eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

サウンドデザイナー1月号に思うこと

やや雑記・近況ですが、音楽系にタグ付けしておきます。

今月号(来月号)のサウンドデザイナー1月号ではミックス技術特集記事が多くのページをさいて掲載されていました。が、個人的には海外ミックス情報も併せて読んでほしいなと思います。

■MIX特集は本編ではない

サウンドデザイナー2018年1月号(12月発売)は「MIXの本」と題したMIXテクニック特集(初心者向け)なのですが、本編はここではないと思いました。

すごいのは59ページからの「EQとDeeMaxだけで曲を仕上げるミックステク」という、一見しただけではバカにしてるのかという記事。

私はレッスンでミックスについて講義することがあるのですが、正直あまり好評ではないというか、レッスンに対するリアクションが良くないと自覚しています。

なぜなら私の生まれ持ったオタク性と、細かい作業をまったく苦にしないドM性によって、小難しい話になってしまっているからだと自覚しています。

本当にすみません。主な立ち位置がアレンジャーだと自負していることもあるのでお察しください。本当にすみません。もし本当にミックスにフォーカスしたレッスンを受けたいなら専業エンジニアに頼むべきなんです。

 

そういうこともあって近頃は受講者さんの性質に合わせて、「今の段階ではどのくらいの深度の技術がを身につけさせるべきか」を最重要視しています。非常にラフな仕上げ方の話をすることが増えています。

 

「EQとDeeMaxだけで(略」が素晴らしい点は、そういう視点を本当に理解して書かれている記事だということです。

本当の意味で初心者向けだったり、ライブメインのシンガーソングライター向けに「ミックスはこのくらいでとりあえず良いんだよ」という最低限のことをきっちり説明した秀逸な記事だと感心しました。ここまで腰を低くし、小学生にスポーツや勉強を教える姿勢を保っているんです。

 

よくあるDTMの勘違いの代表格として「精密に時間をかけてやれば良いものができる」という幻影があります。しかも、広告系のDTM話は国内に於いて支配的であり、「最新プラグインを買えばミックスが良くなる」かのように喧伝している事実があります。それらは完全に間違いです。

やるべきことは大胆に迷いなくスピーディにやることです。使う道具は手に馴染んでいれば何でも良いです。

 

■Behind The Speakersはとても良い

毎度のことながらこのサイトはとても良い内容です。
何度も連絡しているのですが翻訳許可が頂けないのが残念です。

behindthespeakers.com

リンク先のページだけではなく、サイト内の他の記事や、登録して読めるPDFもぜひ読んでほしいです。その上でサウンドデザイナーに書かれていたことを読み直して見てほしいんです。

ゆっくりなら読めるはずです。

 

■私が翻訳をやるたった1つの理由

海外の情報を漁っていると、その独自研究と同じことを言っているんです。
私が言ってるだけだと信憑性が低いので、同じ意見を言っている海外記事を翻訳することにしています。

 

翻訳記事はローコストで良い内容を作れますし、何より日本の音楽家は「海外ではー」という枕詞がつくだけで素直に鵜呑みにしてくれます。

それが日本人の記事だと、否定から入る人がとても多い印象です。曰く、「こいつは馬の骨だ」とか「記事書かなきゃ生活できない底辺プロだ」とか「音楽家じゃなくてライター業だろ」という具合に。

私がレッスンで教えていることは国内で教わったことと、独自に研究してきたことです。私が言うだけだと「底辺プロの独自理論かよ」となってしまいます。そういう人の言い方を適用するなら、私が教わってきた人もまた底辺プロということになってしまいます。

トッププロじゃないからという理由で見下したい人はお好きにどうぞ。そういう人はムーギー・キムの語る一流っぽい生き方がお似合いだと思います。

toyokeizai.net

まぁギャグや芸風としてはめちゃくちゃおもしろい人なので一見の価値ありです。

どうでも良い部分で他人を見下し、どうでも良い部分を磨くことで一流っぽさをひっそり演出するノウハウ満載で超おもしろい記事です。数年前に日本ネットで流行した「地獄のミサワ」に通じる芸風です。

matome.naver.jp

 

という具合に、斜め上に自己を演出する芸風があるように、私もまた別の方針で「自分を演出する」ことについて模索しています。

10年前にガッツリ付き合っていた別分野の知人V氏は「お前は能力はあるんだからもっと堂々としろ。技術を安売りするな。自分の価値はちゃんと演出して売り込むべきだ。」と諭してくれました。その意味が近年になってようやく分かってきた感じです。

 

■翻訳特化コンテンツってどうかなぁ

件のサウンドデザイナー紙のように固有の記事を作っても、初心者向けの領域から脱することができていないと感じます。書かれている内容がちぐはぐで、どういう層をターゲットにしたいのかよくわからない感じがします。

記事の著者が本当に伝えたがっていることと、紙面コンセプトとがマッチしていない印象を持っているのは私だけではないはずです。(妙な方向性にマッチングしすぎたDTMマガジンは衰退してしまいましたし。)まぁ月刊誌という体裁である故に生じるジレンマだということも分かります。

でも、ターゲットとしている層が本当に求めている情報って、そういうものじゃない気がするんです。

需要を考えすぎてズレているんじゃないかなぁと。もっとニッチで良い気がするんです。特に、機材ではなく技術情報にお金を使うことの価値を理解している層は。

音楽機材を買う層は雑誌情報で買わないですし。

 

海外情報を輸入することに特化した情報誌や日本語サイトがあっても良いと思うんです。

言語が異なるので元記事の製作者とその周辺の価値が損なわれることは皆無でしょう。

 

そんなわけで、これまでに翻訳し公開した記事は方々で評判が良いです。レッスンでも「あの記事は良かったよ!」と褒めてもらえているのですが、私が「これはすごい」と思ったから翻訳したわけではなく、私が言いたいことを信じてもらうために「お前らの好きな『海外』でもこう言ってる」という意味合いが強いんです。

 

現在、私がストックしている許可済みの翻訳記事は多く、ブログ等で順次掲載していこうと考えています。

こういうのを売って小遣い稼ぎ、できたら良いなぁと思い、商用使用許可申請などいろいろと準備中です。

通り一遍の内容の音楽理論書ではないものを作ってから死にたいです。

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