eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

DTM、音程補正の正しいやり方

DTMに関する記事です。昨夜の談義で「音程補正ツールの正しい使い方について書かれている記事って全然無いよね」という声があったので、端的に書いておきます。

この記事ではVariAudioを使っていますが、同様のことはAutoTuneでもMelodyneでもできます。

「一括操作の音程補正だとガチガチ感が出てしまう」とか、そういう作り方をされている雑な仕事の音を聞いて「補正してる音はすぐ分かる」とか言っている人がいますが、以下のやり方をした音を聞いても補正していることは絶対に判別できません。判別可能なのは下手くそがやった音程補正だけです。

■手順

まず「頭」「終わり」の音程移動ニュアンス部分を残してセグメントを切ります。

セグメントは適当に数か所で切ると良いです。

f:id:eki_docomokirai:20170504064210p:plainセグメントを切ったら胴体部分の音程を半自動で合わせます。微調整とかまったくいりません。ドラッグした時に音程ピッタリの近くになると吸着されるので、それに従ってピッタリ移動させます。

胴体部分の音程揺れは胴体部分のセグメント内に残っているので、エディタの表示上で赤いバーはバキバキに修正されていますし、操作も非常に雑にやっているのですが、下手くそなオートチューンのような作為的な感じは一切出ません。

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■例2

次も同じです。

f:id:eki_docomokirai:20170504064214p:plainVariAudioの場合は選択したバーすべてが吸着対象になるので、まとめて選択してちょっとドラッグすると一発ですべて吸着されます。

Melodyneの場合、ダブルクリックで吸着です。

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■なんでセグメントを切るの?

セグメントを切らないと検出された音程バー全体が移動します。伸ばした音の最初の部分に音程を補正すると終わりの部分で崩れます。中間部分で合わせると頭と終わりがずれます。終りの部分に合わせると頭がずれます。

それを避けるために「残す部分」「音程感を明示する部分」に切り分けるということです。

音程補正ツールは伸びている音を1本のバーとして表示するために「平均音程」でおおざっぱな位置に初期配置されているからです。ツールは楽譜上でどのような音が正しいのかを判断しているわけではなく、周波数を機械的に検出しているだけです。

セグメントを切断すると、切断されたパーツごとの平均値に再配置されるので大きくズレている部分と、かなり正確になる部分とに別れます。上画像の右側の赤いノートの頭の部分がどのように処理されているかを観察してみてください。切断後に頭と2つ目のバーが大きな段差になっています。これは頭のバーのシャクリの部分の音程が再検出された結果です。

 

胴体部分のセグメントを複数に切るのも理由は同じです。伸ばしている部分の前半・後半のどちらかにあわせてもどうせズレるので、2つか3つに切断した方が良いということです。

■なんで頭と終わりを残すの?

いわゆる「しゃくり」など、音程が大きく動いたり、音程があいまいなノイズとして検出される部分は音程を変えると激しく破壊されます。そこの破壊が起きるといかにも音程補正ツールを使ったおかしな音になります。なので残したほうがベターです。

■じゃあどんどん細切れにした方が良いの?

違います。細切れにしすぎると音楽的に必要なある程度のゆらぎまで消えてしまいます。表示されている音程の曲線を観察しつつ適当に数か所で切る程度で良いです。

■裏技

めちゃくちゃに細切れにするか、数カ所に切ってからの加工でも構わないので、胴体部分の音程をまっすぐに加工してしまいます。

その上でオーディオエフェクトのビブラートで適度な揺れをつけると、とてつもなく美しいビブラートを付け加えることができます。ビブラートエフェクトのかかり具合はオートメーションで傾斜させると自然な仕上がりになります。ビブラートの速さは5/sec~6/sec程度が妥当です。Depthはエフェクトによって指数が異なるので、これ以上深くなったらおかしくなる数値を見つけ、それを最上限としてオートメーション情報を修正すれば良いです。

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以上、過去にレッスンで教えていた内容から抜粋。

もう音程補正技術を教える需要も無くなってきたので公開しておきます。

 

オンラインレッスン(有料、料金は応談)ではこの他にもいろいろなテクニックについて解説しています。随時受付中です。

 

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