eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

作編曲家のえきです。DTM/音楽制作で役立つTIPSを書いています。

帯域分割モニター法(1)ローファイチェック編

(人気記事!)DTM、ミックス、マスタリングに関する記事です。

この記事は「異なる環境でも均一に鳴るミックス」に仕上げる技術について書いています。

(2018年8月12日更新)

 

関連記事は記事末尾にリンクをまとめてありますので暇人はどーぞ。

 

■帯域分割モニター法とは?

独自の用語です!

この名前で呼んでいなくても、同じことをやっている人は多いです。

 

というか、この方法を知っている人なら「あー、それね。やるやる。」という常套手段でしかありません。

が、知らなかった人にとっては「目から鱗」な革命的なミックスアプローチだそうです。

 

確かに私も初めて教わった時には驚きました。

私は生演奏メインで育ってきたので、大人になるまでミックスという概念がありませんでした。(簡易PA時などで少し調音をやっていた程度)

そのぶん演奏経験が多く、エンジニアの師匠からは「音量とリズムの制御に限ってはすでに卓越している」と評価されました。ミックスのエンジニアはその「音量差の判別」を「トラックと全体の音量」というマクロの制御だけではなく「帯域ごとに音量を判別して整える」というミクロな方法で全帯域を最適化していくと教わったわけです。

 

これを秘伝の方法だと考えて、有料で教えている人もいるようですが、私にとっては別にお金を取るレッスンでやる程度のものではないので、無料記事として公開しています。このやり方を教えてくれた師匠からも無料公開の承諾を得ています。

 

 

■ローファイチェックとは?

帯域分割はこの記事のシリーズ(2)では細かな帯域に分けていきますが、まずは「超下・中全部・超上」の3段階で行きます。

 

「ラジオミックス」と呼ばれるロー&ハイエンドをカットしても破綻しないミックス方針があります。(さらに過酷なラジオミックスはモノラルにも対応するようにします。が、これは特殊なので後述。)

 

一般的なテレビやラジオ、スマホのスピーカーではロー&ハイはかなりカットされます。世の中はショボいスピーカーで埋め尽くされています。店舗BGMで聞こえてくる有線放送の音も、チープな店内スピーカーで再生されるのでかなりローファイです。

世の中のほとんどのリスナーはクソ環境だから「俺様の神MIXはそんな安物スピーカーで聞かないでください!最低でもヘッドホン推奨!」といっても無駄です。世の中の音楽は私達製作者の想像を絶する低音質で再生されています。

こんな記事に興味を持つ人はミックス用途やオーディオ鑑賞用途で購入した数万円、数十万円のスピーカーやヘッドホンを持っているはずです。でも、学校や職場の友人に「ウチのスピーカー、5万円なんです。片方で。」と言ったら変人扱いされるはずです。

 

ともかく、Youtubeなどでネットストリーミングの音楽を聞いている人のほとんどはノートPCやスマホタブレットについているスピーカーで音楽を聞いて「いいね!」とか言っているだけです。

 

そもそもミックスの歴史は「どんな環境でもそこそこ曲が聞こえる」「特にジュークボックスとドライブ中に聞こえやすく」ということを重視した時代を経て発展・継承されています。(参照記事→ミックスの歴史、音圧戦争の歴史 - eki_docomokiraiの音楽制作ブログ

 

なので、まずは世の中のスピーカーに対応できる狭い周波数幅だけでチープにミックスし、そこにローエンドとハイエンドを付け足すことで高級スピーカーにも対応することを目指すわけです。

 

■グラミー受賞エンジニアも紹介している方法です

グラミー受賞歴のあるMatthew Weiss氏もこの記事で紹介する方法と同様のミックスアプローチを行っています。

theproaudiofiles.com

上のリンク先の海外記事でも「マスターの上下に大きくフィルターをかけてミッドレンジを聞く」という手法が紹介されています。 

 

私程度が言っても「何言ってんだこいつ」と思われるかもしれませんが、実際に国内外のエンジニアが割りと普通に行っているやり方です。なので信用しておk。

 

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■用意するもの

  1. あなたがミックス中の曲と、目指すサウンドの市販の音源(参考曲)
  2. マルチバンド系のエフェクトで、特定帯域だけをソロで聞けるもの
    追記。マルチバンドじゃなくて普通のEQを複数使ってもOKです。)

