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eki_docomokiraiのブログ

作編曲家のえきです。DTM、音楽制作TIPS、およびゲーム(Diablo3RoS)の話を書いています。

Meldaのお話 Ver.8.0x~10.07

DTM・プラグイン

ニコニコのブロマガに掲載していた自分の記事をはてなブログに移動しました。Google検索で「Melda」と入れるとびっくりするほど上位に出つづけていた記事です。

というわけで、Melda Productionの傑作フリープラグインの紹介です。

http://www.meldaproduction.com/plugins/product.php?id=MFreeEffectsBundle

Meldaはガチプロの人数名も絶賛していた安価で高機能なプラグインです。音は余計な加工しないクリーンな方向性。ある人は「ポストWavesになりうる」とも言っていました。

が、最初に断言しておきますが、多機能の代償として信じられないくらい複雑でとっつきにくいです。カスタマイズ好き向けだと断言できます。

コンピュータの各種設定を細かく行うことに抵抗のない人ならまじおすすめ。

Wavesのワンノブとかシグネチャーのような簡単オペレートを直感的に行うのが好きな人にはまったく向いていません。ガチオタク向け。

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■価格は無料でOK

いくつかの基本的なエフェクタ群の入った「フリーバンドル」はフリーで永久に使えます。

フリーバンドルに対して課金すると、確か「ちょっと機能増えるよ」というものだったはず。2017年3月17日現在49ユーロ(5944円)です。

なんとなく課金版にしたのですが、そんなに機能が増えた感じは無いです。たぶんフリーのままで良いんじゃないでしょうか。

もしかすると課金しないバージョンだと何か制限があるかもしれません。

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■M/S機能とアップサンプリング

厨房御用達のMS処理とアップサンプリングもついています。

ほら。お前らM/S処理好きなんだろ?Meldaならいくらでもできるぞ。フリーで。

簡単オペレートで飽きるほどM/S加工やって「あー、こういうことかー」と、さっさと悟ってしまいましょう。

 

右にある「L+R」を押して「Side」に変更するだけです。これでサイドのみを加工できます。この操作はMeldaの全てのプラグインで共通です。

多くのDTM系サイトがドヤ顔で書いている複雑な前準備とかまったく必要無いです。チャンネルをMとSに分けて~とか書いてるサイトは5年とか10年前の話であって、今ではあんな面倒くさい処理は全く必要ないです。(というかMeldaはその5年前とかからずっとこの機能がついています。)

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画像の赤い◯がアップサンプリング。最大16倍。そりゃまぁ擬似的な措置だから限界はあるけれど、劣化をかなり防げます。CPU負荷があからさまに上がるので、よほど繊細な処理でもない限り、初期のX1で十分です。

緑の◯がチャンネルモードの変更。わずか2クリックでサイドのみにEQをかけられます。マスター付近でアップサンプリングを上げてサイドを少しあげることで、いわゆるMS処理に求められる加工が完了します。(同様にMeldaのコンプでサイドのコンプ感を処理すれば良いですね。)

もちろんMidのみにもできます。Midでボーカルを邪魔してしまっているトラックを逃がす処理が一発でいけます。

Meldaは変態なので何に使うのかも謎なチャンネル設定が大量に入っています。こういう謎機能が満載なのでMeldaは使いにくいです。

■レイヤードアナライザ

近年のまともなDAWであれば、標準でアナライザ付きEQが装備されているので、すでに時代が追いついてきた機能です。

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その他、メイン画面にはアナライザ表示を重ねられます。

リアルタム出力される波形、またはピーク(+ステレオ位相差)を表示できます。
それぞれの表示は加工前と加工後を任意に表示できます。

アナライザのギザギザを滑らかにする表示もあるので、細かいピークにとらわれずにマクロなバランス調節に集中できます。

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アナライザの表示がややなめらか&とてもなめらかになっていますね。 

■設定比較機能と、状態コピペ

プラグイン右側にあるABCDEFGHの文字は8種類のプリセットです。これらも一気に呼び出せるので、あらかじめセッティングしておけば8種類の中からワンタッチでプリセットを呼び出せます。もちろんA<>B比較機能もあります。なので、1つのトラックに1つのMeldaのEQを挿しておくだけで、多種多様な比較を行いながらミックスを行うことができます。

