eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

トラブルシューティング概論(1)

 Cubaseの仕様についての話です。Cubaseでトラブルが起きた際に、必ず踏まえておくべき知識として普及して欲しい。

要点だけ書くと「何かやったらCubaseを再起動」です。

他の記事の中に含めていた内容でしたが、別の記事として独立させておきます。

 

Cubaseは自ら再起動を要求してこないけど、再起動するべき

Cubaseは「終了した時に」プラグイン認識などの諸情報をxmlに格納し、次回の起動時から本当の意味で「プラグイン等の再認識」を正しく行います。

 

これはプラグインに限らず、環境設定やキーコマンドでも同じです。

 

おそらく経験があるはずです。

環境設定をした、うまく行った、作業を継続していたが落ちた

再起動したら前回やったはずの環境設定がもとに戻っていた!?という状況です。

同様にキーコマンドを設定した→そのまま作業していて落ちた→キーコマンドが消えちゃった!ということになります。

 

 大規模なコンフィグを行った後には一度「Cubase本体を再起動させるべき」というバッドノウハウは未だに重要だということです。

 

本当にやるべきことはプラグインの再読み込みではありません。

プロジェクトの再起動、曲の再起動でもありません。

Cubase本体の再起動です。

 

■再起動はトラブルシュートの基本中の基本

せっかくなのでトラブルシュートの基本について書いておきます。

 

レッスンや制作仕事がらみでもよく聞く話は「新しく買ったプラグインが認識されない」というものですが、この手のトラブルのほとんどは「正しい手順のはずなのに認識しないと思った時点でCubase再起動」でOKです。

掲示板などでやりとりされている中で良く見かける間違いは「プラグイン再認識しましたか?」などです。それでは正しく認識されません。Cubasexmlに設定変更を書き込み、それを次回起動時に読み込むことで正しく認識されます。

 

これをCubaseのクソ仕様だと言う人もいるようですが、OSと同じです。OSだって大規模なパッチの後や、根幹部分に関わるツールをインストールした後にOS再起動を要求するでしょ?それと全く同じ。再起動は多くのトラブルを一撃で解決するものです。

あせって「起動した状態のままなんとかしようとしている」という方針が、そもそもの間違いです。

トラブル解決依頼があった場合、一言目に「DAWもOSも一度再起動してみてね」と言うのが正しいアドバイスです。

 

■オンラインでアドバイスを求める(求められた)場合の注意

近年はスカイプで知人にアドバイスを求める人が多くなっています。

ニコ生でトラブルシュートをしている風景を何度か見ましたが、

  • ニコ生の放送を中断したくないという欲求もあってか、
  • スカイプを切りたくないからか、

CubaseもOSも再起動せずになんとか解決しようとしている人を見かけます。

それじゃあダメです。

 

私がトラブルシュート依頼を受けた際にも、「じゃあとりあえずDAW落としてOSも再起動して、それからもう一度お話の続きを。」と言ったら、「いや、スカイプこのままでお願いします。」と言われたことが何度もあります。

それじゃあダメです。

 

スカイプそのものを切断することに失礼さを感じるからか、スカイプを切ったらヘルパーに逃げられると思ってかは分かりませんが、なぜかスカイプを繋いだままなんとかしようとする人が多いようです。もしかしたらOSを一度落としたら、OSが起動しなくなったり、長時間のWindows Updateが始まってしまい、連絡手段を失うのを恐れているのかもしれません。

いずれにしても、問題を解決したいのであれば、まずはスカイプを切って、全てを再起動してから数分後に戻ってくるのが先決です。

にも関わらず、スカイプでヘルプ要求された側も、スカイプを繋いだままあれこれやらせている例を多く見ています。その状況で何をアドバイスしても解決しないのは当然です。

 

病院で聞こえてくる会話でもそういうのが良くありますね。

病気や怪我を治したいけど、そういう治療はしたくない、的な押し問答。

 