 

ISOL8などのローファイチェック専用プラグインもあるのでおすすめです。
eki-docomokirai.hatenablog.com

ISOL8はここ数年で出会ったフリープラグインの中では圧倒的に実用性の高いスグレモノでした。非常にオススメです。

 

■ローファイ環境をシミュレートしてみる

まず初期設定としてローファイ環境、つまり「しょぼい音」を再現してみます。

 

適当なマルチバンド系のエフェクトを立ち上げます。画像はCubase6の付属のものです。

100Hz~10kHzの音だけを聞ける状態を作ってみましょう。

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上の画像のように特定の帯域を100Hz~10000Hzに設定し、その部分をソロにしてモニターします。(コンプ等の色つけ設定は極限まで減らすようににしてください。)

 

やってることは単なるハイローカットをキツめに掛けているだけなので、普通のEQでも構いません。

 

・フィルターカット角度は-12dB/oct.程度でOK

注意!ハイ/ローのカットの角度はややキツくした方が良いです

上の画素象で使っているCubase付属のマルチバンドコンプは-12dB/oct程度でカットしていて、これで十分です。

ISOL8はデフォルトだとたしか24dBです。(48に変更可能)

 

マルチバンドエフェクタによっては、自然なサウンドを重視しているためカット角度がゆるいことがあります。

例えばWavesL3系などのマスタリング用途のものは角度がゆるい傾向です。(設定による)

また、上の画像ではマルチバンドコンプのGUIの表現上「垂直に」切っているように見えますが、実際には垂直ではありません。

カット角度が急激すぎると聞こえ方が不自然になります。

手持ちのプラグインで何種類か試してみて、程よい角度でカットされる使いやすいものを探してみてください。

 

 

 

では、この狭い帯域だけで「あなたの曲」と「市販の曲」を交互に聴き比べてみてください

 

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ガッカリしたところで次へ。

 

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■なぜチープな環境を再現するのか?

普通の人はノートPCやディスプレイについているスピーカーで音を聞いています。スマホのスピーカーや付属イヤホンでそのまま聞いている人のほうが圧倒的に多数派だということを思い出してください。

 

もちろんDTMのガチ勢やオーディオマニアは、ペアで数十万とか数百万のスピーカーを使っている人もいます。

部屋自体も音響的に好ましいベストな環境にしている人もいます。

 

しかし、ベストなモニター環境で、その部屋じゃないと良い曲に聞こえない「俺の部屋専用サウンド」にしてしまうのはMIXの本質ではありません!

 

むしろ逆です!

あらゆるミックスはチープな環境にそろえるべきなんです!

 

これはほぼ全てのミックスの教科書で共通して書かれていることです。

事実、立派な商用スタジオでもチープなスピーカーが装備されていて、「一般人はこのくらいの音で聞いている」というローファイチェックを行っています。

 

  • チープなスピーカーでの再生
  • スマホ、ケータイ付属スピーカー
  • それらの初期付属イヤホン
  • AMラジオ
  • モノラル店内放送、ラジオ、テレビ
  • ノートPC内蔵スピーカー
  • 100円スピーカー

 

これらのクソ環境に似せるために、マルチバンド系のエフェクトで100Hz~10000Hzだけを再生するわけです。たくさんのスピーカーを並べなくても、そこそこのチェックが可能になります。

 

 

・優れたモニター環境のみを対象としたミックスもある

例外として、ハイエンドなモニター環境のみをターゲットにしたMIXもあります

それはズバリ、映画館専用やコンサートホール専用につくる音源です。

 

そういう規模の仕事をしている場合はこんな方法を使わずにきっちり作る必要があります。

余談ですが、漫画家の人など、別分野でも同じコンセプトで作業をするのだそうです。週刊誌の紙は質が悪く、原稿どおりの繊細な絵は印刷しきれなかったり、コミックスのサイズになった時に縮小されて潰れてしまうこともあります。それを避けるために妥協をするのだそうです。カラー印刷物でもなかなか狙い通りの色が出てくれないことが多く、いろいろと工夫しているそうです。大友克洋の漫画『AKIRA』は緻密すぎる絵を表現するために大きなサイズで売られています。音楽で言うとハイレゾ音源のみ販売、という感じですね。