比較の途中でキープしておきたい設定があった時には、A~Hの箱にコピペできます。これも2クリックで操作完了するので便利です。いちいち名前を付けて仮プリセット保存する必要がありません。

ただし、M/Sやアップサンプリング、ゲイン制御などの根幹部分の機能はA~Hの簡易プリセットには保管できません。この部分だけ片手落ちな気がしています。どうせなら各社のM/Sマトリックスのようにバランス指定できるスライダーも搭載してくれればなぁと思います。

■デフォルト状態の指定

地味に一番強力だと思っているのが、デフォルトセッティング機能
これを設定しておくと、プラグインを呼び出した瞬間にいつものお気に入り設定で起動してくれます

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良い感じのEQ設定、環境設定が出来上がったら、右上のSETTING→Set Default Settingを押すだけです。
わずか2クリックで保存できます。

たとえば、
「ローカット+ハイシェルビング+残りのバンドはナローQピーク4本」
「ローカット、ハイカット+残り4本はミディアムQピーク」
「ナローQピーク3本とワイドQピーク3本」
などの組み合わせ

これは他者でも見習って欲しいなーと思っている素晴らしい設計思想です。(※それをすべてぶち壊しにするほど酷い暗黒面も併せ持つのがMeldaのダメなところ。)

■変則シェイプ

1バンドのみの操作で倍音加工ができます。


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通常のEQだと複数のバンドを山盛りにしないと不可能な倍音加工が1バンドのみで実装できます。
倍音はオクターブか線形を選択し、さらにそこから任意の幅と振幅回数を選択、減衰率を指定できます。

画像の左下のようなよくある集中カットのシェイプをプリセット化しておけばすぐに呼び出すことができます。
ホワイトノイズを加工して作る単純なアップリフターをより色濃く作ることも可能になります。

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■ついでなのでコンプも紹介

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これも根幹になる項目はEQと同じで、M/Sやアップサンプリング、自動ゲイン調整、プリセット、比較、デフォルトセッティングなどがついています。これはMeldanoほぼすべてのプラグインで共通です。

Meldaのコンプは変態的なシェイプを作ることができるので、画像のようにゲート+WavesのMV2のようなダイナミクスレンジを狭くして一気にファットな音に持っていくこともできます。

 

バージョン10.07からはVST3によるサイドチェインコンプ(ダッキング)もできるようになりました。完璧です。 

eki-docomokirai.hatenablog.com

よくコンプの質感がどーのこーのと言われていますが、結局のところコンプの個性なんてのは各種パラメタ(特にニー) によるものであって、自在にパラメータを設定できるMeldaのコンプで大抵のコンプ・カラーは出せてしまいます。(その設定が面倒だからコンプのモデル名に頼ってイージー・オペレートをした方が良いよね、というのがコンプの個性についての話です。)

惜しむべくはウェットバランスとパラレルがついていないことくらい。その辺をカバーした上級コンプは同社から他にいくつも出ているので、フリーでこれだけ攻められるコンプがあればもう十分すぎるよね、と思いますよ。ほんと。


■任意ニー

多くのコンプに搭載されているソフトニー/ハードニーの切り替えをさらに発展させた機能があり、これがMeldaコンプの最大のアドバンテージだと思っています。
ニー変更だけではなく斜面も湾曲することができます。

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つまり上記の機能を組み合わせると「コンプ」「リミッタ」「ゲート」を一括管理できるということです。特に斜面を湾曲する機能でゲートをかけると、ソースを問わず0dB寸前の処理をものすごく綺麗に、しかも簡単にできます。

左画像の左下を見てみれば、ゲートを頻繁に使う人ならすぐに分かるはずです。

 

■イン・アウトレベルが使いやすい

地味に便利なのがインプットレベルを操作しやすいこと。
基本設定をして、デフォルト登録しておけば、次回からはプラグインを開いてインプットレベルを変更すれば、お気に入りのシェイプにぶつけることができます。

また、インアウトをマルチパラメータ機能に組み込んでおけば「イン+12してアウト-12」という設定で、常に音量を正規化することも可能です。この設定を組み込んでおくとコンプ設定で悩んでいたのがアホくさくなるくらいの超イージーオペレートができるようになります。マルチパラメータについては説明が面倒なのでがんばってください。(有料のレッスンでは丁寧に教えています。)

こういう実用的なマルチパラメータの設定が最初から入っていれば本当に神がかり的なのになぁと、ちょっと残念。

ところで、インアウトのついていないコンプはそれだけでかなりの減点だと思っているのですが、どう思います?

