eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

作詞の話

作詞に関する話です。

まずお断りしておくことは、私は作詞家ではないということです。たまに自作曲や依頼で作詞をすることはあり、作詞のすれば褒められることも多いのですが、積極的に作詞家として活動する気が無いんです。

そんな私ではありますが、それなりに工夫した作詞を行っています。

(2018年1月18日更新)

ネットで良く見る手法に対し、ちょっと付け加えたいことがあるので書いておきます。

対象は主に作詞作曲の両方を1人でやる人向けです。

 

なお、私は音楽家である以前に国語の専門家で、大学は国文学部現代文専攻です。選択科目として比較文学、児童文学、国語学を修了。基礎科目として古典と英語、中国語なども履修していました。そういう経緯があったので、特に作詞の指導を受けていなくても作詞の評価も高いのかなぁと自己評価しています。

 

 

■文字数の自由度

「文字数を当てはめる」という技術について語っている人がいますが、文字数はどうとでもなります

古典的な歌謡曲の場合には1番も2番も同じ文字数であることが多いので、そういう古典的歌謡曲に則った教科書(趣味の作詞レベル)ではこの手法が紹介されていないことが多いです。

が、シンガーソングライター以降の時代、より表現的な歌詞が模索されました。特に90年代以降のJ-POPでは1番と2番で文字数が異なるケースがよく見られます。(同時に、歌詞と音符が複雑になり、「誰もが歌える歌謡曲は消えた」というデメリットが支配的になった、と批判されることもあります。)

 

・文字数を増やす

音楽理論の用語で言うと「メリスマ」です。

メリスマ - Wikipedia

 

「音符を細分化する」という作曲の手法によって、より適切なワードをはめ込むことができます。

例えば8分音符1つを16分音符2つに分割して2文字をはめ込むということです。

 

英語的な発音スタイルを使うことによって、均等な16分音符2個ではなく、8分音符1個の中で不均一に1つのワードを発音することもできます。(狭い意味での「メリスマ」はこれのことです。)

J-POPの日本語歌詞で分割が非常に上手い例として挙げられることが多いのはMr.Childrenでしょう。

 

・促音(そくおん=「っ」の発音)

はねて撥音する小さい「っ」は促音(そくおん)と呼びます。

 

「くらって」は"KURATTE"というローマ字発音ではなく、"kratte"という具合に、巻き舌ぎみにKとRを連続的に発音されることになります。

同様に「ふわっと」も"FUWATTO"ではなく"Fatto"(FAっと)のように発音されると、推進力のある歌唱法になります。ある意味ロック的、外国語的なフィーリングを出すことができるとも言えるでしょう。

 

単に文字数を当てはめるだけだと、こういう印象的な発音を誘発できないです。

 

・撥音(はつお=「ん」の発音)

「ん」は撥音(はつおん)と呼びます。

「さん」は音符1つで一気に発音できます。

「こんらん」は音符2つで発音できます。

「ん」という撥音も、ロック的、外国語的なフィーリングに貢献できます。

 

これらを積極的に使った「さまよってんだ」というワードは非常にJ-POP的だと思います。

こういう特徴的なワードは、似たような発音をもつ「ほしがってんだ」に引っ掛けることも可能となります。歌詞として非常に機能的だと言えるでしょう。

 

・二重母音

二重母音 - Wikipedia

「アィ」「オゥ」などのことです。

日本語ではカナ2文字扱いですが、英語等の外国語では1つの母音として扱われることが多いです。つまり二重母音をちゃんと扱うことで洋楽的、ロック的な節回しに聞こえるようになります。

例えば「マイナスに向かう鼓動」という歌詞には「Mai」「Kau」「Dou」という3回の二重母音が含まれます。試しにこの歌詞に音符を当てはめてみると、多彩な譜割りの可能性があることを確認できるはずです。

 

これらを二重母音として処理せずに単純にカナを音符にはめ込むと、めちゃくちゃダサい節回しになります。ボカロ曲に極めて多いと感じます。

なお「ダサい」という言葉にも「Ai」という二重母音が含まれています。「ダサい」という歌詞なら音符3個よりも、音符2個でスピーディに処理した方がかっこよくありませんか?