 

 

■ハードウェアが絡む場合はさらにディープな再起動をするのが先

ついでに言えば、OS再起動だけではなく、電源落とし再起動がベターです。

さらに言えば電源を落としてて電圧が抜けるまでコンセントを抜いて、数分放電させてから起動するのがベストです。

これがハードウェア系のトラブルで極めて有効な手段であることは常識です。

 

■問題の切り分け

上のように、DAWもOSも起動したまま問題解決をしようとしたり、問題を特定しようとしていても、根本的にズレています。

トラブルシュートの基本は「問題の切り分け」です。

  • 問題はどこで起きているのか?
  • その問題をどこで解決するのか?

これらを見失うと、問題解決には近づきませんし、次回以降同じ問題に直面した時に適切に対処できるスキルが身につきません。

DAWやOSを再起動せずに問題解決を試みても、「こういう場合は再起動で治る」という手順を踏んでいないことになります。

 

解決策にA・B・Cがあるとます。

  • 解決策A(DAW再起動)
  • 解決策B(OS再起動)
  • 解決策C(その他の問題)

ABCは問題の大きさとは無関係です。

 

まずAとBという基本的な手順を経ることで、問題がCであることが確定します。

 

・たいていの問題はシンプルである

問題に直面した時、とてつもなく複雑な何かが起きていると錯覚する人が多いようです。

これは熟練度と無関係に起きる心理のようです。

超ベテランの人がアレコレやって、最終的に「諦めて電源落として風呂行って戻って切って電源入れたら治った」という状況です。

ほとんどのトラブルはイージーなミスかケアレスミスです。

 

・問題を拡大させないこと

どんな問題が起きた時でも、その時の状態に戻せる手順を記録しておくべきです。

救助に行った人が遭難するという、いわゆる「二次災害」が発生します。

 

問題解決のために「前進あるのみ」と考えてはいけません。

大事なのは「戻れる道を確保すること」です。

  • おかしなツールを使う
  • 理解していない方法を使う
  • 元に戻す方法を理解していない方法を使う

こうした方法によって、引き返すことが不可能になり、二次災害となります。

 

元に戻れるように、全ての行為を紙にメモしたり、スクリーンショットを残したり、ケータイのカメラで撮影するように習慣づけましょう。

 

私個人のやり方は、基本的に紙にメモを残すことです。

その際に、絶対に略さないことです。

どこのフォルダでどのファイルに何をしたとか、全て一字一句を正確にメモするのが私のやり方です。特にフォルダ名やファイル内のデータ値は正確に、走り書きせず、ゆっくりメモすることです。

 

連続性のある手順の場合、その行為の順序を全て書き残すことで、逆の手順で復旧させることができます。

 

ハードウェア系の分解や再接続の場合は絵で残したり、写真を残したりしています。

絵も写真も一長一短です。

特に写真の場合はピンボケになったり、影になったりして記録が意味をなさないことがあります。写真記録のミスで特に多いのが、機器の接続状態を撮影したつもりが、ケーブルなどの影になって肝心の場所が写っていないことと、フラッシュによって光すぎたり、影で真っ黒になることです。

絵は面倒で正確性がありませんが、需要なポイントであることを確実に記録できます。

 

■馬鹿馬鹿しいかもしれないけど、一度はやってほしい

記録しつつトラブルシュートを行うと、自然と色々な知識が増えます。

手当たり次第に目についた部分に触れる方法だと、何回やっても知識になりません。

 

コツはお菓子と漫画を用意することです。

お菓子があればゆっくりくつろぎながら作業できます。冷や汗をかきながら焦って作業すると、ケアレスミスが頻発します。リラックスは最高の能力を発揮するために欠かせません。

漫画があれば、いい具合に先入観の記憶が消えるので、問題点をまっすぐ見つめ直すことができます。(集中とは盲目と同義です。)

 

もちろん、個人差はありますが。

 

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