Youtubeニコニコ動画などの動画作品でも、スマホの小さな画面でも文字が読めるように大きく明瞭な文字で作られています。また、動画ファイルがエンコードで劣化することを前提に作られています。

それらと同じように、音楽も自分の環境でよく聞こえるだけではまだ半分、というわけですね。

 

似たような専用ミックスとして、野外アリーナ専用ミックスや、ダンスホール専用ミックスもあります。それらについて知りたい人は、そういう環境に詳しいちゃんとした専門家から指導を受けてください。

気が向いたら知っている範囲でそれらについても別の記事を書こうと思っていますが、私はそっち方面の経験が豊富とは言えないので、たぶん書きません。ネット情報のノイズにしかならないので。

 

そういうハイエンド向けのミックスにしなくても、通常の市販曲に近い音にしておけば、野外イベントなどであなたの曲を再生する時には現場のPAががんばって調音してくれます。

 

学校に通っている人だったら、学校に許可をとって体育館で自作曲を再生チェックしてみるのも良い経験になるはずです。(勝手にやったら怒られるので、必ず許可を得てから実行してください!!)

 

・100Hz~10000Hzで組み立ててから上下を足す

「100Hz~10000Hzモニタリングでもキックとベースがそれなりに聞こえるか?」をチェックします。

 

この方法でキックが聞こえなかった場合には中域にキックを足します。

 

よく言われているとおり、「キックやベースは低音楽器だから、思い切り低い周波数で均す!」というイメージ優先の方法は間違いです!

それらの低音楽器はイメージに反して結構高い周波数帯域で強く鳴り響かせるべきです。

良いモニタースピーカーを使っていると、ローエンドまでしっかり聞こえてしまうので、ついつい超低域で鳴らしてしまいます。自慢のスピーカーの性能を封じるのは悲しいことですが、ここはガマンです!

 

EQを直すだけで対応できればスマートなのですが、それだけでは済まなくなっていることもあります。コンプの結果、その帯域が消えてしまっている場合は、コンプ前の音に戻る必要があります。(根本的に下準備が間違っているということです。)

たとえば、ドラムセット音源のキックを一切加工せずプリセットのまま鳴らしてみたり、ダンス系のキックサンプルをそのまま鳴らしてみるとヒントをつかめるはずです。プリセットやサンプル集の音は想像以上によく出来ているものです。

 

もともと普通に鳴る良いキックなのに、自慢のEQやコンプを使いたくなりすぎて、ついつい加工しすぎてしまっているということです。

特に初心者の場合、細かくEQすれば音が良くなっていくと思い込んでいるものです。EQの究極の使い方は「いろいろいじって、バイパス(オフ)にした音と比較すること」だという話は聞いたことがあるはずです。ためしにキックにかけているEQをバイパスしてみてください。

 

キックやベースなら異なる帯域特性の音色をレイヤーすることでリカバリーすることが可能です。例えばドラムセットのキックのビーターの音を強調したレイヤートラックです。

低い帯域で「ボッ、ボッ」と鳴っている要素はローファイ環境ではまったく再生されないので、高い周波数帯域で「バチッ!バチッ!」と鳴るキックを強調するわけです。 

 

■さらにチープな環境でも試してみる

もちろん、さらにクソな環境を再現するために、

  • 100hz-10000hz だけではなく、
  • 200hz-9000hz
  • 300hz-7500hz

という超クソ音でもチェックしてみます。

これはあらゆる曲のミックスで最も重要です。

 

 

これら極悪ローファイ環境では、キックとベースが鳴るべき帯域が完全に消滅してしまいます。

これを防ぐためにベースを1000あたりで大きく聞こえるようにしたり、キックを7000あたりでバチバチ鳴らすMIX方針が広く使われています。(ベースやキックは低音楽器ですが、「低音」という先入観よりもはるかに高い帯域で倍音が鳴っています。

 

300-7500は、だいたいノートPCやスマホの小さなスピーカーから出る音です。

多くの楽器の基音が削れてしまうので、通常のミックスのままだと確実に破綻します。

なので、300~7500はローファイの限界環境だと思って、なかば切り捨てても良いかもしれません。なぜならノートPCやスマホでしか音楽を聞かない人だとしても、彼らはイヤホンを持っているからです。その付属イヤホンで聞いた方が、スピーカーよりは少しはましな音(100~10000)がすると知っているからです。