 

また、二重母音は長い音符の場合に多彩な歌い方が可能です。

 

言語学的には、二重母音の一種として「連母音」という明確に区切って発音される母音もあります。

歌詞として扱う場合には厳密に分類する意味は非常に小さいですが、もし興味があったら連母音についても調べてみると、作詞で役立つ何かが見つかるかもしれません。暇人はどーぞ。

関西学院大学リポジトリ「二重母音と連母音の違いは何か? : 音節構造から比較する英語と日本語の二重母音」

 

 

・文字数を減らす

逆の方法です。伸ばしによって音符の数を変えずに文字数を減らします。

近年の歌詞はワードが多いので、そういう時代だからこそ長い発音が印象的になります。

安易に使うと間延びするので注意。

 

応用として「oh」「ah」「yeah」「wow」などの「スキャット」に遷移させる方法は歌詞ならではの表現もあります。(ohとかahとかはスキャットって言わねーよ、という人もいますが。)

単音のスキャットでは音符の高さや強さを自由に扱いやすいというメリットもあります。

 

■音韻

発音にまつわる用語はいろいろあるので、Wikipediaのカテゴリでも漁ってみると良いと思います。

Category:音韻論 - Wikipedia

作詞の勉強をするなら音韻学(音韻論)は必修だと思います。

 

 

・母音の特性

いわゆる「韻を踏む」です。広く流通している情報っぽいので省略。

Category:母音 - Wikipedia

 

紹介の順序が逆になってしまいましたが、上で説明した「二重母音」も参照してください。

 

・子音の特性

「韻を踏む」のは母音だけではなく、子音で「韻を踏む」という技術もあります。ちゃんとした作詞の技術本には書いてあるはずです。

 

・子音の分類

子音は舌を使って発音するもの、唇で発音するもの、歯で発音するものに分類できます。これらは同じものを連続させると滑舌が悪くなりやすいです。たとえば「れ」「る」の連続は極めて発音しにくいです。

滑舌が良い人だったとしても、違う種類の発音を並べた方が表現力が高くなるでしょう。

また、舌を使った発音も幾つかに分類でき、上手く配置することで快適な連続性を生み出せます。「t→r」や「k→r」の連続などは非常に活力のある発音ができます。

「トラブって」などです。

Category:子音 - Wikipedia

 

・終わり子音

造語です。

日本語はすべて母音で終わりますが、諸外国の言葉は子音で終わるものが多くあります。

作詞の範疇でどこまで考慮するかはビミョーなところですが、歌った時に子音で終わることも可能な日本語にしておくと、洋楽的フィーリングに貢献できる可能性があります。

 

・韻を踏まない

作為的に韻を踏んだ歌詞はダサいと思います。

韻を踏んでいるからポエムではなく歌詞だ、というわけではありません。

露骨すぎるとオヤジギャグと同レベルです。やらないほうがマシ。

思いつきで出た1つだけのアイディアを採用せず、数種類のバリエーションを並べてみて、最も機能的で楽しいワードを選択するべきだと思います。

 

■類語

この「類語」という言葉を見たことも聞いたこともないなら、文字で表現をする人として完全に勉強不足です。

適当なもので構わないので、とりあえず1冊の「類語辞典」を買ってください。

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リンクはアフィリエイトではないので、余計なことを考えずに今すぐポチってください。

 

ネットで検索して使うオンライン類語辞典もありますが、類語辞典はパラパラと見て言葉の多様性を身につけるための道具なので、絶対に紙の方が良いです。特に追い込みたい部分については、細かい意味の違いなども読み込むと良いでしょう。

 

本としてはちょっと高いと感じる人がいるかもしれませんが、なんだかわからないプラグインを衝動買いするよりも、確実に作品のレベルを上げることができるコスパ抜群の「音楽機材」だと思って、今すぐ買ってください。

 

おすすめの類語辞典はありません。1冊目ならどれを使っても同じです。迷う必要はありません。

持っていないなら今すぐ買いましょう。今すぐ。

 

 

■ことばのテイスト

文章は大きく2つに分けられます

口語と文語です。

口語 - Wikipedia

文語 - Wikipedia

また、日常的なワードと、非日常的な、文学的で詩的なワードがあります。

他には、方言や外国語、外来語、スラング、専門用語、比喩、引用、時代的な言い回し、造語、ナンセンス、誤解、などなど。

 

