eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

ボーカルミックスのコツ(翻訳記事)

ボーカルミックスのTIPS、Behind the Speakersの翻訳・要約記事です。

Behind the Speakers(Jason Moss氏)からは正式に翻訳の許可を頂くことができておりませんので、この記事は短い要約のみです。重要な点は伏せてありますので、詳しい内容については、下のリンク先でユーザー登録し、原文と動画(どちらも英語のみ)でご確認することをお薦めします。非常に良い内容です。

behindthespeakers.com

単純引用の翻訳を避けるため、独自の内容も入れています。原文で読むことを強くおすすめします。

 

■コンプ設定

ブログや書籍で「数値はコレ!」というような紹介を多く見かけますが、それは誤解を招くメソッドです。ミックスとはそういうものではありません。同様にプリセットでどうにかするものでもありません。魔法の数字も魔法のプリセットも存在しません。日本人ってそういうのが好きなんでしょうねたぶん。それが良い方向に活躍しているのなら良いのでしょうが、ことミックスにおいては数字なんて本当に無意味です。曲や演者、シンセによって音ソースの個性が毎回異なるんですから。

数字ではなく、「何を目的にするか」、「どの作業項目からアプローチするか」ということを知るべきです。

 

・アタックタイムの設定方針

アタックは子音に影響します。

歌詞とジャンルによってアタックタイムを設定します。

  • 遅いアタック=明確な子音を強調+クリアーなサウンド、歌詞の強調
  • 速いアタック=強い圧縮でパワーを強調+スムーズな流れ

 

・リリースタイム

リリースはフレーズの末尾の制御です。

設定は2つの方針のみです。

  • 速いリリース=母音。積極的、情熱的なサウンド
  • 自然なリリース=クリアーなサウンド(フォーク、ジャズ、アコースティック系)

 

スレッショルドとレシオ

同時に調節するべきです。ボーカルはソロにしないで作業しましょう。全体に対するバランスが重要だからです。

  1. レシオは3:1程度に設定
  2. スレッショルドを下げて、圧縮を開始。同時にメイクアップゲイン。
    レシオとスレッショルドのどちらで圧縮するかを変動させてみる

■EQ

ヘッドホンで行います。

EQはコンプの前に設置します。

必ずしも必要とは限らない、ということを忘れずに。

  1. ハイパスフィルター(=ローカットフィルター)
  2. サブトラクティブEQ(カットEQ)
    2箇所。LoMid(150~300)とHiMid(2k~4k)をそれぞれスイープして探り、良好とは言えないポイントを必要に応じてサブトラクト(カット)する。
  3. ゆるいQで魅力的なポイントをゲイン
  4. 必要そうならトップエンドもゲイン

これらのボーカルを調整は、他の楽器のミックスを進めている時にも常にチェックし続ける。

 

EQのブーストについては日本の記事だと「基本的にカットで!」と書かれていることが多く、ブーストが悪であるかのように勘違いしている人も多いようです。私はミックスのレッスンでいつもこう言っています「じゃあどうしてあらゆるEQはブースト方向に動かせるの?本当にカットだけが正しいなら、あらゆるEQはカット方向だけにツマミが回れば良いってことにありますよね?」。あくまでも「基本的に」カットであって、「場合によっては」ブーストが必要です。

下のリンク先などを参照してみてください。

theproaudiofiles.com

 

■総合的に言えること

氏はSonic Scoopの記事でも同じようなことを繰り返し言っています。とても大事だということですね。

・大胆にやる

必要なら思い切りやる。繊細さだけではダメ。

耳で聞いてGOODと思えるならなんでもやってOK。

 

・ソロボタンを使いすぎない

ミックスとは他の音とのバランスを作る作業です。

 

・加工しすぎない

日本に限らず多くのミックTIPS記事で、様々なプラグインを使って加工しまくるように指示しています。なんでもハイパスするようにと言っています。それらはすべて馬鹿馬鹿しいことです。

エフェクトを通して音が良くなることは原理的にありえません。エフェクトを通すと音はどんどん汚れるということを考えてください。

実際、Jason Moss氏はそれほど多くの加工をしません。

 

・常にバイパスとA/B比較する

ミックスとは決断して前進するだけではありません。

エフェクトを重ねた数だけ音が良くなるというものでもありません。

誰でも間違った判断をしてしまいます。

未処理の状態と比較します。が、未処理状態のものと比較する場合には根本的な音量差があるので、EQ等のアウトプットゲインを上手く活用し、似たような音量レベルで比較するべきです。

このようにして比較することこそがミックスで最も重要なプロセスです。

「改造」ではなく「改良」です。「改悪」を避けて良い方向にだけ一歩ずつ進みましょう。

明確な「改善」が得られないような加工なら、何もしない方がベターということです。

 

プラグインの機能と性質を知る

プラグインの機能と性質についての理解を深くしてください。

クレヨンの色を選ぶように、明確な目的を持って道具を使ってください。

 

そのプラグインを使うとどのようなサウンドになるのか、自分なりに明確な答えを出しておいてください。プラグインへの評価は自己流でまったく構いません。というか自己流じゃないとダメです。メーカーの言ってることは誇大広告です。ブロガーの言っていることはその受け売りで、ろくに使ってもいないのに「これは良い」と書いています。また、「買ったけどクソだった」と言う人はほとんどいません。

 

 

eki-docomokirai.hatenablog.com

 

 

eki-docomokirai.hatenablog.com

 

 

 

■原文にある動画リンク

登録し、原文を読み、動画もチェックしましょう。

冒頭と同じリンクを貼っておきます。

behindthespeakers.com

Behind the Speakersには他にも多くの優れたTIPS記事があります。

 

■当ブログ、その他の翻訳記事

カテゴリ「翻訳記事」を御覧ください。

eki-docomokirai.hatenablog.com

 

 

© docomokirai 2017 楽曲制作、ミックス、マスタリング。DTMと音楽理論のレッスン。