 

 

 

・市販の曲をチープな環境で聞いてみる

市販のちゃんとしたミックス済みの曲なら、こういう環境でもそれなりに聞こえるものです。では自分の曲はどうでしょうか?参考曲と交互に聞いてみて、クソ環境にどこまで耐えられるミックスなのかを観察してみてください。

 

これらの極悪環境で市販曲を再生してみてください。

非常にチープで細い音ながら、それなりにキックもベースも聞こえているはずです。

その場合に聞こえてくるキックは「一番低い再生周波数=300Hz」ではなく7000とかの高い周波数帯のはずです。よく耳を澄ませて周波数を聞いてみてください。

ベースも同様で、ブーンと低く鳴る低域ではなく、ビーンと金属的に聞こえる高い周波数帯域のはずです。

 

優れたミックス環境を整えた中級DTMの人のほとんどがこの「プロの音がチープ環境でどう聞こえるか?」を見落としています。

せっかく買ったモニター用のスピーカーやヘッドホンだから、できるだけ良い音で聞こうとしてしまうのは人情です。

しかし、良い環境を得たからこそ、チープ環境との「比較」の道具として使うべきなんです。

 

私が今までレッスンをした人のほとんどが素晴らしいモニター環境を手に入れています。その上で有料レッスンでさらに上を!と考えて受講してくれています。

しかし、受講者の大半が「俺様のモニター環境専用ミックス」になっています。

 

 

■オーラトーンをシミュレート

Jason Moss氏のブログ「Behind The Speaker」でもまったく同じ手法が紹介されています。(無料記事です。)

behindthespeakers.com

Jason Moss氏はミキサー、プロデューサー、エンジニア、ニューヨーク大学の講師。多くの出版物があり、バークリーを筆頭に広く使われています。所属するジョー・ダンブロジオ・マネージメントは2017年に9つのグラミー賞作品に携わっています。

そういう水準の仕事をしている人でさえ「チープな音でチェックするのは大事だよ!」と力説しているんです。

 

その記事では、伝説的なモニタースピーカー「オーラトーン」の音の重要性について述べられています。

 

オーラトーンを知らない人のために簡単に説明すると、「しょぼい音を出すスピーカー」です。高性能でもない安価なスピーカーなのに「伝説的なミックス道具」の定番なんです。

最強のフラットなスピーカーを追い求めている人にとっては理解できないことでしょう。なぜこんなものがレジェンドなのでしょうか?

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上の真四角の茶色がオーラトーン5C、下の黒いのがヤマハNS-10M(Studio)です。

上、Auratone 5Cのコーン部分の直径が11.43cm(4 1/2インチ)。

下、YAMAHA NS-10Mの白いコーン部分の直径が18cm。

画像は比率をほぼ正確に合わせています。

オーラトーンがいかに小さいのか。そして、その程度のスピーカーから出る音は想像できることと思います。

 

そのショボいオーラトーンの音をEQ一発だけで再現する方法として、

  • 上5000Hzのハイパスフィルター
  • 下170Hzのローパスフィルター
  • どちらも18dB/octのフィルター角度

というレシピが紹介されています。これは非常に過酷なローファイ環境です。

 

■オーラトーンって何?

オーラトーン5C(auratone 5C Super Sound Cube)とは何か?

 

多くのプロユーススタジオでオーラトーン5Cが使われ続けている理由は「しょぼい環境を再現するため」です。同様に伝説的なモニタースピーカーとして愛され続けているヤマハの「テンモニ」(YAMAHA NS10M)も、しょぼい音環境を再現するためです。どちらもダンスミュージックの低いキックをまったく表現できないことで有名です。

 

「最終的に再生される一般家庭のチープな環境でどのように再生されるのか?」を的確に教えてくれることと、「これらのスピーカーで聞いてそれなりに仕上がっていれば、どのような環境で再生されても再現性が担保される」というのが選ばれた理由です。また、そのような特性であると見抜いたエンジニアが有名人であったことから爆発的に広まり、スタンダードの地位を築き上げた製品です。

今の時代で言うなら、「最も普及している視聴環境=iPhoneの付属イヤホン」がこれに相当するとされています。実際、多くのエンジニアがiPhoneのイヤホンでチェックしているようです。

 