これらをどうバランス良く配置するかは作詞でとても重要だと思います。

例えば「青天の霹靂」とか「ディスコミュニケーション」なんて言葉を日常的に使う人はいないはずです。

 

ただし、時事ネタすぎるワードは控えるべきだと思います。その語が1ヶ月後・1年後にどういう扱いになっているか分からないからです。

 

・修辞技法

言葉を扱う以上、修辞のテクニックの種類について改めてチェックしてみることをおすすめします。

Category:修辞技法 - Wikipedia

 

普通に書いた歌詞に対して、どのような修辞を使うと素敵な仕上がりになるか、何度も書き直してみると、修辞の奥深さを楽しめるはずです。

 

ただし、修辞すれば良いというものではありません。やりすぎるとイヤミな感じばかりが浮き出てしまいます。

メロディやコードの動きなどにうまくハマる修辞法があるはずです。

 

修辞のテクニックは作詞以外のフィールドでも多く見られます。歌詞として使えそうな修辞法はどこからでもパクるべきでしょう。

分野が違っても、文字表現であればどんな分野の修辞でも歌詞に応用できます。

普段からどんな文章を見ても、どういう修辞が行われているのか意識的にチェックしてみると、良い経験値が貯まるはずです。 

 

・視点

歌詞で表現したい世界を視覚的に考えるアプローチです。

ドラマや映画でカメラの向きが変わっていく(パンする)ように、「足元」から視点が上に上がり、「顔」「唇」「指先」「空」「星」という順序で単語が登場するようにする方法です。

もちろん横に移動しても良いのですが、横の移動はあまり変化が起きないので、垂直方向か、奥行きの移動の方が使いやすいはずです。

また、視点の移動のテクニックは三次元の空間移動(上下、左右、奥行き)だけではなく、時間経過を表現することもできます。

 

こういう工夫は聞き手に明確に理解されなくても構いません。

聞き手が「なんか良く出来てる」という印象を誘発できる可能性があるだけで十分です。聞き手がそれを明確に理解し、説明できる必要はありません。

美味しい料理を食べた人が「なんか美味しい」と感じてもらうだけで良いんです。すべての人の舌が海原雄山のように「これはコクワだな!そうだろ!」と正確に判別できる能力が無くても作品を楽しみ、「なんかすごい良くできてる!」と感じてさえくれればそれで良いということです。

もちろん、作品を作る側の人は、よくできていると感じるだけではいけません。スゴイ!と感じたなら、分析し理解する努力をするべきです。

 

・具体的と抽象的

明確に説明しすぎる歌詞は歌詞としてはあまりおもしろくありません。

時にはわざとに詩的で、やや意味不明なつながりでも構いません。

 

aikoの『カブトムシ』はとても上手

こうした個人的に最高傑作だと思っているのはaikoの『カブトムシ』で、特に2番Aメロの歌詞がすごく良いと思っています。

www.utamap.com

2番のAメロでは、わずか8小節で1年間の四季の経過をスピーディに表しています。

ただ詰め込んでいるだけではなく、2小節4回のフレーズがすべてアウフタクトで入ってくることによって、断絶しないように工夫されています。もしこれが小節線で途切れるスタイルだったら、この連続感は表現できないはずです。

 

また、「春夏秋冬」を宣言するのが4回ともセンテンスの最後になっていることで、後ろ向きな気持ちを強調できているわけです。

 

ついでに言うと、退屈でやっつけ感の出やすい2番の歌詞を印象的な場面にしています。

また、カラオケ的見ても、忘れやすい2番の歌詞を「春夏秋冬」という大きな枠組でまとめていて、覚えやすいものにすることにも成功していると言えるでしょう。むしろ1番よりスマートで美しい歌詞なのに、なぜこれを2番に持ってきたのかな?と考えてみるのも一興です。(幅広い情景よりも自分(のさらに内側)から始まった方が小さい歌になるからだと私は解釈しています。)

 

