり上手な人より、声ばかり綺麗な人より、中身のある発言をする人の言葉にこそ耳を傾けたいと思っています。
その思いは過去記事で表しています。
eki-docomokirai.hatenablog.com
見た目ばかり綺麗なダメ資料、内容と無関係な写真で装飾したブログ。使いにくそうなレイアウトの自宅スタジオ写真。アクセス数を売りにするサイト。挨拶や近況報告が本編より大きいコンテンツ。
私はそういう偽物は「情報」ではなくノイズだと思っています。イケメンであることは付加価値になりますが、イケメンそのものをコンテンツにして良いのはモデル業だけです。マシューワイスが口下手でどもりのあるブ男だからという理由だけで無下にしてはいけません。