 ■コンプの変態シェイプ

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普通のコンプだとレシオとスレショ、Knee設定を行うところですが、実に変態的な制御が可能です。

左の画像例では、異常なシェイプが描けることの紹介として、モダンシンセのエンベロープのような起伏と、リミッター水平線も入れてみました。何に使うのか謎な機能が満載なのはMeldaの特徴です。


あくまでも「なんでもできる感」を見せるための画像であって、実際にこんな設定で音を出すことは無いです。念のため。

 

もうちょっと実用的なカスタムシェイプ例の画像を追加。

f:id:eki_docomokirai:20170317035913p:plainこういうシェイプだと、圧縮だけではなくアタック感の確保が綺麗にまとまります。

こういう処理をトランジェント系・アップワードコンプでやると無駄に突出してしまいがちなところですが、Meldaコンプならレベル管理が容易です。ジャンルを問わず非常に便利ですよこれ。

 

■その他

すべてのMeldaプラグインエフェクトには、過出力予防のための簡易リミッタ(LIMITERボタン)、加工前後のラウドネスバランスの自動補正(AGCボタン)があります。

自動でそこそこの音量レベルに調節してくれます。

が、私は使っていません。

 

■操作性

EQの項目で書き忘れていましたが、Meldaのプラグインの操作はマウスオペレートに特化していて、ホイールやCtrl+クリックなどでさまざまなパラメータを制御できます。右クリックで数値の初期化ができるので、これだけは覚えておいて良いと思います。

操作には個人の好みもあるので優劣を言うのは難しいですが、トップ級に多彩な操作ができることは間違いありません。精密操作モードや拡大表示、QやKneeの操作はすべて見た目通りに行えます。

拡大表示はゲートの設定をする時にものすごく便利です。アホでもきれいなゲートを作ることができます。


というわけで数年ぶりにMeldaの紹介記事を書いてみました。
 
過去にやっていたブログでもMeldaの使い方について割りと細かく書いていて、それなりのアクセス数があったようです。マニュアルもいらん話が多すぎるし、謎のボタンが多すぎてとっつきにくいよなぁ、と思ったのでそういう記事を書きました。
その後は大きくバージョンアップされ、使い勝手も結構変わったように感じています。
前バージョンの頃に原因不明のエラーによって「Meldaのプラグインを挿し、外すとEQWが100%即落ちする」という症状に見まわれ1年ほど使っていませんでした。
このたび晴れて復帰したので新バージョンのチェックもかねて画像多めの記事をつくりました。

ここ1年くらいPro-Qの人気が凄いようですが、同等かそれ以上の機能を持っているMeldaのフリー版を試してみて、「フリーでこれだけできるなら買わなくても良いじゃん」という気持ちになるかどうか試してみてはいかがでしょうか。
今回の記事では「非常に便利なんだけどどこから操作するのか謎」な部分を重点的に紹介してみました。
分からない点があったら放送中もしくは掲示板などで質問どーぞ。暇な時なら答えられる限り解答します、たぶん。

気が向いたら帯域住み分けミックスの友、なんで誰も使ってないのか不思議なくらい便利なマルチアナライザーとか、ToneBoosterの話でも書くかもしれません。

みんな有名ドコロや時事人気で同じようなプラグインに飛びつく傾向が強いようですが、他人に遅れを取って追走するより、未開拓に近いマイナーどころを使ってみるのも楽しいですよ。
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2017年3月17日、ブログ移行にともない記事を一部修正。

 

安価で高機能なデベロッパ四天王、他にどこが良いかなぁ。などと思うことがあります。
面白いのあったら教えて下さい。

 

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