これと逆になっているのが清少納言枕草子の第一段『春は曙』です。

春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山際、少し明かりて、紫だちたる雲の細くたなびきたる。

夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほかにうち光て行くもをかし。雨など降るもをかし。

秋は夕暮れ。夕日の差して山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ、二つ三つなど飛び急ぐさへあはれなり。まいて雁などの連ねたるが、いと小さく見ゆるは、いとをかし。日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言ふべきにあらず。

冬はつとめて。雪の降りたるは言ふべきにもあらず、霜のいと白きも、またさらでもいと寒きに、火など急ぎおこして、炭持て渡るも、いとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火も、白き灰がちになりてわろし。

 

もし『カブトムシ』がこのスタイルだったら、


 春は(花の匂いが)鼻先をくすぐる

 夏は青い空がリンと立つ

 秋は風が袖をくすぐる

 冬になって1年が終わることに気がつく

 

同じことを書いているのになんというクソ歌詞でしょうか。英語を直訳した時のような平坦さですね。

逆に言えば、どんなつまらないセンテンスでも、修辞(倒置法)と音符の配置を巧みに組み合わせることで見事な歌詞に昇華できる可能性がある、ということです。

 

この『カブトムシ』は上で説明した倒置法の他、さまざまな修辞が使われています。メロディとコードの動きとの一致も含めて、非常に巧妙な作品です。

例えばメリーゴーラウンドが歌詞通りにちゃんと失速しているのも遊び心が含まれていて面白い点です。

 

なんとなく「この曲すき」ではなく、好きなら丸裸にしてひっくり返して分析しつくすべきです。

 

ネットでもこの曲の分析をやっている人はいるのですが、コードか歌詞の側面からしか見ておらず、「コード分析」「歌詞解釈」という一面的なものでしかありません。楽曲を本気で分析するなら歌詞とメロディ、コードとアレンジのすべてを総合的に考慮するべきです。一度で良いからこういう総合的な分析をやってみることをおすすめします。作詞のために歌詞の勉強だけをしていてもあまり上達しないとは思いませんか?

 

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■音符との一致

歌詞がポエムではない理由は、言葉が音符のタテヨコの動きに連動するからです。

 

・歌詞も音符も変えて良い

作詞と作曲の教科書、特に古い本だと「メロディは歌詞に合わせる」と書かれていることが多いです。

しかし、それは作詞家と作曲家が完全分業だった時代の手法でしかありません。

あなたが持っている教科書は何年に出版された本で、どういう仕事スタイルの人が書いた本ですか?

 

シンガーソングライター以降の時代では、作詞と作曲を1人で行うので、「歌詞を変えてはいけない」ということはありません。

歌詞のアイディアを活かすためにメロディを変えても良いですし、メロディのアイディアを活かすために歌詞を変えてもかまいません。

 

・音の長さと高さ

この歌詞ワードは伸ばして欲しい、高い音で歌って欲しい、という構成を考えるべきです。

 

その為には五線紙を使うべきです。

五線紙に厳密な音程を書けなくても構いません!

リズムの書き方が少々間違っていても構いません!

割りと適当な音符で、雑でも良いので長さと高さを書きながら歌詞を添えてみてください。

五線紙は100円ショップでも売っていることがあります。一般の文具店でも300円くらいで売っています。

 

五線紙に書く場合の注意点は、絶対に格好つけて綺麗に書かないことです。

 

白紙のメモ紙だと思って適当に歌詞アイディアを書き、必要な時に近くの五線をたまに使うくらいで構わないでしょう。1段ずつ綺麗に埋める必要はまったくありません。もったいないと思ってはいけません。

 

というか、五線紙でなくても構わないです。ぐにゃぐにゃとラインを書くだけでも雰囲気は作れるので、なんでも良いから音の動きと一緒に歌詞を書いてみるべきです。

 

・音符の高さとイントネーション

普通に単語を発音した時のイントネーションをどこまで音符の高さと一致させるかについては様々な意見があります。

イントネーション - Wikipedia

 

ひとつだけ断言できるのは、イントネーションのため「だけ」に作詞作曲をするべきではないということです。

時には意図的に逆配置することでインパクトを生み出すこともできます。

しかし、往々にして無視されやすいポイントで、歌詞に聞き取りにくさの原因のひとつだ、ということは忘れてはいけないでしょう。

 

