eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

(海外記事紹介)インパクトのあるミックスとは何か?リスナーを引きつける12の方法

海外ミックス技術記事の紹介です。

翻訳は後日暇な時にやります。たぶん。ものすごく良い記事なので、ぜひ元記事を読んでほしいです。まじで。

 

・Mixing with Impact: 12 Ways to Command and Direct a Listener’s Attention

https://sonicscoop.com/2018/04/05/mixing-with-impact-12-ways-to-command-and-direct-a-listeners-attention/

 

ちょっと時間が無いので紹介のみです。

 

■個々の技術と表現技術の違い

書かれている内容は「視覚的にミックスを考える」というコンセプトです。が、私はこれらが作編曲の段階ですでに行われているべきだと主張し、レッスンでも指導しています。

内容は非常に抽象的に書かれている芸術論なので、この手の文体に慣れていない人にとっては意味が分かりにくいはずです。

 

最も重要なのことは記事の冒頭で述べられています。それは、日本国内でよく見るミックス技術話で「音の分離」とか「マスキング」などはミックスで使う個別の技術でしかなく、表現技術ではないという主張です。

DTMをやっている人がミックス技術の向上を考え始めると、あらゆる音楽を聞く時にミックスの良し悪しばかりを聞くようになってしまいます。

 

これはミックスに限らず、楽器の演奏でも同じです。「演奏ミス」「リズムキープ」「安定感」「音程」「タッチとニュアンス」などの特定の技術にばかり耳が行ってしまい、肝心の音楽そのものを聞き逃してしまう悪癖です。

もちろん「表現」というのはそれらの個別の技術すべてが充実した上で初めて成り立つものですから、初学者は個別の技術を向上させなければなりません。

 

しかし、音楽作品として成立させるためには、個々の技術だけではいけません。

個々の技術が高いから「上手いけどつまらない演奏」ではないですし、逆に、技術的に下手くそだから「個性的な演奏」でもありません。(この勘違いをしている人は非常に多いです。)

 

料理は包丁の技術だけで決まるわけではないということです。

サッカーの上手さがリフティングの上手さで決まるわけではないということです。

トークの良さは声の大きさだけで決まるわけではないということです。

 

他人にミックス/マスタリングを頼んだ結果、作品内容を考えない工作的な作業をされるのが嫌われるのは、こういう理由じゃないでしょうか。

もちろんレベル(音量)や帯域を注視する技巧的なミックスの音は仕上がりが良いように聞こえます。しかし、あまりにも均一に仕上げられすぎてしまい、作編曲と演奏の段階で表現されていたことがすべて殺されてしまうケースがほとんどです。

もちろん入念に打ち合わせをしていけば良い結果が得られることもありますが、実際問題としてほとんどのエンジニアがそういう音楽的観点を全く持っていないと言わざるを得ないのが実情です。悪い意味で「エンジニア」すぎるんです。

 

 

ミックスを視覚的表現で考える

「視覚的」についてはリンク先に多くの画像があるので、よく観察してみてください。

 

包括的にまとめると、

  • 規則性と意外性
  • 相対性、経時変化、動き
  • 持続と瞬発
  • 明確なテクスチュア
  • 同期性
  • 具体性、模倣

という感じです。

 

 

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