オーラトーンやテンモニは1980年代を中心にスタンダードとされたサウンドです。

その後の時代には音楽のジャンルも大きく変わり、特にクラブサウンドの流行によって「重低音ラブ」な時代を経ているので、現在ではオーラトーンやテンモニによるチェックが無意味になっているという声もあります

が、その一方でスマホとネットオーディオが爆発的に普及してきたので、やっぱりチープな音でもそこそこ聞こえるミックスの需要は不動です。むしろ大型ラジカセやミニコンポという再生機器が消滅した現代の方が、世の中の音はさらにチープになったとさえ言えます。

 

・安いイヤホンのことも考えよう

現在はイヤホンによるリスニングが広く普及している時代です。

安価なイヤホンでのチェックも忘れてはいけません。

 

私達音楽家が「安価」と呼ぶものと、一般人が「高級」と呼ぶものは同等だと言えます。

ためしに近所のヤマダ電機で一番高いイヤホンを買ってみてください。その音が一般人の「高級な音」です。近所で手に入る最も良いイヤホンは電気屋に陳列されているちょっと高いイヤホンです。

狂っているのは世の中ではなく、私達音楽家の金銭感覚だと自覚するべきです。あなたの周りで1万円以上のイヤホンを所有している人を探してみてください。質問して回っているうちに「え?ていうか1万円もするイヤホンなんてあるの?」と逆に質問されるはずです。

 

一般家庭で旦那さんが嫁さんに「仕事で必要だから良いスピーカー買いたい。」なんて言ったらどうなるでしょう。

嫁『スピーカー?わたしも良い音で聞きたい。白いのが良いな。』

「20万。」

嫁『は?』

「あ、ごめん。見間違ってた。ペアだから40万。」

と言ったら、以下略。

 

■クソ環境でミックスしてみる

ぎりぎり許せる破綻ならスルーしましょう。

完全にダメな破綻だった場合にはあらゆる手段を使って直しましょう。

ミックスの下準備段階や、シンセの音色、サンプルの選択など、根本的な手直しが必要です。

 

この失敗を数回経験すれば、初期段階で「あっ、この音はローファイにしたらまったくヌケない音じゃないかな?」と予測できるようになります。

 

市販の曲をいくつかローファイで聞いてみると分かるとおり、チープな環境でも良く聞こえるミックスは間違いなく実在します。

そういう音を目指すことも、最高のミックスの指標のひとつであることは間違いありません。

何度も言いますが、自分の環境でしか良い音に聞こえないミックスは、どんなに良く聞こえてもクソミックスです

積極的に妥協し、より多くの環境でそこそこ鳴るのがベストです。

  

この作業を繰り返し練習し、

「チープな環境でもそこそこ聞けるミックス」と

「良い環境ではもっと良く聞こえるミックス」の両立

を目指してみましょう。

 

片方しか満たしていないのは、どんなに時間をかけて頑張って作った音でもNGです。

1つの環境で気持ちよく聞こえることだけを目指すのは絶対にダメです。

 

Waves様も推奨しています

8 Tips for Great Sounding Mixes on Small Speakers

Wavesでの記事リリース日は2018年5月24日。

つまり私が教わった時期や、私がこの記事を書いた時期よりもはるかに後です。

書かれている内容は、

・再生可能な周波数の狭さに注意する(チープ環境の度合いは800以下、400以下、200以下)

・その範囲内にすべての楽器を収める

・音量差を狭くする

・小さく聞いてみる

・高周波数帯域を強くし、チープ環境でも発音可能にする

というものです。

また、オーラトーンについても同様に触れられています。

 

要するにWavesが言ってることは、私の師匠が教えてくれたことと同じです。Jason Moss氏が言っていることとも同じです。

 

私が言ってるだけだと信用できない人も多いことでしょう。

しかし、海外の一流エンジニアやWavesも同じことを言っているのであれば疑う人はまずいないのではないでしょうか?

 

当ブログでは多くの海外記事翻訳も掲載していますが、それは私が言っているだけだと信憑性が低いと思われることを予測しているからです。「海外一流のエンジニアも同じことを言っているよ!」という箔付けのために翻訳活動を行っています。右から左に伝言しているだけではないことは、他の記事を見ていただければご理解いただけるはずです!

 

以上を理解した上で、続きの記事もどーぞ。

 

eki-docomokirai.hatenablog.com

 

 

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