この要素の話で必ず引用されるのが童謡『あかとんぼ』(山田耕筰:作曲、三木露風:作詞)です。今日の発音ではありえない「ゆうやけこやけの、かとんぼ」というイントネーションの強調によって、冒頭のワンフレーズだで非常にエモいことになっています。ためしにこの歌詞をイントネーションを重視して「あかとんぼ」にしてメロディを書き換えてみると、いかにつまらない曲になるかが理解できるはずです。

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なお、この歌は歌詞先で、当時の発音だと「かとんぼ」のイントネーションだったという研究報告があります。(第1回 言葉の輸出入 1 | 日本語の美しさindex | コラム・ミニ知識 | 千駄ヶ谷日本語教育研究所

上のリンク先のページでは歌詞のアクセントについて様々な話が書かれており非常に面白いです。

言葉は年月とともに変化していくものです。イントネーションをどこまで重視するか、音符の運動の面白さを重視するべきか。情緒や歌いやすさ、聞きやすさ、インパクトをバランス良く使いこなすことの奥深さですね。

その為に必要なのは、音符の運動を自由自在に操るテクニックでしょう。メロディは必ず改変することができます。最初に書いたメロディと歌詞が必ずしも正解ではありません。アイディアを出し、バリエーションを書き、並べて比較し、推敲することによって良い歌に仕上がるはずです。

 

・特徴的なリズム

作詞の時点で特徴的なキメのリズムを作っておくのはとても音楽的です。

キメで歌っても良いですし、歌無しのキメでも良いです。

特に歌なしのキメは息を吸う場所にもなるので一石二鳥です。

 

■見直す

当たり前のことなのですが、案外これをやっている人が居ない様子。

歌詞を最後まで書いたら、最初から見直し、全部書き換えてみてください。

 

創作ごと全般に言えることなのですが、日常的に創作をしている人でもない限り、作り始めはエンジンが温まっていません。

 

書いている間にだんだん調子が出てきて、作り終わるころにようやく「作詞モード脳」が出来上がる感じだと思います。

その感覚が出来上がった状態で、もう一度1番の歌詞を作り直してみてください。

それだけで確実に1ランク良い仕上がりになります。

 

2番や終盤で浮かんだワードに強い威力があることに気がつくはずです。そういう強烈なワードは序盤に持ってくるべきです。あなたの曲を大サビや3サビまで聞いてくれる人はほとんどいません。

動画の再生時間は平均で1分程度だとされています。

1分以内に強烈なワードを出してしまいましょう。

そこで気に入ってくれた人が1分より先を聞いてくれます。

 

関連する作編曲の技術に「サビ開始」というものがあります。

最も訴求力のあるメロディ=サビを曲の開始直後に配置する構成方法です。

 

・統一感と逸脱感のバランス

 表現のためのテクニックがワンパターンだと面白くありません。それでは「なんかよく出来てる!」という印象を与えるより、単調だと感じられてしまいます。聴衆は素人ですが残酷です。食べてみてもイマイチ美味しくなかったら二度とそのお店に来ないだけです。辛辣な批評すらしてくれません。

全体としての統一感は大事です。でも、時には流れをぶった切る意表をついた仕掛けも必要です。意図的におかしなことをすればインパクトがあります。

さまざまなテクニックを使うことはより良い印象を与えるためにとても大事です。しかし、テクニックを使うのは手段であって目的ではありません。テクニックのための押し付けがましい歌詞になっていないでしょうか?

 

・ボツを出し、リメイクする

毎回良い歌詞を書けるわけがありません。

数曲作ってから「今回はどの曲を完成させようか?」と考え、比較してみてください。

比較し、脱落させることで、完成する1曲のクオリティは必ず良くなります。

屍を踏み越えて行きましょう。

 

ボツにした曲の中でも面白い要素があったらリライト(書き直し)をして再利用できます。

技術と感性が高くなれば、再利用で優れた作品に持ち上げていくことも可能になります。

無駄にはならないので、どんどん作ってどんどんボツにしましょう。

 

冒頭で私はあまり作詞はしないと言いましたが、それでもストックはそれなりの数がありますし、いつでもすぐにメモできるようにネタ帳は常備しています。

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